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太陽の塔  作者: 43°
9/16

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ブラッドウルフからの戦いから数時間、日の出までの間敵と遭遇することなく、この世界に入ってから3日目の朝を迎えた。

(もうここまできたら残りのレイドボスを倒してから街に帰ろう。だんだんどっちが奥かどうかもわかってきたし)

とリンマンこと雄也は考える。

一体目のレイドボスを撃破し、強い装備を手に入れたことは心に余裕を持たせていた。また、残りのレベルも残りのレイドボスを倒せば上がると考えており、

「今日中に行けるかなー」

と呟き、一晩過ごした場所を立ち去る。

戦いの傷痕を残して、、、。



牛にも及ぶ大きさのビックボアが突撃してきたところを横からかち割りを叩き込む。突撃をやめ、怯んだところを、熟練度50、つまりは熟練度マックスになって覚えた魂の乱撃を放つ。

この技は合計5回の攻撃を2秒間で放つもので、80%、100%、120%、140%、160%と威力が上がっていく。クールタイムは30秒と長いが、全部当てれば2秒で600%のダメージが入るため、2秒溜めて300%入るかち割りと比べてもかなり強い。

5回目の攻撃が終わり次はかち割りをしようと構えるとドスンという音を立てて倒れた。

[レイドボス ビッグボアを討伐しました。

上位ジョブ解放まで残り1体、残り1レベルです。]

バトルアックス1度おき、伸びをする。

あれから、レッドボア、グリズリーと一回ずつ戦闘をしたあと、すぐにビッグボアが突進してきて、戦闘に陥ったのだった。

とにかくブラッドウルフに比べ堅く、全然HPが削れなかったが、魂の乱撃が手に入っていたことと、他のモンスターによる邪魔がなかったことから、わかりやすい直線の突進を避けて攻撃を避けることで呆気なく戦闘は終わった。

あれ?これ本当にレイドボスと思いながら死んだビッグボアを覗く。ステータスを力と堅さに特化させているのにもかかわらず、レベル58で突撃で触れた相手全員を混乱させ猪突猛進というスキルを持つビッグボアを軽く倒せたのだからそう感じるのも普通であった。

ブラッドウルフよりも戦いやすく、堅さだけだったバッグボアに少し物足りなさを感じながらも

(流石にこれは初撃ボーナスはないか、、、)

おそらく、他のガチ勢か攻略班が倒したのだろう思い腰を上げる。



しばらく歩くと、

「グチャ、ペチャ」

と聞き覚えのない音がする。不思議に思い気配察知を発動するとバッグボアやブラッドウルフに並ぶと思われる気配を感じ

(これはホーンラビットか!?)

とその方角へ向かう。

方角の先には開けた場所があり、茂みを抜けて覗いてみる。するとそこにはたくさんのボアやウルフの死体が並び、その上を白色の毛皮を血で汚した角の生えたウサギが飛び跳ねていた。

あまりの光景に硬直する。

(、、、ホーンラビットってこんな感じだっけ)

声も出せず息をのむ。

ぼーっと風景を見ているとホーンラビットの赤い目と目が合う。

ビュンッという音がして胸に衝撃が走る。

下を向くと初期装備のチェストの耐久値がなくなり皮膚がさらされていた。驚きと共に周りを見ると先程の場所に戻ったホーンラビットがいた。

冷や汗の出た右手でバトルアックスを握りしめる。

スマホ版のホーンラビットは特性持ちではない唯一のレイドボスだった。スキルはラビットのもつ突進に加え、飛び蹴りのみの速さ特化のレイドボスだった。

ターン制バトルのときは先手を取られたとしてもなんとか勝てる場合が多かった。しかし現実でこの速さを出されるとAGIに全くと言っていいほどしかポイントをふっていない雄也は知覚することすら困難なのだ。

とりあえず近づいてみるがあっという間に近づかれ飛び蹴りをくらってしまう。

(勝ち方がわからん!大地投げのタイミングを掴むしかない気がする!)

と自分でのAGIでは無理だと思い、AIに任せようと判断する。

数十回攻撃をくらい、とうとうHPが2割を切るというところでようやく大地投げを成功させる。

あとはこっちのもん!と思いバトルアックスを振りかぶると、キッとホーンラビットの目が切り開いた。

ドンッと左手に衝撃が走り手に痛みを感じる。

いつのまにか両手の装備も壊れ角が刺さっていた。

大地投げによる気絶がなかったことに驚き対応が遅れるが、空中に浮かぶホーンラビットに一か八かで0.5秒程溜めてかち割りを発動する。

空中では流石に避けれないのかホーンラビットは吹っ飛んで木に当たる。当たって跳ね返ったホーンラビットに一発撃ち込もうと近くに寄って構えるが、

[レイドボス ホーンラビットを討伐しました。

これにより上位ジョブが解放されます。

近くの町の神殿にワープしますか?

はい

いいえ]

どうやらホーンラビットはかなりの紙装甲だったらしく、一発の攻撃で終わった。

しかもどうやら運営は優しいようで迷子の自分を神殿まで送ってくれるようだ。

もちろん

[はい]

を押すと同時に眩しい光があふれて自分の周りを囲う。

ヒュンッという音を立てると、その場に残ったのはホーンラビットによるレッドボアやウルフの残骸だけだった。





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