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─96日目 大阪編18:あわてない、あわてない。─


「…………」


「…………」


時は戻りホテルの一室。カイトは先程からとても面白い顔になっている。


「…………えーと」


「まぁそういう訳だ」


「どういう訳だ!?」


「今話した通りですが」


「悪い。俺の思考回路では解読不能だ。関西の咲良ちゃん?がカオルの彼女で杏奈ちゃんが妹?は?え?」


「心配するな、この話にはまだ続きがあったりする。てかぶっちゃけそっちの方が大事」


「なら話せよ!」


「そう焦りなさんな。また明日にでも話してやるから」


「今話せよ!気になるでしょうが!!」


「そんな一気に話してもお前らの頭がパンクするだけだろ。分かったらさっさと寝ろ。悶えながら寝ろ」


「それが狙いかこのやろう!」


俺の過去話を聞いてタダで済むと思うたかたわけめ。


「ほら、早く寝ないと寝不足になるんじゃないのか?」


「くっそー覚えてろよ!!」


そう言い残してカイトは布団に潜り込みました。何か丸くこんもりしてて団子みたいです。


「……くかー」


もう寝たんかい。早いな。


「さて、と」


丸まってるカイトを放置して扉の方へ向かう。足音は立てずに。


で、素早く開けた。


「わひゃい!?」


そこから聞こえてきたのはなんとも腑抜けた声。意表を突かれたと言っても少し大袈裟だ。


「あ、あはは〜……」


「……妹よ、兄の部屋を覗こうとはどういった了見だ?」


「そういった了見だよ」


やかましいわ。


「何時からそこに居たよ」


「ついさっき。カオル兄がパパの声マネしてた時からかな」


スイマセン心当たり在りすぎて何時なのか判りませんスイマセン。


「……それで、何か聞きたい事、あるか?」


埒が明かないので単刀直入に聞いてみた俺。


「うん、全部」


それに対し単刀直入に返してきたサクラ。


──兄妹だから、似たのかな?俺達は。


ううん、もしかしたら、ちょっと違うかもしれない。


けど、俺はそう信じてる。信じたい。


……1人で何言ってるんだ俺は。


「カオル兄?どしたの」


「ん、ああ。じゃあ明日また来な。お前にも“予兆”があったんだ。話す理由としては十分だしな」


「“予兆”って?」


「それも明日。とにかく今日はもう寝とけ」


「むぅ」


納得いかない顔のままサクラは部屋へと帰っていく。


……あ。


「サクラ、ちょい待ち」


「うにゃ?」


「お前結局どこから聞いたの?」


「『コラコラ、勝手に……』ってとこから」


出だしからじゃねーかよ。


「んでその続きは……」


「あーはいはい解った解った。解ったから早く戻りなさい」


「あうんっ」


ぽーい、と隣の部屋にサクラを放り投げた。だって俺も眠いんだよ。今1時だよ?話し始めたの夕方だよ?これはもう作s……ゲフン!どっかの誰かさんによる嫌がらせに違いない!ああそうに違いない!!


「イヤだってリアルタイムでやったらとんでもない事に」


「どっからわいて出た!?」


「エレベーターから」


「真面目に答えてんじゃねぇよっ!!」


「あーれー……」


「ふーっ!ふーっ!」


アイツめ……学校といいホテルといい、「」使うなっての!


「……何か無駄に疲れた」


もう寝よう。とっとと寝よう。


「あーだるっ」


咲良……俺はこんな感じで良いのでしょうか?


『知らんわ』


ですよねー。






……返事が返ってくるとは思わなかった。











「あうんっ」


部屋に放り込まれたサクラです。あ、受け身を取ったのでダメージはありません。ご安心を。


それにしてもカオル兄、こんなプリティでか弱い妹を投げるとは……親の顔が見たいよねまったく!!って私の親だよ!!まったく!!ああまったく!!


……ふぅ、久々の出番だったから一人漫才とかしてみたけど微妙だねコレ。今後やる時はも少し気を付けよう。


「サクラちゃん遅かったねー」


「何してたんさー?」


っと、予想外にも起きてたよカヨちゃん達。いやはや若いねぇ。


「「だって久々の出番だし」」


「あーなるほろー」


今の会話にツッコミ厳禁。


……うにゃ?ところでチアキちゃんの声がしませんが。何やら真剣に悩んでるご様子ですね。


「おーいチーアーキ」


「お黙りっ!!」


「お黙り!?」


お、おお……チアキちゃんの言葉遣いがオカシイアルヨ?


「さぁチアりん、二つに一つだよん☆」


「こっちだぁぁぁぁ!!」


「はーい残念。じゃあこっち取ってボクの勝ちー♪」


「んなぁ!?ちょ、ユキ!今の無し!もう一回!!」


「のんのんのんチアりん。乙女に二言は無しだぜ?」


「それは男よ!」


「……えーと」


ババ抜きですねわかります。


「それじゃーまたチアキちゃんが罰ゲームだねー」


「キング、ご命令を」


「へ、私キング?」


「「いえす」」


突然のご指名に私ビックリ。チアキちゃんもビックリ。


「カヨ!ユキ!サクラだけは、サクラだけは勘弁!」


……はっはーん。


「そーかそーか。チアキちゃんはそんなに私の命令をききたいんだね?」


「いやいやいやいや!全然!全っ然ききたく無いわよぉ!!」


怯えるチアりん萌えー。


「お二人さん、捕えなさい」


「「いえっさー」」


がしっ。


「ちょっと!離してよぉ!」


「ふっふっふっふ〜……」


「え……サクラ?なんでそんな笑顔で両手わきわきしながらジリジリ寄って来てるのよ?ねぇ、ねぇってばぁ!!」


おーおー目に涙まで溜めちゃってまーまーまー。


「キングの命令。チアキちゃん、食べられなさい♪」


「え、食べ……えぇ!?」


「ふーずぃこちゃーん!!」


「にゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」


私が華麗なルパンダイヴを決めた後は自主規制です。言わずもがな。


ごちそうさまです♪


あんなタイトルではありましたが……某屁理屈生意気坊主的要素は微塵もありませんでした(笑)文句言わないでね♪

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