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─38日目 玄関先の攻防─


ぴんぽーん。


「はいはーい」


どもどもカオルです。今日はホンジョーさんが家に来る日です。たった今インターホンが鳴ったので玄関に向かってます。


「時間的にはまだ早いけど…ホンジョーさんかな?」


ドアを開けるとそこには、


「よっ!」


カイトがいたので閉めた。


「なんでだよ!」


今度はカイトがドアを開けた。


「や、なんとなく」


「カイトさんに失礼でしょカオル兄!」


げしっ。


「あうちっ!」


突然現れたサクラに蹴られた俺。昨日のも合わせてこれで二度目だ。


「ハハハ、いつも元気だなサクラちゃんは」


「お誉めに預かり光栄であります!!」


何で敬礼しながら言うの。


「で、何で来たんだよ」


「昨日アミからメール届いてよ、カオルんちで料理出るぞーって」


「だから来たのか?」


「それ以外に理由があるのか?」


「お出口はあちらになりますが」


「わかった」


ぱたん。


「「…………………………」」


ばたん!


「だからなんでだよ!!」


「「ナイスノリツッコミ」」


「まっ、たまにはと思ってさ」


「お前にしか出来ないネタだけどな」


「カイトさん限定です」


「おお、なんかカッコいい響きだ!」


「よっ!カイト限定!」


「おう!任せろ!」


「私もカイトさん限定!」


「何言っとるんだ小学生」


「任せろ!」


「ふざけんな!」


お兄ちゃん絶対認めないからな!?




……いやカイトなら別に問題は。でも年齢が…いやいや最近は歳の差なんて関係無くなってる傾向がああでも!


「カオルーどーした?」


「待て今考えてるから……うぅ〜ん」


「「?」」






─俺も落ち着いて10分が経過。


「誰も来ないなー…」


「まだ時間じゃないし当たり前だろ?お前が来るのが早すぎなだけ」


「ほい、また上がり」


「あ、俺もだ」


「また負けたよチクショウ!」


トランプしながら待ってる訳ですがコイツら強っ!何なのコレ、全敗なんですけど!?


「所詮君はその程度の器なのだよカオルーニョ」


誰だ。そいつは一体誰なんだカイトよ。


「まだまだだね」


妹。なんで君はそうやっていつも著作権を侵害するような言動をするのさ。あとそのラケットどっから出した?


「ないしょ」


「だから心を読むなとっ!」


すっかり忘れてたけど、サクラには読心術みたいな特技があるのです。


「えっへん」


ほらねー?プライバシーに土足で入って来るんです。困った話ですよ全く。


ぴんぽーん。


「お、来たかな」


「さっさと出なよ負け犬」


「わかってら」


コタツから出て一人玄関へと向かう。


ぴんぽーん。


「はいはい、今開けますよー」


がちゃ。


「おっはー♪」


ばたん。


アミがいたので閉めた。


「ちょっ、何で閉めんのよ!?」


俺が閉めたドアを無理矢理こじ開けてアミが入って来た。


「カイトを呼んだ張本人で挨拶が古かったから」


「二つ目のって理由になってんの!?」


「オバチャンの面影が見えて不愉快だった」


「そう言われたあたしも不愉快だ!」


「んじゃお互い様って事で。まぁ入れ」


「仕方ない、入ってやるよ」


「何様だお前は」


「お客様だ」


「コノヤロウ」


「あ、あの…」


アミを迎え入れようとしているとその後方から小さな声が聞こえた。


「ほら隠れてないで」


「は、はぃ……」


アミに手招きされて出てきたのはホンジョーさんだった。顔が真っ赤だけど…大丈夫なのか?


「ほ!」


イキナリ大声を出すホンジョーさん。……大丈夫、なのか?


「ほ、本日わっ!お招き頂き有り難うございまふ!」


……ございまふ?


