─50日目 方向性って大事だよね─
─某スタジオ。
「50話!あ、サクラです」
「まさかここまで続くとは…カオルです。」
心外ですねー、私だってやれば出来るんですよ?そんな私は作者です。
「結構ギリギリだったじゃん」
「そうそう。リアルに成績もヤバかったらしいし」
う、うるさいなぁ!
「でもそんな切羽詰まった作者のお陰で今の私達がある訳だし、感謝はしてるよ」
「そうだな」
…それだけでも有り難いってもんですよ。
「でも」
でも?
「ちょいちょいこの作品に問題が有るのではという意見が届いてるらしいじゃない!」
ぬぁっ!?
「なんつー声出してんだお前」
さ、サクラ?何処でそれを聞いたのかな?
「ググった」
嘘だっ!!
「当たり前だろ。それよりサクラ、その問題って何なんだ?」
「えっと、なんか他の作品に似てね?とか、ストーリーが似てるとか、他には…」
聞きたくない!もう聞きたくないよぉ!
「え、でもまだ有るのに」
「やめてやれ。作者の精神が崩壊しそうだから」
「けどちゃんとしないと読者にも他の作者さん達にも失礼極まりないよ?」
それはそうですけど…。
「作者よ。世の中には著作権というものがあってだな」
知ってるよ!
「じゃあ改善策を練ろうじゃないの!ちょうど50話なんだし切り替えるには良いでしょ」
「俺もそう思う」
そうですね。コレを読んでくれてる人達の為にも、もっと良い作品にしないと!
「そして何より私達の名誉の為に!」
「今の腹黒さMAXな発言はさておき…先ずは方向性から見直していこう」
はい。一言で纏めればコメディーです。キーワードは幾つか有るんですけど、その中でも『サクラ』。これは非常に重要なワードとなってます。
「うにゃ?私?」
「主役だからって事か?」
のんのんのん。でもそれはいずれ嫌でも解ります。カオルによって語られるのです。
「俺が?」
いえす。
「高●クリニック!」
「こういうセリフ辺りから改善した方が良いと思うぞ俺は……」
それは今回置いといて。んー話の書き方とかキャラ位置とかが原因なのかも知れませんね。
「たまに似てる話があったりするのもね」
「一話一話が孤立してるのもあるかもな」
「つまりもっとオリジナリティを出せば良いんだよ」
成る程。誰も書きそうにない何ともカオスなストーリーにすれば良いんですね!?
「「や、それは違うだろ」」
え、違うんですか?先ずカオルを今以上に超人化させて……。
「やめてーっ!」
「私は面白いから良いけど」
カイトも超人化させてみようかな。
「やめてーっ!!」
冗談ですよ。多分。
「「多分とか言うな!!」」
はいはい息の合ったツッコミありがとう。
「でもさ、コレのジャンルがコメディー以外だったらどうなるのかな?」
「どういう事だ?」
「例えば恋愛系だったら?」
あー、ジャンルから変えてみて検討しようって事ですね。恋愛系だと……カオルがモテモテになるんでしょうねぇ。一応主役だし。
「一応は余計だ」
「それは画として無いね」
「うっさいよ!」
まぁボツでしょ恋愛系は。私もそんなカオル見たくないし。ヘドが出るわ!
「コラァ!」
「ならファンタジーは?」
ファンタジーですか……カヨちゃんが猫耳に、チアキがリスになりますね。
「うわぁ可愛さ二倍!」
「俺達はそのままかよ…」
適当に魔法使って悪い奴等一方的に倒すとかで良いでしょーよ。
「勿論カオル兄一人で」
「重荷すぎじゃない!?」
…話も面白い展開が無さそうだからこれもボツ、ですね。
「うーん残念。見たかったなーカヨにゃんとチアリス」
「何だそれ」
では次。ホラーとかなんてどうでしょう?
「ホラー?」
「そんなの書けるのか作者?」
書いた事無いんで分かりません。あ、参考までに昔友達とやった怪談大会みたいなのでは怖がられるどころか笑われたくらいです。
「ダメじゃん」
だから例えで止めてるんですよ。ホラーねぇ…うぅ〜ん。
「自分で言っといてコイツ…」
……知らず知らずの内に一部のキャラの出番が減って終いには消えてしまう、なんてのは?
「恐ろしい!恐ろしすぎる!!」
「それ俺達限定のホラーじゃねぇか」
えー、良いと思ったのに…。
「ボツだボツ」
「あ!私アクションとかやってみたい!」
アクションですか?
「うん。ワイヤーとかで浮いたり」
それ何か違う!!
「うにゃ?」
「…ボツだな」
「ならSF!」
チヅル型宇宙人が地球を侵略する話とか?
「「さっきよりよっぽどホラーだ!!」」
へ?そうですか?
「想像しただけでもおぞましい…」
「地球側が一週間持てば良い方だろうね…」
じゃーこれもボツか。他には……。
「推理モノとかどうだ?」
「誰が死ぬの?」
「推理=殺人事件ってどこの小学生探偵だ」
「真実はいつも一つ!」
……サクラだったら勝手に犯人決めつけそうだからボツですね。
「……あのさぁ作者」
どうしたカオル?
「やっぱり俺達はコメディーが性に合ってるよ」
…そうみたいですね。
「要は言い方だね。そこらへんから変えていこう」
ハイ、何はともあれ頑張ります!
「じゃあ今回はこの辺でお開きしますか」
「だな。夕飯の準備もしないと」
二人共わざわざお疲れ様でした。これからも主役として災難に見舞われ──ゲフンゲフンッ!活躍して下さい。
「「オイ」」
それではさようならー!
ヒュッ!
「わ、消えた」
「逃げ足だけは一人前だな……」
─その頃。
「か〜っ緊張してきた!俺の出番まだかな〜!?」
この日予定されていた夢想空間の収録は中止、カイトは楽屋で一人延々と待たされたそうな……………。
はい、今回はカイトへの質問及び感想、メッセージが少なすぎたのもあったのでこうなりました……。← もっと今以上にオリジナリティ溢れる小説にするよう努力していきたいです(^^;