表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/125

─97日目 大阪編19:チアりん復活術。─


長い長い一日が終わり三日目に突入。今日も眩い日の光が大きな窓ガラスから差し込まれていた。


「さぁ話せ!」


「だから夜だって」


準備を終えた俺とカイトは先に食堂へ。その途中の会話は全て昨日の話についてだった。


「今でもいーじゃねーかよー」


「ダメ。良いから大人しく待て」


「うー気になる!」


そのまま気になりすぎて苦しめと思いながらも食堂の中へ。ホテル内に付属しているレストランでバイキング式……絵に書いたような光景だ。


「こうなったらヤケ食いだぁーっ!!」


一人暴走気味のカイトは放っておいて、俺はバランス良く食べますかね。






数分後。アミとホンジョーさんがやって来た。


「ひっさびさね!」


「昨日も会ったろうが」


「わ、私は一週間ぶり……」


「だから昨日会ったでしょうよ」


「まぁいいわ。それよりそこの奴は何やってんの?」


「がつがつがつがつ!!」


「見て解らないか?朝食を食べてるんだ」


「そうじゃなくて。何でカイトはこんなに……」


「ヤケ食いだとさ」


「ヤケ?なんかあったのカイト?」


「がふぁふぉふぇほふ!!」


食べながら何かを言い放つカイトだが正直解らん。あとそんな事したので口の中のヤツらがファイヤーしてアミの顔にジャストミート!俺は動体視力が良いので全部避けました。ホンジョーはアミの後ろに……何気に酷いな。


「…………」


「…………」


「…………」


「ぁ、あの……」


妙な空気の完成。ホンジョーさんはしどろもどろしている。


そしてカイトは、


「がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつ!!」


再び食べ始m


「ちょっと待てぃ!!」


……アミってボケなのかツッコミなのか……器用な奴である。


「がふぁふぉふふぁ!!」


「ぷあっ!……カ〜イ〜ト〜!!」


「か、カオル君……アレ、止めなくても良いのかな?」


「うん。面倒だし」


目の前の摩訶不思議バトルを生暖かい目で見守りながら、俺は味噌汁を啜った。うむ、身体が温まる。






更に数分後。チビッコ4人娘が登場……あれ?


「おっはよー!」


「おはよーございます」


「んちゃ!!」


「ほ……ほろろろろ……」


「ほろ?」


変だ。チアキちゃんの様子が明らかに変だ。何時もならいの一番に挨拶してくれるのに、今は顔色悪いわ目が死んでるわ足がふらふらしとるわで……干からびてる感がこっちまで漂ってきている。


「あ、あの……チアキ、ちゃん?」


「ぁ……カオルさん……私、もうお嫁に行けないんですぅ……」


へなへな〜と俺の足元にしゃがみこむ。どうやら相当重症みたいだ。それに比べて他の3人は元気だな……さては。


「昨日の晩何があった?」


「「「べつにー♪」」」


嘘つけ。目が泳ぎまくってるじゃねーか。


「ぬりりりり……」


さて……それはともかくチアキちゃんを何とかせねば。太ももに頭乗せられてて動くに動けん。


「そーんなカオルンにこれをプレゼントさ♪」


そんな中、ユキが“きゅぴーん”とかいう効果音付で紙切れを渡してきた。四つ折りにされており『こいつを読めばチアりんも復活だぜべいべー』って書いてある。


「……まぁ元気になるなら」


そんな軽い気持ちで開いてみた。


“あい らびゅー。”


丸めてユキに投げた。頭にすこーんと命中。


「何するんさー」


「アフォか。出直してこい」


「ならこれを!」


「……今度はお前か」


サクラに渡された紙切れを開く。ぱらり。


『俺の作った味噌汁を毎日飲んでくれ!あと俺も』


丸めてすこーん。


「むぅ、良いと思ったのに」


「ヴァカか。やり直してこい」


「ではこれをー」


「……カヨちゃんもか」


二人とは違う便箋を受け取り、中を確認。


ひらっ。


「ん?」


出てきたのは俺の写真……写真?


「これって前の……」






──スキー合宿にて。


『ぱしゃぱしゃー』


『……カヨちゃん、そんなに俺ばっか取ってどうするの?』


『売りますー、ってのは冗談でー』


『冗談で?』


『オークションに懸けますー』


『やっぱり売るんかい!』





「そうそうこれはあの時の」


ぱしっ!


「へ?」


しゅばっ!!


「……は?」


一瞬の出来事だった。チアキちゃんが飛び上がり俺が手に持っていた写真と便箋を奪い走り去ったのだ。あまりに突然だったので反応出来る筈も無く……。


「うーん、取り敢えず元気になったみたいだったし……良かったかな」


「流石はカヨちゃん……」


「まさか写真とは恐るべしカヨっち!」


「うふふー♪でも」


「うん」


「だね」


「「「鈍感すぎでしょ」」」


「?」











その頃、サクラ達の部屋では。


「ああああ……ついに……ついにカオルさんの写真が!!ああどうしよどうしよぉ……まずは保護フィルム貼ってそれから……」


ベッドでばいんばいんと跳ねながら有頂天状態のチアキちゃんが居ましたとさ。


ごっちん。


「ふぎゃんっ!」


……跳ねすぎて天井に頭突きもしてましたとさ。


まー元気になって貰って何よりです。


「お前誰だよ」


さあ?


久々だったのでチアりんメインのお話を……。   ま、とりあえずモテモテ&鈍感カオルにはそろそろもう一回天罰下しとかないとね(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