「…噛んじゃったよぉ」


その場に伏せて落ち込むホンジョーさん。狙ってやったんじゃ無いのか。ちょっと残念。


「さ、落ち込んでないでさっさと入るよ〜」


「うぅ…アミ〜」


アミにずるずると腕を引っ張られながら家へと入っていったホンジョーさん。やれやれ、やっと全員揃ったよ。そう思いドアを閉めようとしたその時、


『おじゃましまーす!』


外から大勢の声が重なってそう言ったのが聞こえた。ドアを半分以上引いていたのでどんな状況かは見えない。でもこれだけは分かる。


「今開ければ何かダメな気がする……」


でもそう思えば思うほど開けたくなるのが人間の本能。


「……………」


言うまでも無く本能が打ち勝ちドアを開けた俺。


「…………は?」


そして目が点になった。


「どーしたカオルー……は?」


玄関にやって来たカイトも目が点になった。


「カオル兄遅すぎ……うにゃ?」


サクラも目が点になった。


そりゃそうだ。


俺のクラスメイトがほぼ全員そこに居たんだから。


「お、お前ら、何で!?」


『ホンジョーに呼ばれた』


「何やってんのホンジョーさん!?」


「と、友達呼んでもいいって言ったから呼んだの!そしたらこんな数に」


「限度ってもんがあるでしょーが!!」


「はひぃ!?ご、ごごごごめんなさいですうぅぅぅ!!」


頭を下げまくるホンジョーさん。それは置いといて、俺はひとまずアミに眼をやった。


「どういう事だ」


「見たまんまだ」


「説明になってねーって」


「てかハルカが呼んだのに何であたしに聞くのさ?」


「お前の差し金の可能性も否めない」


「おいコラ」


反応を見る限りそうでは無さそうだ。


「カオルー飯期待してるぜー!」


「楽しみだねーカオルの料理!」


「私なんかタッパー持ってきちゃった!」


「待てやお前ら。俺が今日作ったのはクッキーだけだぞ?しかも数人分」


『えー!?』


「だからさっさと帰れ」


「待てよ!こっちは誘われて来たんだぞ!?」


「知るか。俺が呼んだんじゃない」


「私お昼ご飯まだなのに!」


「まだ10時だし食べてなくても可笑しくないと思うけど?」


「私のタッパーは!?」


「知るか。空気でも入れとけ」


「くそ、横暴だぞ!」


「そうだ!俺達に罪は無い!だから飯をくれ!!」


「そーだそーだ!」


『めーし!めーし!めーし!』


「うるせぇ!どっかのファミレスででも喰ってこい!」


勢いに任せて俺はドアを閉めた。ブーイングなんて聞こえない聞こえない。


「ほっといていいの?」


「明日全員に何か作ってやりゃ文句無いだろ」


「ご、ごめんなさいカオル君。私のせいで……」


「いいよ。こういうのには慣れてるから」


「ところでクッキー焼いたんだって?」


「ああ。今回で焼いたのは二回目だ」


「うわっ、大丈夫なの?」


「失礼な。一回作ればあんなもん失敗する筈無いだろ?でもちょっと作り過ぎた…」


「じゃあ余ったら持って帰ってもいいですか?妹がクッキー好きなんで」


「いいけどホンジョーさん妹居たんだね」


苦労してそうだな妹さん。


「全然似てないけどね〜」


「あ、アミー!そんなこと言わないでよぉ〜!」


「ハハハハハハ」


「カイト君も笑わないで〜!」


「わははははは!」


「笑わないで〜…ってあなた誰?」


「はじめまして、妹のサクラです」


「妹?私に妹は一人しか」


「「「「いや違うだろ」」」」






そうしてようやくクッキーを食べ始めた俺達。


「え、じゃあカオル君の妹さんなんだ?」


「残念ながら」


「それどういう意味だ妹」


「じゃーサクラ。このお姉ちゃんの顔覚えておきなよ」


「なんでさアミアミ?」


ホンジョーさんを指差しながら言うアミ。サクラと短時間で意気投合してるし…。


「将来サクラのお姉さんになるかも」


「わー!わー!わー!」


「うにゃ?」


「うめーうめー!」


「静かに食べろやお前らぁ!!」




こうして騒がしいままホンジョーさんへのお礼代わりのお茶会もどき(仮)は幕を閉じた。


「うめーうめー!」


「お前ホントそればっかだな……」


サブタイトルみたいな事はあまりありませんでしたが玄関付近がメインの話だったので…変な話ですけどね(^^; 今日で三連休も終わりと思うと…あー憂鬱……m(__;;)

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