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─64日目 バレンタイン・パニック!(前編)─

バレンタインなのでそれに因んだ話です。 前回とは噛み合わない全く別のお話なのでご注意をm(__)m


「さーさー遂にやってきましたこの時が!今日は誰が何と言おうとバレンタイン!その昔に居た、キリスト教の聖人ウァレンティヌス(英語読みでバレンタイン)とかいう人が起源だとかなんとか!!発端は英国、日本には1958年頃に流行し」


「やけに詳しいなお前」


「ググった」


流行ってるのかそれ?……あ、こんちは、カオルです。本日はウチの妹が言ってる通り2月14日、バレンタインです。


「男の見せ所だよカオル兄!山ほどチョコを貰ってきて私に食べさせるのだ!」


「見せ所って言われても…女子の殆どは確実にカイトに渡すだろうから妙な期待されても意味無いぞ」


「ぬぁにぃーっ!?てか何で制服に着替えてるの」


「今日午前だけ授業あるんだよ。昼には帰るけど先に何か作って食べとけ」


「やだ。カオル兄のチョコが今日の昼飯じゃい!学校?尚更貰って来れるじゃん!最悪カイトさんから恵んで貰ってでも持ち帰って来い!!じゃなきゃ家に入れないからね!!」


「んな殺生な」


「わかったらさっさと行ってこーい!」


「はいはい…行ってきます」


バレンタインなのに妹にチョコをたかられる俺って一体…?


「はぁ……」


サクラが言ってたウァレンティヌスとやら。貴方の存在が今この瞬間も誰かを傷付ける事になるなんて思いもしなかったでしょうね。


「アーメン」


しかしこの時、俺はまだ知らなかったのです。


本当の『バレンタイン』という物を………。











「おーっす!」


「おう………おう?」


「どうした?オットセイみたいな声出して」


突然ですが質問です。


どうしてカイト君はボストンバックで登校しているのでしょうか?


「バレンタインだから」


「…その心は?」


「毎年の経験上これぐらいのカバンじゃねーと入らないし」


全国の男子諸君はこういう奴を心の底から恨んだり憎んだり呪ったりするんでしょうね。あーイケメンって罪ですよホント。


「にしても何で今日に限って授業あるんだろうな?」


「バレンタインだから」


「……ハイ?」


カイト君、真剣な顔して何を仰ってるの?


「昨日先生に聞いたらそうだって」


「そんなんで良いのか高校教師」


「『生徒からチョコ貰えるかも知れないだろうが!』って言ってたぞ」


哀れな大人にも程がある。なんて思ってる内に学校に到着。


「……………」


何でだろ?周りからあり得ない量の殺気を感じるのは?


「気のせい気のせい♪」


ああ、間違いなくコイツが原因だ。あああ、男子も女子も目が血走ってるよぉ。怖いよぉ。


「む、早速マイボストンバックの出番の予感」


カイトがイキナリびしっ!と指差した先には……。


「……………」


また質問です。


どうしてカイト君の下駄箱がこんもりしているのでしょうか?


「それぃっ!」


開けてみると案の定、綺麗にラッピングされたチョコレートがどばどば流れ出て来ました。


「おおおおおお」


それを両手で開けたカバンの口で受け止めている…。


「さて、カイトはほっといて俺も……」


上履きに履き替えようと下駄箱に手を伸ばし、気が付いた。


「……………」


俺の下駄箱もこんもりしとるやん。


「ま、まさか…な。カイトじゃあるまいし」


ガチャ。


どばどばどばどばー。


「……………」


チョコレートがあらわれた!


「んなアホな!?」


「なんつーツッコミ入れてんだお前はああああ」


まだ出てきてるのかよチョコレート!?


