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─83日目 大阪編6:予兆─


「通天閣だー」


「通天閣ねー」


「でっかいどう!」


「北海道は?」


「でっかいどう!!」


いやそこまで大きく無いでしょ、と思うサクラです。カオル兄が居ない状態の私たちは取り敢えず大阪の観光地として有名な通天閣に来ています。


「しっかし……」


何だろう?さっきから少しだけど頭痛が……。


「サクラちゃん大丈夫?顔色悪いけどー」


「うん、平気平気」


皆には迷惑掛けたくないし、ここは少し無理させて貰いましょうかね。


「サクラちゃん」


「カイトさん?」


と、後ろからカイトさんに声を掛けられました。


「マジで疲れたら直ぐ言えよ?サクラちゃんの事、カオルに頼まれてるからさ」


「大丈夫大丈夫。しーんぱーいないさぁーっ!」


「そっか。しーんぱーいないかぁー!」


「いえーす!」


……あら。ホントに頭痛無くなっちゃった。


「愛だねー♪」


「ラヴだわさー♪」


「どったの二人とも?」


「「イエイエ別に」」


「?」


カヨちゃんとユッキーがこういう時のシンクロ率高いのは気のせいかな?


そして中へ。エレベーターが月やら太陽やら変わるというガイドさんの話をスルーしつつも上へと上がる。


「おー絶景だねー」


上から街を見下すのは何か気持ちがいいよね。支配してる感じがあって。


「もっと眺めるとかそういうソフトな言い方出来ないのアナタは?」


「だって私チアりんと違ってメルヘン要素ゼロだし」


「それ何!?メルヘン要素って何なの!?」


「あ、あと萌え要素も」


「私にだって無いわよ!!」


「いやいや十分あるって」


チアりんを弄ってあー楽しー……っ。また頭痛が……。


「サクラ?どうしたのよ」


「や、何でもな」


ズキンッ!


「うっ!」


「サクラ!?」


ズキンッ!ズキンッ!


「う……ぁ……っ」


やば……コレ半端ないわ。立ってられない。


「サクラ!?ちょっと……誰か!誰か来て!」


どうしよ……頭が割れそうだ。


「サっちん!」


「サクラちゃん!」


皆がこっちに来てる……でももう、意識……が…………。


ズキンッ!!


最後の痛みと共に、私の視界は黒一色に染まった………………。











『うにゃ?』


眼が覚めたけど頭は……痛くない。今のは一体?


『???』


ただ今頭が?で埋め尽くされてる状態です。


『ってうわ!もう夕方だ!』


夕焼けがオレンジ色に眩しいぜこんにゃろー。


『みんなどこ行ったのかな?カヨちゃーん!チアりーん!ユッキー!カイトさーん!アミアミー!ハルちゃーん!』


大声で呼んでみるけど反応は無し。あ、ハルちゃんってホンジョーさんの事ね。チアりんもホンジョーだしまどろっこしいからそう呼んでるの。


『もしかして……みんなもうホテルに帰っちゃったのかな?』


そう思いながら、半分諦めつつも通天閣の中を歩き回っていると、


『うわぁーっ!』


『?』


どこかで聞いた事のある、その歓喜の声の方を見てみる。


『カオル……兄?』


そこに居たのは、ここに居るはずの無いカオル兄。でも、


『小さい……?』


背が明らかに低かった。私とあまり変わらない位だった。


『キレーだねー!』


『せやろ?ウチの言った通りやろ?』


『え……』


その隣に立っていたのは一人の女の子。女の私から見ても可愛い子だ。むぅ、何だか悔しいのう。


『うん。ホントにキレイだ』


『ほなウチは?』


『…………ぅえ』


『何や!?何やねんその反応はあぁん!?』


『だってさー……ねぇ?』


『な・に・が・や・ねんっ!そこはカワイイ言うとこやで!?』


『そういうノリ、僕には解らないよ』


『はーあーっ、そんなんやからアカンねんカオルは!』


『何が?』


『知らんわアホ。自分で考え』


『……可愛い、って僕が言えば嬉しいの?』


『どーやろなー……』


『そんな遠回しに言わなくても僕はそう思ってるよ』


『カオル……くさっ』


『えぇ!?だって言えって言ったのそっちじゃん!』


『うっさいうっさい!人のせいにすんなやボケェ!!』


『…………』


何?この空気。見てるコッチが恥ずかしいっての。


『ほら、さっさと帰んでっ!』


『はいはい。分かってるよ、サクラ』


『……は?』


ちょっと……待ってよ。


サクラは私だよ?


何で?何がどうなってるの?


『待って……!』


私は咄嗟に手を伸ばす。何となく、何となくだけど、このまま二人を見てるのはダメだって、そう思ったから。


二人はそんな私の声に応えるかのようにこちらを向き、


『早よ来ぃや、アンナちゃん』


『置いてくぞー』


『………………』


「え?」











「え?」


「サクラちゃん!大丈夫か!?」


気が付くとカイトさんを初めとしたみんなが私を心配そうに見ていた。


「あれ?私……」


辺りを見渡すとまだ昼前みたいだ。じゃあさっきのは……?


「もーびっくりしたわよ!イキナリ倒れるんだから」


「サっちんも人騒がせだねぇ♪」


「でも大丈夫そうで良かったー」


「う、うん……」


「サクラちゃん?どうかしたのか?」


「な、何でもありませんですよ!あははは」


「面白いくらい不自然なんだけど」


その後も適当にはぐらかし、ただの貧血という事で話は収まった。


でも……あの夢みたいなのは何だったんだろう?


今回のはよく解らなかったと思います。 この大阪編ではこういう事態がよく起こると思いますが、次に繋がっていると解釈して頂けたら嬉しいですm(__)m サクラの過去にに何があったのか、アンナとは誰なのか?そしてカオルの過去も……いずれ解る時が、来る事を願いましょう(笑)

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