表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あたしも聖女をしております  作者: 斉藤加奈子
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/231

114.心構え

誤字脱字報告ありがとうございます!感謝です!

 今日から、ソフィーア様から大聖女としての役目と大聖女だけが持つ特別な能力について伝授していただく。


 ソフィーア様は執務室からわたし以外の人を退室させて二人きりになると、ソファーに向かい合わせで座った。

二人だけの部屋はとても静かで、少しだけ緊張感が漂う。


「マリエッタさん、貴女には大聖女としての大切な心構えをお教えします。」


ソフィーア様は眉間に皺を寄せて真剣な顔でそう切り出した。


───大聖女としての心構え。


なんとなくでここまで来てしまったわたしが一番持ち合わせていない物だった。

今でも大聖女は別の人に・・・とか言ってしまいそうなくらい興味がない。(分かってますよ?代わりがいるような存在じゃないことくらい。)

そんなわたしが全ての民の光になれるとか思えない。

そもそもこんな考えが大聖女に相応しくないと思う。


「マリエッタさん、大聖女としての心構えとは──────

『心のままに』よ。」


「え?」


心のままに?

ソフィーア様はいたずらが成功したとばかりにニヤリと笑った。


「これはね、私も先代から言われた言葉ですよ。『心のままに』。

私達大聖女も一人の人間。女神から少しだけ特別な能力を授かりましたけど、世の中の全ての人を幸せにすることはできません。

だから、可能なだけでいいのです。

助けたいと思った時に助けたいと思った人だけでいいのです。女神から授かった力を使って上げましょう。

ある者は私達をこの世の憂いを全て取り除き幸せにしてくれる万能の力があるかのように接してきます。

しかし私達は万能ではありません。

そしてある者は多額の献金を納めたのだから、いいようにしろと言ってくる者もいます。

私達はお金のためにこの力を授かったのではありません。

ただ女神から特殊な能力を授かったばかりに大聖女という地位に祭り上げられただけの存在なのです。

だから肩の力を抜いて、貴女の感じたまま心のままに務めてくださいね。

分かりました?」


「はい、ソフィーア様。」


───『心のままに』


思っていたのと全く違う事を言われた。

世の人々の平和と幸福のためにその身をあまねく捧げろとか、人々の希望の光となり安寧の世へ導けとか言われるのかと思っていた。

その様なことを言われたとしても自信がない。

わたし達は万能ではないとおっしゃってくれたことで少し肩の力が抜けた。


 そしてソフィーア様は大聖女の役目について教えてくれた。


大聖女の主な役目は、

①平和への祈り

②世界中の信者の願いを聞く

③世界各国の王と王妃に守りの祝福をかける(ナディル帝国を除く)


というものだった。

これは御身代をやっていた時に聖女学の勉強で知っていたし、多くの人が知っている。

そして今から、①平和への祈りを教えて下さることになり小礼拝室へと場所を移動した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