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─56日目 スキー合宿?そのろく─


「さー今日も張り切って行くぞーっ!!」


「おぉう……」


「…妙に疲れてるような顔してるわねカオル」


ようなじゃなくてその通りなんだよアミアミ。


「アミアミ言うなっ!」


「何で分かったんだよ!?」


「なんとなくよ!」


たまに思うんだけどさ、アミってサクラに似てる気がする。


「まーまー、気にすんなよアミアミ!」


「だーかーらーっ!!」


カイトにからかわれて怒る辺りは似てないな。


「どっちよ!」


「何が!?」


どうやら似てたのは読心術だけのようです。


「それってどうなの?」


「いや知らんがな」


俺が疲れてる理由は昨夜の会話を思い出してくれれば分かると思う。


朝に卓球をカイトとする。

確かに言った。


俺は言ったよ?それは認める。


でもさぁ……。











─今日、午前3時。


『カオル起きろー!卓球だー!』


『ん、んむぅ…まだ3時じゃん』


『3時は立派な朝だぞ!』


『…あと二時間だけ〜』


『ダメだ!』


『ね・さ・せ・ろぉ〜』


『ダ・メ・だっ!』






そして。


『さぁ行くぞ!』


『おー……』


『半分寝てんなー。じゃあルール発表!』


『おー……』


『負けた方は今日一日牛のパジャマで過ごすこと!勿論スキーの時もな』


『おー………?』


『よーいスタート!そりゃっ!』


『ちょっと待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』






『うおおおおおおおお!』


『ぬああああああああ!』


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!


『そろそろ、諦めたら、どうなんだ!』


『断る!言い出しっぺのお前が着ろ!』


『イヤだ!寒い!』


『なら何で言った!』


『ノリだ!』


『ふざけんな!』


『すげぇあの二人…もう30分以上ラリー続けてるよ』


『『負けられない戦いがそこにはある!!』』






「まぁ決着がつかなかったから牛パジャマは無くなったんだけどな」


ハハハ、と笑いながら言っているが実際やってたら笑い事じゃ済まなくなってたぞカイトよ。


「残念、見たかったなぁ…」


「ならアミが着れば」


「その流れ可笑しくない!?」


「アミアミだし仕方ないだろ」


「そう呼ぶなとっ!」


…弄りがいがあるのも似てると思った俺なのでした。


「それってどうなの!?」


「だから読むなとっ!」











「雪だるマン、セーットアーップ!」


「何よその掛け声は」


「愛着がわいたのさ」


雪だるマンと名付けられた発明品の中に潜り込みながらチアキちゃんに言うと物凄く呆れた顔をされました。なにさなにさ、ぬいぐるみに名前付けるのと変わらないでしょ。


「てかこれ雪だるマンって名前だったのね」


「私も知らなかったー」


「私も」


「アナタ生みの親でしょ!?」


「一応ね。でも原案者はサクラだよ」


「え、そうだったの?」


「いや私初耳なんですけど」


「落書き張に書いてたのを参考にしたの」


「適当すぎじゃないですか!?」


「失礼な、私の落書きに文句あるのチアキちゃん?」


「そっちじゃ無いわよ!」


「あっはっは〜♪結果オーライだから良いじゃん」


「ですねー」


「勝手に納得すなぁ!」


などと雑談をしている内にカオル兄達が移動し始めた。見失うとマズイので私達も距離を取って後についていこうとした時だった。


ヒュンッ!


「!」


何処からともなく雪玉が飛んできた。かわしたけどかなりのスピードだ。


「みぃーつけたぁ!」


雪玉が飛んできた方向から聞こえる女の子らしき声。


「………?」


「だれー?」


カヨちゃん(雪だるマン)が喋った。


「やっぱり!君らが伝説の雪だるマンなんだね!?」


くりっとした瞳をきらきら輝かせ、雪マークが編み込まれた毛糸帽を被った女の子がそこには居た。


「雪だるマンは雪だるマンだけど伝説で語り継がれる覚えは無いよ〜」


チヅルさん(雪だるマン)が喋った。


「嘘をつけ!この世の何処に喋る雪だるまが雪だるマン以外に居るってのさ!?」


「雪だるマンは喋る前提なの!?」


チアキちゃん(雪だるマン)が喋った。


「もちろん!現に喋ってるし」


「うっ……」


そう言われたら反論出来ないね。


「雪だるマン!一体残らず捕まえてボクのペットにしてやる!」


とうっ!とか言いながらこちらへ向かってくる。いやぁ困ったねぇ。


「はぁ…チヅルさん、先行ってて」


「へ?あ、サクラが相手するの?別に私がやっても」


「チヅルさんは加減を知らないからダメ」


「…は〜い」


「カヨちゃんとチアキちゃんも行って」


「でも一人で大丈夫なの?私達も残った方が」


「じゃあチアキちゃん、カオルさん達の事は私に任せてー」


「一人で頑張ってねサクラ!」


はくじょーものめー。


「サクラちゃん、また後でね」


「ん、また後で」


カヨちゃんは振り返る事なくカオル兄達を追っていった。何か寂しい……。


でもさ。


「ボクっ娘を放っておくワケにゃーいかんでしょ」


私の周りに誰一人として居なかったキャラ、ボクっ娘。これを見逃さない手は無い。


「捕まえて色んなコトしてやるー!」


「それはボクのセリフだ!」


「雪だるマン、セーッアーップッ!!」


先程よりも発音を良くして操作レバーを握る。


「セットアップ!?雪だるマンはセットアップするの!?新発見だー!」


更に目をキラキラシャラリンさせて大量の雪玉と共に迫ってくるボクっ娘。久々に血が騒ぐ。


「お互い楽しもうぜぃ!」


「おーともよー!!」


そして二人の揺るがない欲望のバトルが始まった。


キャラが崩れかけてきてる?知るか。


「「負けられない戦いがそこにはある!!!」」


いざ、尋常に勝負!!


「あー……ボクっ娘とか良いかもねー」  ……そんな事を考えてる週末の私。末期?そんなの知るか!譲れない物がそこにはある!

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