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─6日目 強さの象徴?─


清々しい、雲一つ無い青空です。朝です。サクラです。


「おはよー」


「うーっす」


様々な挨拶が飛び交う登校中、私の友達の一人、むしろ親友であり、二話でその名を全国に轟かせたカヨちゃんを前方に見つけた私は声を掛けてみる。


……どこからともなく聞こえてきたなんでやねんってのはこの際無視しよう。


「カヨちゃんおはよー」


「あ、サクラちゃんおはよー」


相も変わらず穏やかな表情でにこーっと返してくるカヨちゃん。この子は本当に落ち着いていると言うよりのんびりやさんだ。何か将来が楽しみで不安だなー。


「すっかり冬だねー」


「そだね、一年があっという間だね」


うん。色んな意味であっという間だ。


「それとこの前はありがとー。サクラちゃんやっぱり強いんだね」


「いいよ。友達助けるのは当たり前だもん」


この前とはカヨちゃんをからかった5人の名も無き男子と、その内の一人の兄二人を塵にした時のこと。


「でもサクラちゃん女の子なのに、男子達がまるで敵わないよね。どうしてそんなに強いの?」


「んーと、いつか分かると思う。自然に」


次私の家に遊びに来た時とかにね。


「あ、カオルさんも強いって聞いたよー?」


どこからそんな情報が?


「そりゃ私のお兄ちゃんやってるしさ。やっぱり普通よりは強いんじゃない?」


「サクラちゃんはカオルさんより強いの?」


「さぁ?殴り合いのケンカとかした事ないし」


私が一方的に殴る事はよくあるけど。当然手加減はしてるよ?


「じゃあどっちが強いのかな?」


「う〜ん…」


正直わかんない。私なら私でカオル兄の面目丸つぶれだし、カオル兄ならカオル兄でそれはなんかムカつく。


「よーし!なら今日調べよう!」


「突然だね」


「思い立ったがキツツキって言うしさ」


「吉日、だと思う」


「とにかく放課後に調査開始!」


「あ、私は今日用事あるから行けないよ?」


「…へ?」




「─というわけなの!」


「どういう訳だ」


「カヨちゃんが今日用事あるってワケ」


「話がズレてる気がするぞってワケ」


都合よく一瞬で放課後となったので、早速帰宅した私はカオル兄に事情を説明した。


「強いとかどうとか馬鹿馬鹿しい。第一んなもん知ってどうするんだ?」


カオル兄が呆れた顔で言ってきた。でも私は知りたいの。


「カオル兄、真実を知るのは良いことでしょ?」


「む、」


「真実から目を背けちゃダメでしょ?」


「むむ…」


「真実はいつも一つ!ってテレビでも聞くでしょ?」


「それは違うだろが」


「テストだって真実を答えるもんでしょ?結果はどうであれ」


「その話はしないでくれ!てかまだ受けてすらねーよ!!」


あり?そうだったっけー。


「ともかく私はどっちが強いかを知りたいの!」


なんとなくファイティングポーズをとってみる。


「大体何を理由にやらなきゃなんないの?」


「そこに敵がいるから?」


「俺はお前の敵ですかい」


「男は女の敵ってテレビで言ってた」


包丁振り回してた人が、だけどね。


「…わかったよ。じゃ勝負してやらぁ」


「え!ホント?」


「おぅ」


おお、なんか今日のカオル兄はいつもより素直だ!


「ほれ」


ぽーい


ん?何故に私にリンゴさんを投げ渡すのかな?


「そのリンゴ握りつぶせたらお前の勝ち」


「えーっ!?」


そりゃないよあんちゃん。


「違うよ!私が求めてるのはもっとそう!血湧き肉踊るような闘い!!」


「お子様のお嬢様が何言ってんだバカタレ」


「ならこのリンゴで私の強さが解るの!?」


「うん」


…マジ?


「いーから思いっきり握ってみな。多分潰せないから」

言ったなー。


私だって格闘家の端くれ…乙女の意地を見せちゃるわ!!


「何時から格闘家志望だよ」

「あれ?口に出して言ったっけ?」


「イヤ、何となくな。」


「あっそ。それじゃあ…」


リンゴに向かって握力全・開!


「ん〜っ!」


…アレ?つぶれるどころかヒビ一つ入らない。


「どーしてよ!私がリンゴ風情に負けるワケが!」


「農家の皆さんに謝れ」


「ごめんなさいっ!」


じゃなくてさ!!どうしてリンゴが割れないの!?


「こんなハズじゃ!私はできる!ヤればできる娘!萌えろ私のコスモオォォ!!」


「…著作権とか大丈夫なんかね。あと漢字違うぞ」


「やあぁぁぁ!」











─かれこれ10分が経過。


「わ、割れない…よぅ…」


…あー、カオルです。ここからは俺が林檎に敗けてぐったりしてるサクラの代わりに話しますね。


「だから無理って言ったろ?」


「うぅ〜でも〜」


サクラがいじけてその場に寝転がりながら手足をジタバタさせている。こういう所は可愛くて良いんだけどなー。


「つぶしたいのーっ!ゴリッて、グチャッてしたいのーっ!!」


言ってる事が全然可愛く無い!むしろ怖えぇ…。


「はいはい、もう少し手が大きくなってからな」


そう言って床に転がっていた哀れな林檎を拾い上げる。


「カオル兄は!?」


「へ?」


すると手足をピタッと止めたサクラが睨んでくる。


「カオル兄は潰せるの!?」

そう言えば強さがどうとかいう問題だったな。


「潰せるよ」


「うそ!?」


そこまで目を見開かなくてもいいじゃないの。


「じゃあ目の前でやってやる」


ちょいちょいとサクラを手招きして林檎を掴む。


「いくぞー」


「早く早くっ」


グシャッ!!


一瞬で林檎を握りつぶした俺。


「早いよ!」


どっちだよ!!


「何だよ!人が折角したのに!」


「だって捻りが無いもん!」

確かに無いけど!皆さん

ごめんなさい!


「とにかく結論は俺の方が強いって事で」


「納得いかなーい!」


「そんなの知るか!!」



…まぁ小細工はしたんだけどさ。


ん?どうしたかって?




…内緒♪


「カオル兄キモいよ」


うるさいよっ!


テストだからと言ってましたが…頑張りました(笑)

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