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敵からの逃亡

茂みから物音が聞こえた。


暗くて分からないが、何か犬くらいの黒い影が多数動いている。

狼ではない、四足歩行の生き物でもない。

昆虫のようなものだ。


断定できないのは、あかりがこっちの松明しかなく星明かりもないからだ。


剣を手に取り、反対の手に松明を持つ。

あの大きさだとこの木の壁なんてすり抜けるだろうから、外に出て待ち構える。


段々近寄ってきてわかったが、クモらしき何かだ。

それが複数いる。

確かクモは糸で獲物を絡めて、体液を吸うんだっけ??


そんなの願い下げだし、警戒なくこっちにくるのは不気味でたまらん!!

先手必勝と、松明を置き近場の石を拾って投げる!投げる!投げる!


どうやら、成体ではないみたいで、柔らかい腹に石が当たる度に液体が飛び散る。


近寄ってきてトドメをさす!

ある程度片付いたので気づいたが、赤ちゃんクモなら親クモはどこにいるんだろうか??

このサイズの赤ちゃんの親、、、


茂みの向こうから大きな音が鳴った。

大木が倒れながら近づいてるみたいだ。


俺はビビッて松明をとり、下流へと走る!

ヤバい、あれは絶対勝てない何かだ!!


下流へとダッシュで走るが、後ろから巨大な何かが追ってくる気配は止まない!


まず数十秒ダッシュしたが、まだ息は切れてないのでさらにダッシュする!

時間的には数分もダッシュしてないだろうが、スピードは早く、あっとゆーまに数百メートルは走ったと思う。

しかし、追いかけてくる気配は止まない!!


途中で、前方に昼間に殺した狼と同じやつらが現れた!


左手の松明、右手の剣をがむしゃらに振りながら間を駆け抜ける!

駆け抜ける時に左手を噛まれ、松明を落とすが右手の剣で首を切る。

背中を爪で引っ掛かれ、コケそうになるが構わず走る。

狼の方が速いはずだが、関係なく走ると段々狼を突き放す。

さっき追いかけてきてた巨大な何か(親クモのはず)が狼に追い付いたみたいで、後ろで狼の鳴く声が聞こえるが、それも無視して走り抜ける!


やがて、狼とクモの声が遠くに聞こえてきたので、足を止める。

火事場の馬鹿力なのだろうか、相当な距離を止まらずに走れた。

呼吸は乱れ、汗も止まらないがまだ走れそうだ。

今更になって噛まれた左手や引っ掛かれた背中が痛みだした。

特に背中は焼けるような痛みだ。

気づいたが、下流の途中で木が途切れ獣道が見えた。

木々のある方があの巨体だ、追いかけにくいだろうしクモに特殊な嗅覚などないと思うので、獣道に入る。

やがて、俺1人が入れるサイズの穴を山肌に見つけた。

中には何もないので、ここで休みたいと思う。

近くにさっきと同じような倒木を2本みつけたので、穴を隠すように倒木を移動させる。

倒木と倒木の隙間から、穴に体を滑り込ませる。

ようやく一息ついたと同時に、悪寒を感じた。


よくみたら左手の血が止まらない。

背中も熱いので、同じ状態だろう。

上着を脱いで、袖を剣で斬り左手に巻く。

残った部分を背中に巻いて同じように止血をしてみる。


地面に座ったと同時に、強烈な脱力感と眠気に教われる。


やべ、これって死ぬ間際なんじゃ?

結局、異世界にいってもファンタジーみたいなことはできず、他の奴等と同じように死体で第五棟に戻ることになるのか。。。


目の前が暗くなって、泥のように眠っていった。

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