「まーこんな事もあろうかともう一つ持参してたり」


上着の下からぬっとボストンバックを取り出してみせるカイト。


「…貸してくれ」


「百円な」


金獲るのかコノヤロウ。…とか言ってられる場合じゃ無かったのでしっかり百円払ってボストンバックを拝借した俺なのでした……。











しかしバレンタインはこれで終わりではなく……。


「……………」


「おおおおおおおおお」


机にもぎっしり。


「……………」


「おおおおおおおおおおおおおおお」


個別ロッカーにもどっさり。鍵掛けてあったのにどうやって入れたのかが疑問だがこの際どうでもいい。イヤよくないけどね?それ所じゃ無いんですよ。


「…これどうしろってのさ」


気付けばカイトに借りたボストンバックもパンパン状態。チョコレートは計208個。


ありえねえ……。言うまでもなくカイトは俺のそれを遥かに上回っておりますハイ。


……え?この学校そんなに女子居るのかって?実は居たりするんですよ。元々女子校だったらしく今のその名残が残ってるし、制服が可愛いとか交通的に便利とか近くに店が多いとかもあって人気沸騰中だったり。因みに全学年通して男子約450人、女子約600人、合わせて1050人です。


「うーん、しかしこんなに貰えるとは…俺もまだまだ捨てたモンじゃ」


「何勘違いしてんだか」


「へ?」


そう言ってやってきたのはアミです。


「ホラ男共、あたしからの餞別だよっと」


ぽーいと投げ渡されたのは…やっぱりチョコ。


「…ありがと」


「サンキューアミアミ!」


「アミアミ言うなっ!あとカオル、も少し嬉しそうな顔してくれても良いんじゃない?」


だってさぁ………。


「なぁアミ、誰だよ2月14日は『チョコレート』を上げる日なんて決めやがった腐れ野郎は。教えてくれ」


「や、知らないし。にしても結構貰ったねぇ」


ボストンバックに目をやり直ぐ様俺を見直す。


「でもさ、アンタの場合は『お返し』を期待してのチョコが多いかもね」


「……お返し?」


そう聞くとアミは大きく頷き、


「そ。カオルが料理得意なのは学校中が知ってるしね、ホワイトデーを見越しての…ってのが在るかも。てか絶対ある」


「……………」


今のでハッキリしました。皆は俺にチョコを渡したんじゃ無くて、俺の料理に渡したんだって。


「くそぅ、俺って何なんだよぅ……」


「じゃ、あたし用事あるから」


アミ……どうして知らない方が幸せな事をわざわざ俺に言いに来たんだよ?


……何か怒らせるような事したかな?











「よしよし、カオルの奴いいカンジに落ち込んでるわ♪」


「…カオル君に何吹き込んだの?」


こ、こここんにちはっホンジョーです!本日はバレンタイン、女の子にとってはとてもとても大切な日です!かくいう私もカオル君に渡した……いのですが。


恥ずかしくて渡せないのです。はぁ、ダメだな私……。


「よぉし!これでハルカの好感度が上がる!はず!」


「えぇぇー……」


それではアミが考案した『ドキッ☆バレンタインはチョコだけじゃ無いんだよ作戦』を説明します。


カオル君が大量のチョコを貰います。これは事前に調査済みです。


チョコを貰いすぎたカオル君はだんだんチョコが嫌になってきます。


そこにアミが更に追い討ち。カオル君ごめんなさい……。


でもそれによってカオル君は『バレンタインはチョコしか貰えない』という先入観を持ってしまう(らしいです)。


ここで私がカオル君にチョコ以外のプレゼントを渡せば……。


『カオル君、これっ!』


『へ…うわぁっ何だこれっ!?』


『特製巨大チョコボールですっ!』


『やーめーてーッ!!』


違う違う違う違う違う!!そうじゃなくてさぁっ!!


「はぁ……想像でも失敗しちゃうし、こんな調子で大丈夫かなぁ私?」


「なーに、やってみないと分かんないって♪」


「うぅっ……」


(こんな可愛いのに何でカオルは……アイツも見る目無いよねぇ)


「え?」


「なんでもなーい」


「???」






後編に続いたりするのさ。


思いの外長くなったので前編と後編に分けました…あー本編が中々進まない(^^; ダラダラ文章を書いてるこんな私を許して下さい(・ω・`;)

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