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─89日目 大阪編12:深夜─


「むぅ〜ん……」


おう、初対面やな。ウチ咲良や。今は深夜、何となく眼ぇ覚めてもうたからテキトーに歩き回ろかな思って廊下をトコトコ歩いてるトコやねん。


「ん……?」


何やろ、こんな時間やのに電気付いてる。確かあっちは道場の……。


「……行ってみよか」


気が向いたんで覗いてみる事に。近くまで来たら音が聞こえ始めた。やっぱ誰かおんねんな。


「どれどれー」


道場の扉を少しだけ開き中を見る。


「……薫?」


そこには汗だくになって自分の父に食らいついている薫の姿が。


「ホラもっと早く!」


「ハイ!」


おじさんが付けてるミットに拳を打ち込む薫の眼からは多少殺気が感じられる……何かあったんか?


「アイスの恨みアイスの恨みアイスの恨み!!」


へ?


「そうだ!先週お前が自腹で買った小さいながらにして結構高めのアイスを食べたのは紛れも無いこの俺!ふはははは!悔しかろう憎かろう!!」


「名前、だって、書いてた、のにっ!!」


「Oh!ワタシニホンゴワカリマセーン!!」


「それが大人の言う事かぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


「……ぇー」


途中まで真剣に見えとったのに薫の原動力がアイス食われた恨みて……ちょい見惚れたウチがアホみたいやん。


「アレは美味かったなー」


「くっそぅ!」


「はははははははははは」


「隙あり!!」


バキッ!


「はぶっ!?」


あ、おじさんが高笑いしてる間に薫が顎に飛び膝蹴りかましよった。うわーモロに入ったなアレ。


「お、おぉうふ……」


「あ、当たった…………」


口の辺りを押さえてるおじさんを見ながら薫はその場に倒れて……、


「すー……」


寝よった。まー普通こんな時間まで起きてないし当たり前か。


「寝ちまったか……咲良ちゃん、こっちに来たらどーだ?」


「!」


どーやらおじさんにはバレてたみたいやな。


観念したウチは道場へと入る。


「何でこんな夜遅くに稽古やってたん?」


昼間とかにやればええのにと思ったウチはおじさんに聞いてみた。するとおじさんは笑って、


「薫に頼まれたんだよ」


とだけ言うた。


「薫に?」


「ああ。昼間とかは咲良ちゃんに付き合ってやりたいから夜にやって欲しいってな」


「…………」


ウチの足下で倒れとる薫に目をやる。小さな寝息を立てて気持ちよう眠っとる。汗掻いてんのに……。


けど、


せやけど、そんな薫を見ていると顔が熱くなる。何でやろ?熱か?ウチ滅多に病気ならんのになぁ。


「……じゃー俺は咲良ちゃんのお父さんに用があるから先行くわ。薫の事は頼む」


「へ?あ、うん」


「コイツよく解んねぇトコあるかもしんないけどさ、何だかんだ言っても良い奴なんだよ。俺がアイス食ったのも本気で怒って無かったし」


「飛び膝蹴りされてたやん」


「こんなの全然ノーダメージだぜっ!!」


「口からめっちゃ血ぃ出てるやん」


「つー訳でこれからも薫をヨロシク!」


そうしてはははははと笑い声を道場に響かせながらおじさんは去っていった。


「清々しい程無視されたなぁ……」


そして清々しい程カッコ悪かったなぁ。


「む……」


その直後に薫が起きた。半分寝ぼけてるみたいやけど。


「お、目ぇ覚めたか」


「あれ……咲良?アイスは?」


「先に戻ったわ。ウチは偶々通り掛かっただけ」


「そうなんだー……すー」


また寝るんかい。


「…………」


汗掻いたまま寝たら、風邪、引くよな?


「風呂入れな」


おぶるとウチの服までベトベトになるんで右手持って引き摺って風呂場まで連れて行った。


そして。


「それーっ」


服着せたまま浴槽へと放り込む。


ざぽーん!


…………。


………………。


……………………。


「ぶはあっ!?」


案外長かったな。一分ちょいはあったで?


「何!?これ!風呂!?服!?あれ!?」


「落ち着かんかい」


混乱状態だったのですっぱーんと叩いてみた。


「どないしてんな」


「状況が掴めません」


「かくかくしかじかや」


「成る程」


かくかくしかじかって便利やなー、もう何でもアリやん。


「でも何で服のまま浴槽に投げ込むのさ?」


「女の子に服脱がせってか?変態か己は」


「何でそうなるんだよ!普通に起こしてくれたら良かっただろって話だよ!」


「引き摺っても起きへんかったし無理と思ってん」


「引き摺ったの!?僕引き摺られて来たの!?」


「さっき言うたやん」


かくかくしかじかで。


「そうだけど!だってかくかくしかじかだし!」


ごもっともや。


「ともかくちゃんと風呂入らな風邪引くで?ウチはもう寝るから後は自分で何とかしぃや」


「え、ちょっ」


「ほななー」


「だからちょっと待t」


ぱたんっ。


あーええ事したなぁウチ。安心しておじさん!薫はウチに任して!











──翌日。


「へっくしょい!」


「……あら?」


薫が風邪っぽいけどどないしたんやろ……あ!


「もしかしてあの後湯冷め」


「お前のせいだよバカ野郎!!」


「うにゃ?」


昨日午前中の分しか書いてなかったので午後を……と思ったんですけど何となく夜に。 ええぐだぐだですよ、それが何か?(^^;

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