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─9日目 冬だねぇ─


「サクラちゃーん」


「もぐ?」


ちわ、もぐもぐサクラです。今は学校の昼休み、私は給食の時間に勝ち取ったおかわりのエビフライを食べてるところです。もぐもぐ。


そんな忙しい私を読んだのはカヨちゃんだった。


「なに?」


「暇だから遊ぼーよ」


にこーっと相変わらずの笑顔で言うカヨちゃん。正直私はこの子の笑顔じゃないところ…眼を見開いたりしたところを見た事が殆ど無い。


「ん、いーよ」


特に断る理由もなく、同じように暇だったので承諾。…ん?さっき忙しいって言ってた?いやいやエビフライなんて食べるのって10秒くらいしか掛からないでしょ。


「何して遊ぶ?」


「んっとねー」


ノープランだったんだ。でもカヨちゃんの考える遊びって大概面白いし期待しちゃう私。わくわく。



「古今東西ゲームでもしよっか」


オゥ、二人でその遊びとは意表を突かれちゃった。


確か…古今東西ゲームってお題に関連する物を言っていくゲームだよね。


「おっけ。どんと来なさい」


「うん。お題はー」


「お題は?」


面白いの、面白いのを。


「…何かプレッシャー感じるんだけど」


「気にせずいこう」


「お題は『冬』でー」


「普通だね」


「ダメだった?」


「いやいや全然」


予想外なのを期待してた分王道で来たから驚きだ。カヨちゃんやるなぁ。


「じゃいってみよー」


「おー」


でわでわ早速古今東西ゲームスタート。



「初めは私からー。『コタツ』」


「あ、それ私が言おうとしてたのに」


最近買ったしね。


「文句言わずに次次ー」



「え、えーっと『カイロ』」


「上手くよけたね」


「どんなもんだい」


伊達にいつもカオル兄の相手してないよ。



「んー、『冬眠』」


「実際見たことないよね。冬眠してる動物って」


「簡単に見れたら意味ないよー」


「あ、そか」


敵に見付かったらジ・エンドだもんね。



「お、おー『お餅』!」


「美味しいよねー」


「ねー」


この季節の定番だ。焼いたりきな粉ふったりお雑煮にしたり……美味しそー。


「サクラちゃん、ヨダレ垂れてる」


「おっとっと」



「じゃー次、『学校のストーブ』」


「よく教卓の近くに置いてあるよね」


私達の先生はストーブを占領しているからなんだけど。


「いつか取り返そう」


「だねー」


いつの日か、必ず!



「あー『クリスマス』っ」


「サンタという名の不法侵入者がやって来る日だー」


「妙に現実的だねカヨちゃん…」


「でも犯罪はよくないでしょ?」


「そうだけどさ」


プレゼント貰えるしオッケーじゃん。にしてもサンタさんって一体どうやって家に入るんだろ?今度カオル兄に聞いてみよう。



「なら『冬休み』ー」


「楽しみだね」


「また遊ぼうねー」


「うん!」


本当に、楽しみだ。



「『鍋』!これは外せないでしょ」


「体が温まるしねー」


キムチ鍋とか良いよね。


「はぁー食べたいなー」


「サクラちゃんまたヨダレ」


「うぉっとっと」



「『年越しそば』とかは?」


「ウチでもそば食べるよ?」


「私もー」


「上にのせるのは?」


「それはもちろん」


「「えびー♪」」


やっぱカヨちゃん気が合うなー。


「…お腹すいたよぅ」


「だからサクラちゃんヨダレヨダレーっ」



「『おでん』!」


これだけは欠かせないよね。


「大根にがんも、はんぺんに玉子…迷っちゃうよねー」


「ホントホントえへへー」


「ヨダレだらだらだってばー」



「『おせち料理』もあるねー」


「あ、カオル兄のおせちって美味しいんだよー」


「ホントー?じゃあ今度食べに行こうかな」


「かもーん♪」


「いやん♪」


一体全体何やってるんだ私たち。


「でもあの味は…ふふ」


「ヨダレダレー♪」


何その呪文?



「うーんここに来て詰まっちゃった」


「トイレ行ってきたら?」


チミは何と勘違いしとるんですか。


「大丈夫、若い内なら問題ないって聞いた事がー」


「話違うしそれも迷信だと思う」


ならないのが一番に決まってる。……あ、私も話それてるじゃん。


「えっと、冬〜冬〜…」


カヨちゃんが困って周りを見回し始めた。すると、


「ぁ」


カヨちゃんの視線が窓で止まる。


「??」


気になった私も窓を見てみる。


「ぁ」


私もカヨちゃんと同じ状態になった。




─窓の外では、


いくつもの白い粒が、空から絶えずはらはらと降っていた。



「雪…だ」


「雪だねー」


私たちはその光景に見とれていたって訳で。


「サクラちゃん」


「ん?」


「冬、だね」


カヨちゃんが笑顔で私に言う。


「…うん」


私も出来るだけの笑顔でそれに応える。


「冬だよ」


と、同時にチャイムが鳴った。


「もう昼休み終わっちゃった」


「そだね」



でも、


まだこれから、だよね。


昼休みは終わっても、


冬はまだまだ始まったばかりだもん。



よーしまだまだまだ冬を頑張るぞー私!!


「宿題もねー」


「うっ…頑張る」


なんで私の心の声が分かったのカヨちゃん。


「食べるのもだねー」


「もっちろん!うへへー」


「サクラちゃん笑い方ヘンだよ?」


「ほほほー」


「あぁっ、またヨダレがー」


何はともあれ楽しみ楽しみ。


早く来い来い冬休みー♪


ホント最近寒いなぁ…とか思いつつ書きました。 はー鍋でも食べたいな(笑)

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