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─86日目 大阪編9:親交─


こんにちは、薫です。突然ですが僕ピンチです。


「どーん!」


「うわぁぁぁぁぁぁ!?」


僕は今、咲良に連れられて屋敷内の道場に来ています。理由は、


『どーせお父さんらの話聞いててもヒマなだけやし遊びに行こーや!な!?』


といった具合に咲良の気分のせいです。その途中に僕がお父さんに格闘技を教えて貰った事があると話してしまい、


『なら組手しよーや!』


何でそうなるのんとか思いつつ現在に至ります。勿論女の子に手を出す訳にもいかないので……。


「そりゃ!」


「がべふっ!?」


お父さん、あなたは僕をサンドバッグにする為に大阪に連れて来たのDeathカ?


「なっはっは♪どや?ウチの扇風機地獄(今命名)は!」


「頭がぐわんぐわんするよ……」


もう散々です。大阪怖いです。


「なっさけないなー薫は!男やのに、女のウチに負けるって」


「だって僕ケンカ嫌いだし」


「ケンカやない!組手や、く・み・て!」


「似たような物でしょ?」


「全っ然ちゃうわ!組手は競技、スポーツの一環や!」


「でも暴力はいくない……」


「はぁーっ、なーに女々しいこと言うとんねん!その根性ウチが叩き直したる!」


「丁重にお断りしまーす!」


「あっコラ待てやぁー!」











──数時間後。


「はぁっ……はぁっ……」


「アンタ……ぜぇっ……体力……ありすぎ……やろ」


「そりゃ……はぁっ……どーも……」


道場の真ん中で大の字になってへばっている僕と咲良。屋敷中あちこち走り回った後なのでお互いにもう動く力が残っていない。


「学校ではウチが一番体力あんのになー……何かショックやわ」


「上には上が居るって事だよ」


「あ、知ってんで。そーゆーの『井の中の蛙』……って誰がカエルじゃあぁぁぁっ!?」


「僕何も言ってませんけどぉぉぉぉぉぉっ!?」


てかまだ動けたの!?


「あったり前や!」


「え、僕声に出して言ってぇぇぇぉぉぁあ!?」


「喰らえ、換気扇祭!!」


「うぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」


「ガハハハハ!もう仲良くなってんなー2人共!」


僕が咲良の技を受けている真っ最中におじさんがやって来た。


「そりゃもーバッチリ☆」


「これのどこをどう見たらそうなるんですかぁぁぁ!?」


俗に言うジャイアントスイングを想像して下さい。今まさにその回ってる状態です。どこが仲良し?もしそうなら全国のプロレスラー皆が皆親友になっちゃいますよ?


「おー勢いよく回ってんなぁ薫」


次に現れたのは多分お父さん。回されすぎで顔が全く見えないけど声からしてお父さんだ!


「お父さんヘルプ!ヘルプミー!」


「わりぃ。お父さん英語解らん」


「嘘つけ!あんた先月ラスベガス行ってきたばっかだろうが!」


そもそも日本よりも外国に居る時間の方が長いだろうが!


「へーそうなんや」


「うんそうだよってだから僕声に出して言ってなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「細かい事は気にしたら負けや、でっ!」


あ、投げられた。僕投げられました。あれ段々壁がこっちに向かって来てるいや違う僕が向かって行ってるんだそうだよ壁が動く筈無いじゃん僕ってバカだなアハハハハでも僕さっきから喋り過ぎじゃないだってあんな思い切り投げられたら直ぐぶつかっても可笑しくないよねあーもしかしてこれって走馬灯かなあの死ぬ直前の出来事がゆっくりになるアレうんきっとそうだじゃないとここまで僕が長々と喋っていらr


ぐしゃっ。


「「「…………ぁ」」」


薄れゆく意識の中、僕の後方から如何にも『やりすぎちゃった♪』的な声が聞こえたのは言うまでも無いよね。あぁ綺麗なお花畑が見えるよお母さん……。











「おーい起きろー」


「ん…………っ」


気が付くと、僕の頬に軽い衝撃がぺしぺしと続いていた。


「気ぃ付いた?」


僕の顔を覗き込む形の咲良。それもその筈、僕は道場の隅にあるベンチ型の椅子に寝転がっており、咲良に膝枕して貰ってる形なのだから。


「気分どーや?」


「すんげー気持ち良いです」


「エロガキめ」


「スミマセン!」


だって健全な男の子なら誰もが皆そう思いますよ!?


「……まーウチがやった事やからええわ」


ふいっ、と視線を逸らす咲良の頬はほんのりと赤くなってた気がする。


……やっぱり可愛い所もちゃんとあるんだなー。女の子だもんね。


「か、可愛い!?ウチが!?」


「だからね!?僕声に出して言って無いよね!?何で分かるのさ!?」


「え……ぁ…………っ」


突如、咲良の表情が暗くなる。何か思い詰めてるような、そんな表情だ。


「咲良?どうしたの?」


「……ううん。何でもない」


顔を俯けながら言われても僕君の真下に居るから見えるんですよ。


「何でもないって表情じゃ無いよ」


「……ごめん、ホンマに何でもないから」


「でも」


そこで僕は喋るのを止めた。別にさっきのダメージが残ってるからとかそんなんじゃ無くて。


咲良が泣きそうだって、その時初めて気付いたから。


「……………………」


そこから僕はただ黙っている事しか出来なかった。出来なかったけど、一つだけ言える事がある。





















咲良の膝枕最高。


「このKY」


「KY?何それ」


僕がその意味を知るのは数年後の話……。


薫が咲良にボコられ続ける話……書いてて楽しかったです♪もー楽しいのなんのって(^^#  ふと思ったんですが『膝枕』って実際太ももですよね?なら膝は可笑しいのでは……うーん謎だ笑

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