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─39日目 アミの悩み事─


「はぁ……」


「突然人の前に現れて溜め息つくとかやめてくれないか?」


カオルです。教室に入りクラスの全員に昨日の夜焼いておいたクッキーを配って席に着いた途端、アミが俺の前の席に座ってこちらを向き、さっき言った通りの行動をしたんです。


「はーあ……」


「どうした?いかにも相談に乗ってくれって感じだけど」


「なんでもなーい」


「ようには見えないっての」


「む〜」


俺の机に突っ伏するアミ。こうされては教科書も出せないのですんごく困る。


「とりあえず話してみ。少しは気が紛れるだろ」


そしてどいてくれ。邪魔だから。


「じゃー話すよ」


そのままの体勢で顔だけを上に向けるとは…てか顔近い……ん?


「実はー……」


「体重が増えたとか?」


「なっ!?」


おお、イキナリ立ち上がって椅子が吹き飛んだ。なんつー解りやすいリアクションをするんだコイツ。


「…やっぱ見ただけで分かる?」


「いや分からんて」


んなしょっちゅう見てるワケでも無いんだからさ。


「じゃあ、なんで」


「女子の悩みって限られてるだろ?それに昨日クッキー食べまくってたの見てたし、もしかしたらと思ってな」


「そう!そのクッキーだよ!」


「はい?」


「カオルの焼いたクッキー美味しすぎなんだよ!おかげで食べ過ぎちゃったじゃん!!」


「褒めてんのか怒ってんのかどっちだ」


「両方!」


そりゃどーも。


「だからどうにかしてよ!」


何か妙な言い掛かりを付けられました。勝手に食べて勝手に体重増えられても知ったこっちゃ無いって。


でも女の子からしたら深刻な悩みみたいだし俺も鬼じゃありません。


「分かったよ。どうしたら良いか一緒に考えてやるから」


クッキー美味しいって言ってくれたしな。


「ではこれより会議を始めます!」


二人で話し合うのは果たして会議と呼べるのだろうか?


「先ずはあたしの食について。カオルはどう思う?」


「んー…最近の昼飯一週間分、覚えてるだけ言ってみろ」


「昼飯?えぇーっと、昨日はクッキーだけでしょ、一昨日はサンドイッチ、その前はカップラーメン、そのまた前はチョココロネ」


「明らかに原因それじゃねーか」


「え?」


理由が解ってないらしいアミの頭の上には?マークが浮遊している。


「いいか。お前でも解るように説明してやるからよく聞け」


「今あたしバカにされてない?」


「世の中にはビタミンとかエネルギーバランスってのがあってだな」


「無視?無視なの?」


「まぁ聞け。そのバランスをちゃんと保ってないと色んな事が起きる」


「例えば?」


「太る」


「がーん!」


「あとは肌荒れとかもだな」


「ががーん!」


「……荒れてるのか」


「がががーん!」


「そこまで落ち込まなくても良いだろ」


「なら落ち込ませるようなこと言わないでよ!」


「どう思うか聞いたのはお前だろが」


「だってそんなピンポイントで当てられると思わなかったし!」


「時に思い込みは必要以上に人を傷付ける。byカオル」


「……なに言ってんの?」


「や、勢いでつい」


それにしては上手い事言わなかったか俺?


「もーいいよ。じゃ痩せる方法教えて」


「痩せる方法?」


「とぼけたってムダよ!」


びしっ!と人差し指をたてながら叫ばんでも。


「毎日毎日料理作ってたらダイエット法の1つや2つ知ってて当然のハズ!さぁさぁさぁ!さっさと吐いたらどうなんだい!?」


「お前は誰だ」


「ベテラン女刑事を演じてみました」


なんじゃそら。


「とにかく吐け!良いから吐け!とっとと吐け!もしくは吐け!!」


朝っぱらから難しい注文をしますなぁこの娘は。


「仕方ない。周りに迷惑かからないようにトイレで」


「そっちじゃないっての!」


「おぅ。いっつあめりかんじょーく」


「バリバリ日本語表記じゃん!」


「む、冗談の通じない奴め」


あと表記とか言うな。


「あたしゃー必死なの!」


「はいはい。じゃあ簡単なのを1つ教えてやる」


「やっぱ知ってたんじゃん」


「今朝雑誌で見たんだけどな、豆腐が体にいいらしい」


「豆腐?」


「そ、豆腐。和風ハンバーグとか麻婆豆腐にしたら美味いぞ?」


「おー確かに!」


「卵も栄養豊富でオススメだ」


「豆腐に卵か…よし!頑張ってみるよ!」


「ああ頑張れ。そしてもう俺を巻き込まないでくれ」


適当に言ったけどアミは元々身体細いし…しっかり食べてたら問題無いだろ。











─翌日。


「ずーん……」


またしてもアミが俺の机で突っ伏していた。


「あ、アミー?どうしたー?」


「カオル〜……」


「ん?」


「……また増えた」


「……は?」


にゃんですと?昨日今日でそんな変わるのか体重って!?


「ち、因みに昨日は何食べたんだ?」


「麻婆豆腐五人前と豆腐ハンバーグ三人前。あとだし巻き玉子を」


「体重増えて当たり前だバカタレ」



俺が注意したその翌日からアミが俺の机に突っ伏する事は無くなった。


ってかアミ大食いだったのな………。


タイトル通りの話でした〜……捻りねーなーとか思っても口に出さないのがお約束だよ♪ え、時間が無くて適当に考えたんだろって?ハハハハハ、んな訳ないに決まってるジャマイカ笑

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