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─68日目 季節外れの転校生─


「久しぶりの学校だ!」


ん?久しぶり?昨日も一昨日も行ってるのに久しぶり?なんで?まぁどーだっていいんだけどね。サクラです。


初めに言ったように今は学校にいます。もう少し詳しく言うと朝の教室で先生が来るのを待っています。あとこれ余談なんだけど月曜日学校行ったら至るところにチョコレート入っててさ。女の子が直接渡しに来たりしてさ。カオル兄に食べさせられたからもうウンザリしてたのに……でも好きだから食べましたよハイ。いやー鼻血出たのは嬉しかったなー。


ざわざわ……。


「?」


何だろう?何時も騒がしいクラスがより一層騒がしくなってる気がする。今日の給食にヨーグルトでもあるのかな……ヨーグルト、学校で食べる時と家で食べる時、どうしてあそこまで感動の大きさが違うのかな。や、どっちも美味しいんだけどね。


ざわざわざわざわざわざわ……。


「むむぅ」


未だに名も無き生徒達が更に騒ぎ出す。


「おはよー」


「おはようサクラ」


「おはよ、唯一名前を与えられたクラスメイト達」


「「?」」


「深く考えなくて良いから。それよりこの騒ぎの原因が何なのかを深く考えてよ」


「騒ぎ?あー言われてみたら何時もよりはー」


「あれ?アナタ達知らないの?」


「チアキちゃんは知ってるの?」


「うん。これでも委員長やってるし」


「そうだっけ?」


「そうなのよ。どうせ忘れてるだろうと思ってたけど」


ちっ。何か可愛いリアクションして欲しかったのに。


「それで何なのー?その原因って」


「転校生よ」


「「転校生?」」


私とカヨちゃんが声を合わせて驚く。転校生ってこの時期に?


「先生の話だと今日からこのクラスに入るらしいわ」


今日ってまた急な話だねアンタ。


「ハーイ皆席に着いて下さいねー」


そんなこんなでやって来た先生。ああこの人の紹介まだだったっけ。名前はシキョー先生。漢字で書くと『子供』。面白いでしょ?


「僕は子供じゃないぞ!子供は好きだけどね!」


爽やかな青年風でノリも良い。人気者だったりするんだよねぇ。


「子供って言うな!シキョー先生と呼べ!」


「朝っぱらから煩いよ先生。それに誰も子供なんて言ってないから」


「そうですね。では号令」


「起立」


チアキちゃんの一言で全員が立ち上がり、


「礼」


深々と奴隷の如く頭を垂らし、


「着席」


そして座った。


「ハーイよく出来ましたー♪」


『何となく解る……この人絶対にSだ』


「何か言いましたか?」


『いえ別に』


S?何さSって。


「それでは初めに皆に新しいお友達を紹介しますね」


途端におおー、とざわめく生徒達。きっと扉の向こうでは緊張でガッチガチになってるんだろうな……ドンマイ転校生、このクラスに来た時点で君の負けだよ。


「せんせー!」


「何でしょうか名も無き生徒くん?」


「あるよ!えーっと、男ですか女ですか!?」


「僕がですか?」


「ちがうよ!!」


まー確かに中性的な顔してるけどもね。


「解ってますよ。転校生ですよね……女の子です」


『おおっ!!』


「騒がないで下さいエロ猿共」


「エロっ!?」


そりゃ言われても仕方ないよ。


「だから何で私を見るのよ!?」


「大丈夫、あと二日もすれば無くなると思うからそういうの」


「そ、そうなの?」


「カヨちゃんの気分次第では」


「何でよ!?」


「あーそこの2人も静かにして下さいね?」


しーん……。


「これはこれで寂しいですね」


どっちなのさ。


「じゃあとりあえず入ってきて貰いましょうか!どうぞー」


シキョー先生の呼び掛けに応えるかのように扉が勢い良く開き……、


少し青がかったショートヘアを靡かせながら教室に入ってくる1人の女の子。


…………あれ?


「では改めて紹介しますね。親御さんの仕事の事情でこの近辺へ引っ越してきた『綾瀬 雪』さんです」


あれれ?


「綾瀬です。ボクのことはユキって呼んでね♪引っ越してきたばっかでまだこの辺もよく解んないけど、少しでも早くみんなと仲良くなれたらと」


アルェー?


「ん?」


あ、目が合った。


「「…………………………」」


しばしの沈黙。そして、


「「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」」


互いに叫んだ。そりゃあもう叫んだ。


「ど、どどどうして雪だるマンがここに!?」


「だから違うってあの時言ったでしょーがこの妖精!」


「ボク妖精じゃないよ!」


「やかましい!私を雪だるマン扱いするような奴に拒否権は無い!!」






……この会話からして気付いてるとは思うけど念のため説明しとくね。


この転校生は先日カオル兄について行ったスキー合宿の二日目に出会ったボクっ娘だったのです。


「偶然ってあるもんだね」


「だね。神様はまだボクに雪だるマンを捕まえる機会を」


「ちーがーうっ!!」


「あー、あの娘雪山に居た娘だよ」


「サクラが相手してた娘ね」


「雪だるマンとか妖精とか知らないけど……ユキ、サクラと仲良さそうだから隣の席に座って下さい」


「はーい」


「むぅ……」


この状況、どうしろって言うの?


はぁー私の穏やかな日々がー……。


「でも元々穏やかじゃ無かったんでしょ?」


うるさいよ!











──放課後。


「ただいまー」


「お帰りカオル兄」


「おじゃましてまーす」


「カヨちゃんいらっしゃい」


「お、おおおジャマっ!!」


「お、おおお落ち着いてチアキちゃん」


「やっほーカオルっちー♪お邪魔してるよん☆」


「色々ツッコミたいけどその前に誰だよ」


「妖精だよ」


「転校生ですよー」


「サクラと互角です!」


「ユキです」


「あ、どうもご丁寧に」


「「「……………」」」


カオル兄も対応が大人になったね。妹は悲しいぞ。


「知るかっての」


「うん。でもよく動じなくなったよね」


「妖精とかは正直解らなすぎたけどな」


「ボク妖精じゃ無いって!」


「じゃあ何なの?」


「人間だよ!」


「カオル兄は?」


「何故俺に聞くんだ妹」


「カオルっちも人間だよね?」


「カオルっちって何だかなぁ」


「みんなの呼び方も考えないとねー♪」


「遠慮させて貰うのはー?」


「ダメ♪」


……また騒がしいのが友達になった今日この頃なのでした。


転校生に季節外れとかってあるのかなー? わたしゃー無いと思うんですが皆さんはどうですかね? ということで新たにユキちゃんとシキョー先生が増えました。この2人が今後どう話に絡んでくるのか私が楽しみです(^^#←

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