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─8日目 ぐにっとするコイツ─


「終わった…」


やっと終わりました、カオルっす。え、何が終わったかって?


はっはっは!


テストに決まってんだろコンニャロー!


前半戦は壊滅、後半戦で巻き返したけど間に合いませんでしたという具合。


「はぁー…」


まぁ結果はどうであれテスト期間が終わり午前中で学校から帰った俺はコタツでぬっくりしております。ふいー。


「あーぬっくりー…」


あ、俺がさっきから言っているこの「ぬっくり」というのは、先日サクラと買いに行った「ぬっくりコタツ」から由来しているものだ。あ、もちろん700万ボルトとか出ないからな?


店員曰く『ぬくい』と『ゆっくり』を掛けた言葉らしい。俺個人としては結構気に入ってたりもする。


「ぬっくー…ん?」


俺がコタツの中で足を伸ばしてみるとぐにっとした感触が。


ハテ?正体は何だろうか。


「イキナリ見るのも面白くないしなー、それに暇だし」


と、いう事で物当てゲームスタート。


…ちょっとそこの人!寂しい奴を見るような目で俺を見るな!


「ん〜」


先ずは足の裏で軽く押してみる。お、ぐにぐにとめり込む感じがするな。


「じゃあー」


今度は両足で挟んだりしてみる。おお、さっきよりぐにっとしたぞ!


でも、


「コレが何かさっぱり分からない…」


分かったのはぐにっとする事くらいだ。それに形も触る度に少しずつ変わってる気がするんだけど…何でだろ?


「えーい気になるわ!」


観念してコタツの布団をめくって中を確認してみるとそこには…。


「……んん?」


ぬいぐるみ?


しかも表情が情けない、マンガの単行本くらいの大きさをした茶色い猫の顔だけのぬいぐるみだ。一応尻尾もある。


……うん。


「不気味だよ!」


コタツからぬいぐるみを取りだした俺は思わず床に叩きつける。


うぉ、今のでまた顔の形が変わった!


「しかし改めて見ると…やる気の無い顔だな」


拾い上げてもう一度見てみる。


目はジト目で鼻と口もかなり適当、おまけに耳の大きさが左右で違いやがる。仮にコレを動物として見るなら酷いの一言に限るな…。


「何なんだコイツは…サクラのぬいぐるみか?」


自分で言っておいて説得力がかなりあると思った俺。


今すぐ真偽を問いたい所だが、生憎サクラは夕方まで帰ってこない。


「…待とう」


特にやる事も無かった俺はそのぬいぐるみと共にサクラの帰りを待つ事にした。




─数時間後。



「ただいまー」


…む、サクラがようやく帰って来たな!暇すぎてレンタルしてきたDVD見終わっちゃったじゃないか。


「おかえりそしてこれは何だ!?」


「い、イキナリ何なの?」


おっと…落ち着け俺。いくらこのぬいぐるみが気になってるとは言っても興奮しすぎだ。


「いや、コタツにコイツが入っててさ」


そう言って俺はぬいぐるみをサクラに手渡した。さあどう出る!?


「なにこれ?」



………ハイ?


「今、何とおっしゃいました?」


もう一度尋ねてみる。が、


「だからさ、なにこれ?」


返ってくる答えは同じだった。


「サクラのじゃないのか?これ」


「カオル兄のでしょ?」


「誰が買うかこんなもん」


「でもそっくりだよ?顔が」


んだとコラ。


「そもそも俺はぬいぐるみなんぞに興味は無い!」


「私も買わないよ。誰かに貰いはするけどさ」


あー、コイツの部屋に置いてある数少ないぬいぐるみって全部貰い物だったのか。


「ならこれも貰い物とかじゃ?」


「や、貰ってないない」


手を顔の前で左右に振ってサクラは否定する。


「貰ったなら絶対覚えるでしょ、こんなのだし」


ごもっともな意見をありがとう。


「それじゃあ…」


コイツは何者なんだ?


「謎だね」


「謎だ」


「とりあえず貰っといたら?」


「この上なくいらねー」


本心から出てきた言葉だから間違い無い。


「じゃコタツ付近にでも置いとこ」


「何故そうなる」


「コタツの中にいたんでしょ?それに猫だもん」


猫以前にぬいぐるみだけどな。


「…まぁいいか。で、何て種類の猫なんだ?」


コレが猫と言い張るなら答えてもらおうじゃあないか!


「うーんとね」


ぴこーん♪


何かが閃いた音が聞こえた。


「形がでこぼこした猫だから猫ボコ!」


「新種!?」


「名前はまだ無い」


「どこかで聞いたような展開ですけど!?」


「別にいいじゃん。一番安い札の人だし」


「全国の千円札様に謝れ!」


「ごめんなさい」


「よし」


お金をバカにしちゃいけません。


「今やパーマかかってるもんねあの人」


それは全くの他人だよ。確かに顔は似てるけど。


「イメチェン?」


「ある意味でな。ホラ買い物行くぞ」


「ありがたやー」


どっちに!?


「パーマさん」


そっちかよチクショウ!




──とまぁ最後は話が脱線したものの、こんな感じで我が家に新たな謎の物体『猫ボコ』が増えました。


それにしてもコイツは一体どこからどうやってウチに入って来たのか……。




謎だ。




そう…例えるのなら、


「真実はいつも一つ!!」



俺の妹ぐらいに謎だ。


「何か言った?」


「イエイエ何でも」


復活しましたー♪これからも頑張っていきますんでヨロシクお願いします!

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