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─23日目 たまにはテレビでも─


「ふぅー」


あーどもども、カオルです。


先日のクリスマスパーティーでは散々な目に会いました…ええあれからもっとヒートアップしましたよスゴい事になりましたよ出来れば思い出したくもありませんよ。


ただ言えるのは二つ、


未成年はお酒を飲んじゃいけません。と、


俺酒につえぇ。です。


途中から半分自暴自棄になった俺は会長が持ってきた差し入れという名のチューハイを片っ端から飲んでいったのです…恥ずかしながら。


でも酔うどころか逆に目が覚めたような感じになってそのまま暴走状態のサクラ&カヨちゃんコンビの相手をさせられました……。そのせいで体の節々がまだ痛みます。


という訳で俺はコタツに入り寝転んでおります。ごろんごろーん。


そんな俺の目の前に姿を現したのは縦長長方形のアイツ……テレビのリモコンだった。いつぞやかコタツにもリモコンが在ったのが脳内に浮かんだ、が2秒で記憶から完全に消去した。


「たまにはテレビでも見るか」


特にやる事も無かったのでテレビを見てみようと思い、電源を入れてみる。


「年末だし特番でもやってるかなー」


最初はチャンネルを変えずに、そのままので見てみる。


『今日は、ニュースの時間です。』


その画面では若い女の人がハキハキと喋っていた。


「ニュースかー。最近見てなかったし丁度いいや」


今のご時世の状況を知るのも大切だからな。


『─続いてのニュースです。昨日未明、とある店にある男が強盗に入り、その店の売り上げを幾らか盗み、何らかの方法で逃走するという事件が起きました。犯人は未だ逃走中との事です』


不明な点多すぎだろ。何やってんだ警察とかアンタらは。


『次です』


…今ので終わり?


『世界的に有名な大手企業、瀬能コーポレーションが今朝、ドイツに新たな会社を設立する事を発表しました。この話には社長である─』


あーまたこの会社か。年々でかくなっていってる気が…このままで大丈夫か日本の財政。


『続いて今日の天気です』


「む、これは見ておかなければ」


洗濯物干してあるしな。


『午後から夕方にかけて東北、関東、中部地方は晴れ。近畿、中国・四国、九州地方は晴れ時々曇りとなるでしょう』


地方別とはこれまたアバウトだ。当たっているなら文句は無いけど。


『そして私の心には雨が降り続けるでしょう』


知らんがな。


『昨日彼氏と別れて…もう大雨です。どしゃ降りです』


半泣きなりながら言われても知らんがな。そもそも公の前で言うような事では無いだろそれ。


「チャンネル変えてみるか」


『只今恋人募集中です』


知るか。ピッ。


適当にチャンネルを変えるとバラエティー番組らしきものがやっていた。


『は〜い今日はここ!大阪に来ていま〜す♪』


さっきの失恋アナウンサーとは真逆で今時の格好をした女の人が現れた。


「ギャップありすぎるだろ」


とか言いつつも見てみる俺。だって暇なんだもん、サクラはカヨちゃんと遊びに行ったしさ。カイトは二日酔いでダウンしてるし。


『大阪と言えば何と言ってもたこ焼き!早速食べに行きましょー!』


「こらこらこらこら待てやねーちゃん」


大阪=たこ焼きのイメージが未だに残っていたなんて…、ちょっと残念。


そして食事シーンに入り、


『はふはふ!美味しいでふー♪はふはふはふはふ』


「…カイトだ」


女カイトを発見した世紀の瞬間だった。


てかこれでよくOK貰えたなこの人。たこ焼きのコメント殆どはふはふしか言ってないのに…今は顔が全てってか?


そんな時代の流れを感じながらもピッ。


『なんでやねん!』


なにがやねん。…オイ待てこんなやり取り前に無かったか?


どうやら漫才の番組のようだった。舞台に置かれたマイクを挟んだ二人が陽気に喋っている。


『次はこちらの方々です!!』


拍手と共に舞台に現れたのは、いかにも気さくそうな二人の男達。


『HAHAHA!やぁ皆、元気にしてるかい?おやおやタケシ、皆少し落ち込んでるみたいだよ!』


外人のような喋り方をする男の人。先に断っておくがどこからどう見ても日本人である。


『今日はそんな君たちに話があるんだ!』


『話?ヘイタカシ、それはどんな話なんだい!?』


オーバーなリアクションをしながら喋るもう片方。当たり前だがこちらも日本人。


『実は俺、学校に通ってるんだけど成績があまり良くないんだよ!』


『HAHAHA!そりゃこんな事してたらそうなるに決まってるさ!』


ごもっともである。


『この前もテストがあって、0点を取っちまったんだ!!』


『0点を!?ジョークにしちゃあちょいと笑えないね!』


さらっとキツい事言うなタケシ。


『ああそうさ!お家に帰ったらママンに小一時間説教されたぜ!「どうして一問もマルを貰えないの!?この能無しが!!」ってね!』


タカシのママン…実の息子に能無しと言うのはどうだろう?


『HAHAHA!ウェイトだタカシ!』


ようやくマトモな英語が出てきた。因みにウェイトはWait(待つ)って意味だ。


『どうしたんだいタケシ!?』


『君のママンはマルを一つも貰えなかったのを怒ってるのかい?だったら筋違いだな!』


いや…子供がテストで悪い点を取ったら大抵の親は怒ると思うけど。


『筋違い?それはどうしてだい!?』


『だって君はマルを貰ってるじゃないか!0点という名のマルをね!!』


『OH!そいつは一本取られたゼ!!』


『だろう!?HAHAHAHA!』


だろうじゃねーよぅ。筋違いはお前だよぅ。それは屁理屈って言うんだよぅ。


『『ありがとございましたー』』


今ので終わりかよぅ。何かしっくり来ないじゃんかよぅ。


てかさっきから俺喋り方可笑しいよぅ。そりゃ眠くなってきたからだよぅ。ハハ、俺誰に向かって喋ってんだよぅ…。


すぴー…。







そして。


「ただいまー。カヨちゃんも上がって」


「お邪魔しまーす」


「あれ…カオル兄ーいないのー?…む」


「どうしたのー?」


「すぴー…」


「テレビつけながら寝てる」


「あ、ホントだ」


「何見てたんだろ」


『─先手、三6歩』


「「…しぶっ」」




この日の特番は何故か将棋大会の中継だったそうで…。




すぴー。


家のビデオデッキがとうとう壊れました…(涙 これを期にブルーレイでも買おうかなーとか思ってたり(^^ あと将棋の表示が逆かも知れませんがそこはスルーの方向で(笑)

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