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─31日目 アルバムの疑問─


「おじゃましまーす」


「いらっしゃーい」


やっほー、サクラです。今日はカヨちゃんの家に来ています。カオル兄はちょっと用事があるらしく、今回は出番無しです。ざまぁ。



「うほほ、若い女の子の住む家は新鮮ですのう」


「オヤジくさいよサクラちゃん」


「や、来たの初めてだったからつい」


今まで行く機会が無かったんだよね。何でかは知らないけど。


「こっちだよー」


カヨちゃんについていく形で家の中を歩いていく。


「ここだよー」


カヨちゃんが扉を開けると、私より先に来ていたチアキちゃんが座っていた。


「ぽりぽり…」


「……」


眼が合いました。


「ぽりぽりぽり…」


「………」


「ぽりぽりぽりぽりぽりぽり」


「…私を見つめてクッキー食べるのはどして?」


「かける言葉が見つからなくて」


「チアキちゃん食べ過ぎだよー」


「ヒマだったのよ」


「だからって半分以上食べなくても」


「育ち盛りだから」


「私への嫌味か」


「え?何でそうなるの?」


「チアキちゃんサクラちゃんより背が高いからじゃない?」


「あ、なるほど。サクラってちっちゃい」


「ちっちゃないわ!!」


「関西弁!?」


「サクラちゃんにちっちゃいって言ったらダメだよー」


「何でよ?関西弁になるから?」


「ウチもなりたくてちっちゃなってる訳ちゃうねんぞ!チクショー牛乳持ってこんかーい!!」


「こうなるから」


「…性格が変わるのね」


「うしーっ!!」


「牛だねー」


「もーっ!」


「もー♪」


「ふぅ…」


「落ち着いた?」


「うん」


「サクラの扱いが慣れてるわね…」


「だてに親友やってませんからー」


「からー」


「……ぽりぽり」


「あーチアキちゃんが無視したよカヨちゃん」


「面倒だから放っておこうって顔だねチアキちゃん」


「だったらどうリアクションしろってのよ?」


「「ツッコめ」」


「なんで!?」


「カオル兄の代理に」


「なんでやねん!!」


「おー勢いよくツッコんだねー」


「ね、サクラ。今のでカオルさんの代理務まった?」


「似たものを感じた」


「よし!」


なぜにガッツポーズ取ってるのチアキちゃん?






「じゃー何して遊ぼっかー?」


ちょいと小粋な挨拶を終えた私達は何をするかを決める事に。


「カヨちゃん、何か遊び道具持ってないの?」


「机の棚にトランプとかならあるけど」


「じゃあそれにしましょ。三人いるんだし出来るわよ」


そしてトランプを捜索し始めたカヨちゃんだったが。


「あれー?」


「どうしたの?」


「トランプが無い」


「他の所には?」


「まだ見てないから分かんないよ」


「じゃあ手分けして探そう」


「そうね。私達も手伝いましょ」


トランプ相手に三人がかりとなりました。


「んー…ないねー」


「こっちも無さそうよ」


「およ?」


引き出しの奥に四角いシルエットを見つけた私。


「どうしたのよ?」


「これ……」


私が見つけた物の正体は…。


「幼稚園のアルバムだ」


「わーなつかしー」


「私の家にもあるけど久々に見たわね」


二人は幼なじみだったんだよね。幼稚園が同じなのも納得がいく。ところで『九翼吉幼稚園』って何処にあったの?


……なんか興味わいてきちゃった。


「カヨちゃん、これ見てもいい?」


「別にいいよー」


「それよりトランプ探しなさいよ!」


「ちょっとだけだから」


チアキちゃんを宥めてアルバムのページをぱらぱらとめくっていく。


「………あ」


すると最初の方に、組ごとの集合写真があった。組の名前が全て食べ物である事はあえて気にしない。


「カヨちゃん発見!」


その中にまぎれていた幼稚園時代のカヨちゃんを見た私。


はっきり言おう。






めっさ可愛い。


「世のロリコン達が黙っちゃいないだろうねコリャ」


ヤフオクで売ったら凄い額で売れそうな気がするこの写真…。


「おお、その隣にはチアキちゃん!」


犯罪的可愛さを誇るちびカヨちゃんの右隣にはちびチアキちゃんが写っていた。


はっきり言おう。






マスク邪魔。


「その時ちょうど風邪だったのよ。写真撮ってからはずっと寝てたらしいわ」


「…チアキちゃんってイベントとかで何らかのトラブルに巻き込まれるタイプ?」


「へ?まぁ風邪はよく引くわね」


段々、チアキちゃんのキャラ位置が確立してきている今日この頃です。


「他には〜……むむ」


卒園する皆に聞いたアンケートが最後辺りのページに載ってる。聞かれている内容は普通は普通だけど、こういうのには大抵面白珍解答をする奴が何人かいる。人間の性ってヤツかな?


「二人のは…あった」


でもそんなのは放っておいて二人のをチェック。


「先ずはカヨちゃん」


質問は以下の通り。


質問1。好きな物はなんですか?嫌いな物はなんですか?


質問2。将来の夢はなんですか?


それに対してカヨちゃんは。


『好きな物:おまんじゅう。嫌いな物:たべられないもの』


『将来の夢:おまんじゅう』


なるの?おまんじゅうに?


夢も可愛いのう。


「次はチアキちゃん」



『好きな物:おとといあったおにーさん。嫌いな物:おとーさん』


『将来の夢:おにーさんのおよめさん』


……何コレ??


「…ね、チアキちゃん」


「あ、見つかったよートランプ」


「ホント?じゃあ早速やりましょ」


「や、チアキちゃん?」


「サクラもさっさとアルバム直してやるわよ」


「はいぼっしゅー」


ぱしっとカヨちゃんにアルバムを取られた私。


「チアキちゃん配ってねー」


「何するの?」


「無難にババ抜きかなー?」


「あ、あのさチアキちゃん…」


「ささ、やろやろ」


「もしもーし…?」


その後もチアキちゃんが私に反応する事は無かった…のかな?私の思い違いかもしれないけど……。




一昨日会ったおにーさんって誰?おとーさん嫌いなの?二日前に出会ったおにーさんのおよめさんになるのが夢でいいの?




うーん聞きたいなー。






うにゃーっ!


私のこの頃の夢は歯医者になることでした…今では敵でしかない歯医者になりたいと思っていたとは…すげぇ。(笑)

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