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─40日目 忘れられてた奴ら─


「ただいまー」


「おかえりなさいませご主人さまー」


「うげっ」


こんにちは、カオルです。我が妹サクラは本日もよく解らない行動をしております。


「何やってんだ妹」


「主従関係ごっこ」


すげー危なそうな遊びだなオイ。


「…誰かに教えて貰ったのか?」


「うん。カヨちゃんが面白いよーって言ってた」


「やっぱりか!」


そんな気がしてたんだよ。カヨちゃん、君って子は……。


「ご飯になさいますか?お風呂にしますか?それとも」


「それ以上言うなよ。ラインは守れ」


「むぅ」


頬を膨らませて俺を睨むサクラ。そんなに言いたかったのかアレを。


「それよりそんな事を言うぐらいなら準備してあるんだろうな?」


「んな訳無いじゃん。小学生に期待しないでよね」


「期待はしてなかった」


「少しくらいしてよ!」


「するなってさっき言っじゃねーか!ったく…当番表あるんだからちゃんとやれよな」


「はいはい。口ばっか動かしてないで体を動かそう」


「やかましいわ!」


その前に先ずは荷物を置いて制服も着替えてそれから……。


「「……………」」


ぁ。


「「…………………」」


あ。


「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


「当番表!」


「さっきさらっと言われたから気づかなかったけど当番表!」


「俺も自分で言ったのに気付かなかった!」


そう、皆さんはご存知だろうか?てか覚えてるだろうか?


高橋家に確かに存在する当番表を。


「なんか知らず知らずの内に一ヶ月近く放置してたんじゃない?」


「サクラが全く家事をやらないから完全に忘れてた」


「失礼な!皿洗ったりしてるよ!」


「それだけだろ。とにかく当番表を探してみよう。捨てた記憶すら無いから何処かにあるハズだぞ」


「ん、おっけ」


俺達は一先ずリビングへと向かった。


「以前まではここに掛けてあったのに……」


「大掃除の時にはもう無かったよ。私この辺担当だったでしょ?」


「そうだったな。捨てた覚えは?」


「なっすぃんぐ」


「じゃあ次。キッチンでも見てみるか」


俺がキッチンに向かおうとしたとき、


「あ!」


サクラが何かを見付けたかのように声を出した。


「何だ?見付かったのか?」


「うん見つかった!」


なぬ!?


「それはまことか!?」


「まことじゃ!」


そう言ってサクラが両手に持ちながら天高く突き上げたのは!


「にゃおーん」


猫ボコだった。いやー久々に見たなコイツも……じゃなくて!


「何でだよ!何で猫ボコなんだよ!?今探してんの当番表じゃね!?」


「や、最近見てなかったからさ」


「それはそうだけど…」


今まで何処に居たんだろう?


「それはそうと当番表だよ。猫ボコはコタツの上にでも置いときなさい」


「致し方ない」


いつの時代の人間だおぬしは。




「ではキッチン捜索開始!」


「おー!」


棚や冷蔵庫に貼ってある紙を調べてみるとそこには!


「あ、そろそろ授業参観あるんだった」


サクラの学校の手紙が見付かった(未読)。


「そろそろっていつ?」


「来週あたり?」


「…アバウト過ぎやしないか?」


「詳しくはこちらのホームページで」


「どちらだよ」




─そして。


「結局なかったねー当番表」


あれから色々と探してみたけど、当番表は見付かりはしなかった。


「代わりに見付かったのは……」


「にゃおにゃお〜ん」


猫ボコとマックかだけか。


「あ、マックっていうのはサンタさんが去年プレゼントしてくれた真っ黒な猫のぬいぐるみで、枕代わりにしてたんだけど一昨日からなくなってて…あーこれで眠れぬ夜ともオサラバだ」


「誰に説明してるかは知らんがマックいなくても十分爆睡できてたから安心しろ」


あとマックって名前は『枕』と『真っ黒』から由来しているらしい。まーそんなのどうでも良い話でしたねスミマセン。


「ところでカオル兄」


「ん?」


「私たちどうして当番表探してたの?」


「何を今更。お前に家事を手伝わせる為に決まってる」


「きっと今頃よく燃えてるよ」


「切り替え早っ!」


もう既に二酸化炭素と水を発生させた後だとでも!?


「さーさー諦めて晩ごはん作っちゃって」


「くそぅ、納得いかねー……ん?」


「どしたの?」


「今気付いたんだけどさ」


「?何に」


「当番表が無くなったのと猫ボコが現れたのって同じくらいのタイミングじゃなかったっけ?」


「言われてみれば……そうかも」


「猫ボコって突然現れたよな?」


「うん。カオル兄がコタツで発見したんだよね」


「そうそう」


「「…………………………」」


二人で猫ボコへと目をやる。すると奴は何時も通りのやる気ゼロな顔だった。……だったのだが。


「笑って…る?」


ように見えなくもなかった。特に今日に限っては、まるで俺達を嘲笑うかのような笑みを浮かべているみたいに。


「コイツが……」


恐る恐る手に取ってみる。相変わらずの妙な感触が手に伝わってきた。


「当番表と…入れ替わったの?」


俺の後ろから覗く形でサクラは見ているだけだった。


「元々はコレが…当番表、だったの?」


「さぁ……」


正直分からない。分かるハズが無い。


「…謎だね」


「…謎だ」


猫ボコの謎は今日も深まるばかりである。


有機物は燃えるとああなります。紙は有機物です。言いたいのはそれだけです← 皆さんも忘れ物にはご注意をm(__)m

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