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─33日目 最後の日の過ごし方─


「今日でおしまいかぁ…」


「何が?」


「冬休み」


「あー」


そういえばそうだったね。今まですっかり忘れてたカオルです。今日も妹さんはコタツで丸まっております。正直邪魔です。


「宿題は?」


「やったよ」


この娘、意外とマジメだったりする。成績は良くないが。


何でかって?


やっても三日で忘れる構造になってるからさ。


「カオル兄はやったの?」


「やらなくても解る部分以外は全部やった」


「うわっせこいやり方だ」


「教師に文句言わせなかったら勝ちなんだよ」


現文なんて宿題の冊子を冬休み二日目にゴミと一緒に出したぐらいだ。やる気さらさら無し!どうだ!


「それで点数取れるのが不思議だよ」


「授業は聞いてるから勉強しなくても大体解る」


「この不良高校生めー」


「なにをぅ」


宿題しない主義なだけだぞ俺は。しても提出しない時だってあるんだぞ。


「はぁー…」


「どした?」


「ヒマラヤ山脈」


「………暇って言いたかったのか?」


「うむ」


めんどくさいボケを…。


「だからなんかしよー」


「カヨちゃん達と遊んでくればいいだろー?」


「二人とも今日は家族で出掛けるって言ってた」


「む…そういう事なら相手してやるか。でもなんかって何だよ」


「えーっと…芝居でも」


レベル高っ!


「交互にセリフを言ってくの」


「……まぁ物は試しか」


こうして何かよく分からない遊び、『高橋家の劇場』(サクラ命名)が始まった。


「登場人物は男女AとBで」


「どっちがAでどっちがBなんだ?」


「その辺は適当に」


「適当なのか」


「んじゃいくよ。時は20XX年」


「SF?」


「恐らく地球であろう惑星のヨーロッパ州近くに二人の男女が住んでいました」


「凝ってるのかアバウトなのか微妙な設定だな……」


「『ヘイナンシー。』あ、次のセリフは前のセリフの最後の文字から言ってね」


「ってこれしりとりじゃねーか」


「そうとも限らない」


限るよバカヤロウ。


「別に良いけどさ…じゃ次俺ね」


「あ、私が演じるのはブラウンだから」


しりとりなのに厄介な名前しやがって……ん?この二人の名前、最近どこかで聞いたような?


「カオル兄?ボーッとしてどしたのさ?」


「あ、悪い。えーと、『しかめっ面してどうしたの?』」


「『海苔が切れてるじゃないかナンシー!』」


ヨーロッパの人って海苔食べるのか?


「『し、仕方ないでしょ?売り切れてたんだから』」


「『らっきょうは買ってあるのに海苔は無かったのかナンシー!』」


らっきょうも食べるのかなぁヨーロッパの人。


「『仕事帰りで疲れてたから食べたかったのよ!悪い!?』」


「『言い訳なんて聞きたくないぞナンシー!』」


それも一理あるかも…でもさ、


「“し”ばっか言うなよ!」


「だってナンシーだし」


ブラウン役を選んだのはこれが狙いだったのか……。


「とにかく次からはナンシー禁止な」


「むぅ」


「次は俺からだ。『仕事もせずに親のスネかじって生活してるダメ人間に言われたくないわね!』」


「『年収は二億くらいあるのに?』」


「『に、二億!?アナタどうやってそんな大金を稼いでるのよ!?』」


「『ヨークシティでちょちょいのち』」


「『著作権には気を付けなさい!?』」


「『い、イエッサー』」


「『さて…話を戻しましょうか』」


「『貝柱が食べたい』」


「『いやいやそんな話でしたっけ!?』」


「『毛ガニも捨てがたい』」


「『何時から海鮮の話に?』」


でも海鮮は合ってる気がする。


「『肉でも全然おっけー』」


「『…結局晩御飯のリクエストなの?』」


「『海苔が切れてるじゃないか!』」


「『肝心の題目がここで登場するの!?』」


「『ノリノリの海苔が食べたいんだヨ!』」


「『ヨとか語尾に付けて言われても知らないわYO!』」


「ストップ。この場合は“お”なの?」


「“よ”でいいだろ」


「了解」


改めましてスタート。


『ヨーグルトも食べたかったりもする』」


「『ルウでも食べてなさい』」


「『胃に負担が…』」


「『ガタガタ抜かしてんじゃ無いわよこのダメ人間が!』」


「『頑張って生きてる人間に向かってダメ人間とは何だ!』」


「『ダメ人間はダメ人間でしょ!?それに他人から見てみたら然程頑張ってないようだからダメ人間って言われるのよ!』」


「『よっぽど頑張ってるぞ俺は!』」


「『歯磨きもロクにしないクセによく言えるわね!』」


「『猫に餌は毎日与えている!』」


「『ルウは餌じゃないでしょって言ってるのに与えてるだけでしょーが!』」


「『頑張ってます!』」


「『(言い方が)ストレート!』」


「『ところで何で言い争ってたのかね?』」


「『ねー?』」


「『…猫ボコだったかな?』」


「『なんでやねん』」


「あ、“ん”ついたよカオル兄」


「しまった、何時もの勢いでつい」


「私の勝ちー」


「くそぅ、負けたー」


「やったー」




……………。






「ねぇカオル兄?」


「何だ?」


「私達何やってたんだろ?」


「それはこっちのセリフだ」


「だねー」


「だろー?」


「うんー」






「「はぁ………」」


ホントに何やってたんだろーね俺達…。


「む?」


久々に猫ボコを発見。


うん、丁度いい。


「えいっ」


どごっ!


ぶにょん。


「ふぅ」


よーしスッキリした。


スッキリしたし…、




寝ようかね。目の前のお姫様も眠ってる訳だし。


最後の冬休みを少しでも満喫しようではないか。


ではさようなら。




すぴー。


今日は午後から出掛けてたので投稿できるか不安でしたがギリギリセーフ! そして明日からはまた学校生活に逆戻り、気合いを入れ直して頑張ります!皆さんも頑張って!!

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