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─30日目 テレパ小説─


「るっるっる〜ルクセンブルク〜♪」


サクラです、こんにちは。今は何でもない道を歩いています。


「る?」


道ばたに机がある。


「るるる?」


紙とペンが置いてある。


「なんか書いてる。『これはリレー小説です。一文だけ声に出して言ってみて下さい』?」


ペンあるのに書かないの?


「るぅ…」


ヒマだしやってみようか。


「『ジョンは唐突に叫びました。』」


私がそう言うと、紙にそのままの文が書き込まれた。


「どうなってるんだろ…まぁいっか。るっるっる〜…」











「くっくっく〜クーデタ〜♪」


カヨです、こんにちは。今は何でもない道を歩いています。


「く?」


道ばたに机がある。


「くくく?」


紙とペンが置いてある。


「なになに、『これはリレー小説です。一文だけ声に出して言ってみて下さい』?」


ペンあるのに書かないのー?


「くぅ…」


ヒマだしやってみよー。前文に繋げた方がいいよね。うーん。


「『「じーざーっす!」と。』」


私がそう言うと、紙にそのままの文が書き込まれた。


「どーなってるんだろー…まーいっか。くっくっく〜…」











「たったった〜タルタルソース〜♪」


チアキです、こんにちは。今は何でもない道を歩いています。


「た?」


道ばたに机があるわ。


「たたた?」


紙とペンが置いてある。


「なんか書いてる。『これはリレー小説です。一文だけ声に出して言ってみて下さい』?」


ペンあるのに書かないの?


「たぁ…」


ヒマだしやってみようかしら。


ところでこの「た」ってちょっと無茶じゃない?


…何を一人で言ってるのよ私は!とにかく前文に繋げればいいのよねってじーざーっす!って何よ!?


「『えーい!何故なら財布を落としてしまったからよ!!これでどう!?』」


私がそう言うと、紙にそのままの文が書き込まれた。


「そのまますぎるわよ!それよりどういう仕組みなのよコレ…まぁいいわ。たったった〜…」











「すっすっす〜スリランカ〜♪」


サキです、こんにちは。今は何でもない道を歩いています。


「す?」


道ばたに机がある。


「すすす?」


紙とペンが置いてある。


「なんか書いてる。『これはリレー小説です。一文だけ声に出して言ってみて下さい』?」


ペンあるのに書かないのか?


「すぅ…」


ヒマだしやってみよう!この生々しい文に繋げればいいんだな?えーっと……よしっ!


「『だが気にはしていない!何故なら私は生徒会長だから!!』」


私がそう言うと、紙にそのままの文が書き込まれた。


「んん?どうなってるんだこの紙…まぁいいか!すっすっす〜…」











「かっかっか〜カッターナイフ〜♪」


カイトです、こんにちは。今は何でもない道を歩いています。


「か?」


道ばたに机がある。


「かかか?」


紙とペンが置いてある。


「なんか書いてら。『これはリレー小説です。一文だけ声に出して言ってみて下さい』?」


ペンあるのに書かないのかよ?


「かぁ…」


ヒマだしやってみるかね。前の文に繋げればいい……ってこの文書いたの一人しかいねーじゃん。


「じゃーいくぞ。『俺は言いました。「バレバレっスよ会長」と。』」


俺がそう言うと、紙にそのままの文が書き込まれた。


「どんな仕組みかは知らねーけど言いたい事は言ったから良し!かっかっか〜…」











「ふっふっふ〜フードコート〜♪」


カオルです、こんにちは。今は何でもない道を歩いています。


「ふ?」


道ばたに机がある。


「ふふふ?」


紙とペンが置いてある。


「なんか書いてるな。『これはリレー小説です。一文だけ声に出して言ってみて下さい』?」


ペンあるのに書かないのかよ?


「ふぅ…」


ヒマだしやってみようか。でもその前に今までの流れを見ておこう。


「ふむふむ」


『ジョンは唐突に叫びました。』


主人公外人かよ。そして何故叫ぶ。


『「じーざーっす!」と。』


そのセリフにじーざす。


『えーい!何故なら財布を落としてしまったからよ!!これでどう!?』


イキナリ女口調になった!女だったのかジョン?あとどうって聞かれても…でもこの喋り方誰かに似てるような……?


『だが気にはしていない!何故なら私は生徒会長だから!!』


生徒会長なのかジョン。百歩譲ってそうだとしても気にしろや。


『俺は言いました。「バレバレっスよ会長」と。』


俺から見ればお前もバレバレだバカタレ。


「…仕方無い」


俺が終わらせてやろう。


「『うちの妹は、毎日そんな夢を見ます』」


俺がそう言うと、紙にそのままの文が書き込まれた。


「これ作った人凄いな。冗談抜きでノーベル賞ものかも……ふっふっふ〜…」











─それから。


「思ったより早く買い物終わったな…お、サクラ」


「カオル兄。どしたのこんな所で」


「我が家の前をこんな所とか言うんじゃありません」


「そんな年頃なんだもん♪」


「どんな年頃だ」


「それよりカオル兄。私ね、今日不思議体験したよ」


「不思議体験?」


「言っただけで紙に文が書き込まれる机があったの。昼にたまたま道で見つけてさ」


「へー……?」


「でね、さっきもう一回見に行ったら続きが書いてあって。結局財布を落としてじーざーっす!って叫んだけど気にしてなかったバレバレの生徒会長ジョンの夢を見る妹の話になってたの!」


「へ、へー……」


「最初に私が言った文からあそこまで発展するとは思わなかったよ…ってカオル兄?目頭おさえて何やってんの?」


「ちょっと目眩が…」


「でもそんな夢見る妹って相当変だよねー」


「全くもってその通りだ…」


それがこの娘であるという真実は俺しか知らない……。






…じーざす。


今回のサブタイ……声に出す=意思を伝える=テレパシーと解釈して下さい(^^;

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