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─44日目 結構面食いなお姉様─


「暇だね」


「暇だね〜」


「はあ」


この人もか。この人もそうなのか。


こんにちは、カオルです。コタツで丸くなってるサクラとチヅルさんの相手をしております。誰か俺を誉めて下さい。


「暇じゃ暇じゃ」


「暇じゃけえのぉ〜」


「だから何だ」


「ひ・ま・だ!」


「ひ・ま・だ!」


「「ひ・ま・だ!!」」


「やかましいわっ!」


コタツの色んな方向から顔を出したり引っ込めたり……どうやってるんだか。


それより昨日一日だけでサクラがチヅルさんになついてる気がする。まぁ最近はあんまり無茶しないようになってきたし。チヅルさんは黙ってれば老若男女問わず好かれる容姿ですからね。黙ってればの話ですが。


ぴんぽーん♪


「ん、客か?」


「「きゃ・く・だ!!」」


「えーい鬱陶しい!」


しゅばばばと動く二体をその場に残し玄関へ…ドアが壊れ無用心な玄関へと向かう。でも心配は要らない。不審者が入ってきたら一瞬で塵と化します。化け物が二匹いますからね。


え、俺?やだなぁただの高校生に何が出来るってんですか?でもやむを得ない場合は捕らえて弱味握って揺すって用済みになったら交番とか警察署の前まで持ってって動けない状態で放置するだけですよ。いやぁ何て慈悲深いんだろう俺って。


そんな事を考えていると、


「よう!」


例によってカイトが立っていました。


「…暇なのか?お前も暇なのかそうなのか?」


「んあ?よく分かんねぇけどドアが無いのはリフォームか何かか?」


「…今家の中にいる宇宙人の仕業だ」


「宇宙人?お前いつの間に宇宙人と知り合いになったん?」


「十年以上前」


「へぇ、付き合い長いのな」


コイツは本当に宇宙人だと信じてるのだろうか?


「で、今日は何をしに?」


「この前借りてた金返しに来たんだよ。ほら、きっかり五千円」


「ん、確かに」


正直金貸してたの忘れてたよ…。思わぬ臨時収入ありがたや、修理費の足しになる。流石は俺の親友、絶妙なタイミングで持ってきてくれた。


「まぁ上がっていけよ。茶ぐらい出すから」


「お、悪いな」


カイトを連れて居間へと戻る。


「カイトさん!」


しゅばっ!とコタツから出て気を付けをするサクラの動作は可笑しさ満点だった。


「あら〜これまたカッコいい子が現れたね」


チヅルさんも目に見えぬ速さでコタツから出てきた。


「あ、えーっと。カオル?」


「?」


ちょいちょいとカイトに呼ばれ耳を貸してみる。


「……宇宙人?」


本気で誤解してそうなんですけど。


「えー、それ隠喩だ。暗喩だ。そういう事だ見て解れ」


「そうかよ。はぁ、見たかったな宇宙人……」


…そんな落ち込まれても困るんですけど。


「な〜にコソコソ話してんのかな〜?」


「いえ別に」


チヅルさんの言葉に一瞬驚きながらも平静を装う。


「んでこのイケメン君は?」


「ああ、俺の友達ですよ」


「初めまして、カイトって言います」


「初めまして、カオルの従姉のチヅルで〜す」


「カオルもスミに置けませんね。こんな美人の従姉がいるなんて」


「カオル、このお友達は大事にしな」


「流されやすいなオイ」


そりゃ美人かも知れないけどさ。


「ね〜カイト君。今度お茶でもどお?」


「あ、いいっスね!」


「私が許さん!だぁんじて許さーん!!」


チヅルさんとカイトの間に仁王立ちで立ち塞がるサクラ。


「サクラちゃんも来たらいいじゃん」


「いえっさー!」


「お前も流されやすいなオイ」


「ならカオルもだね〜」


「何でそうなるんでしょうか?」


「「「流れ」」」


ソレ好きですねアナタ達。


がたんっ。


「?」


そんな他愛の無い会話をしていると玄関先から物音が。


「お、おいっ静かにしろ!」


「わ、悪い」


明らかに聞き覚えの無い声が聞こえる。足音からして…二人人か。正直びっくりだ。






泥棒、でしょうね。


「ちょっと玄関に忘れ物したから取ってくるわ〜」



気付いたらしくチヅルさんは玄関にたったった〜と走っていく。


「「………」」


俺とサクラは合掌。


「???」


カイトは状況が解らず呆然。


「どーん!」


「わ、何だこの女!?」


「げぶらぁ!」


「さ、サブはぶおっ!?」


「…解ったか?状況」


「…なんとなくは」


「チヅルさん、変わってなかったね」


「ま、あんな感じの方が似合ってるし良いだろ」






─五分後。


「ただいま〜」


「ん、お疲れ様」


「チヅルさんって強いんスね……」


「いやぁそれほどでも〜」


「で、どうしたの?」


「二キロ先まで運んだ」


「あ!チヅルさん手から血が!」


「甘いなカイト。チヅルさんが人殴った位で拳痛めるワケ無いだろが」


「ご名答〜♪相手の顔殴って浴びた返り血だよ〜」


「顔って…鼻でも潰したんですか?」


「だってイケメンじゃなかったし」


さいですか。


「じゃあイケメンだったらどうしたの?」


「捕らえて従わせる」


「こえぇよ…カオル、俺大丈夫だよな?従わされないよな!?」


「焦るお前を見るの珍しいな。んー、大丈夫だとは思うけど…」


「けど?」


「夜道は気を付けろ」


「マジで!?」


や、嘘ですから。


「う〜〜〜ん」


「どうしたサクラ?」


「さっきの人達の声どこかで聞いたような……?」


「?」


「どうでも良いんだけどね」


「あっそ」


皆さんも泥棒にはご注意を。


えー、ホントに泥棒とかにはご注意を。 世の中何が起こるか解りませんからね(^^;

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