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─2日目 兄弟兄妹似た者同士─


「ただいまー…」


「おーかえりー」


「何か妙な言い方のおかえりだね」


「おーおかえりーを省略してみた…てかどうしたその顔?」


どうもカオルです。ピカピカなのかな?うん、きっとその筈の高校一年生。


んでもって顔汚して帰って来たのは我が妹サクラ。まあ妹とは言ってもこうなったのは今回で軽く数十回目…正直ちゃんとは覚えてない。キリがないから。


「ケンカした」


「見りゃ解る。だから先ず顔洗って来い」


「合点」


数分後、顔を洗ってタオルを首に掛けたサクラがリビングに戻って来た。


「それで、何で喧嘩した?詳しい説明を」


「話はカヨちゃんをからかってた男子×5人全員に正義の鉄槌を喰らわせた事から始まります」


「もうそれでゲームセットじゃねーか」


それに5人も倒したのかよ。しかも全員男子だし。


…あ、カヨちゃんとはサクラの友達の一人。特に仲が良いらしく、ウチに何度も遊びに来てるので面識はあるのだが…これがサクラとは正反対とゆーか、物静かで落ち着いた感じ?の可愛らしい子だ。


「それがその内の一匹の兄貴(中学生)がかたきうちに来て」


「ほお、世間知らずもいいとこだ」


「来たと言っても放課後だよ」


「イヤイヤそういう問題じゃ無くて」


小学生の女の子相手に中学生が敵討ちて。どっかの芸能人みたいに少し羞恥心を持ってみたらどうなんだ?


「で、私はそのブラコン兄貴をコテンパンにしました」


「ブラコンとか言うな。小四だろお前」


つーか中学生にケンカ勝ったのかコイツ。恐るべし妹。


「自分の妹恐れてどーすんのさ」


アレ?なんで心の声が聞こえたんだ?


「それで話の続きなんだけど」


「そこは無視するんかい」


「今度はそのまた兄貴(高校生)がやってきたのね」


まだ来るのか。何人いてどこまで互いに兄弟思いなんだソイツら。


「だからいい加減ウザったく感じた私はその前に倒した兄貴Aを武器に兄貴Bを倒しました」


中学生を武器に高校生を返り討ちにしたのか小学生。だがしかしこやつは学年内で一、二を争うおチビさんだぞ?ジェットコースターにも未だに身長のせいで乗れない娘だったりするんだぞ?


「…まぁなんだ。つまりそれが原因であんなに汚れて帰って来たと?」


「いや、帰り道で転んだだけ」


「今までの流れ関係ねーじゃん!」


驚いた。汚れた理由と中学生、高校生を無傷で倒したという事実に。


「あ、でも関係なくはないよ?」


「へ?」


そう言うとサクラは徐に自身の隣に置いていたランドセルの中から一枚の紙切れを俺に渡してきた。


「…何だこれ?」


「さっき言った兄弟達の長男(大学生)がここに来いってさ」


成る程、やっぱりまだ居たのか兄弟。でもさ、


「何故俺に渡す」


「流石の私も大学生はキツいよ」


「それこそ今までの流れで倒せよ」


関係の無い俺を巻き込むのは止めてくれ。でも妹にこんなこと言うのは間違ってるとは思ったがそこは気にしない。


「という訳でお願いね」


そう告げてサクラは自分の部屋へと戻っていく。


「はあー……」


思わず溜め息を吐いてしまう。行かないのも相手に悪いし、待ち合わせの場所は幸か不幸かちょうど今から行こうとしてたスーパーの通り道だし……


「仕方ない」


妹のした事は兄貴である俺の責任でもあるしな。ここは平和的に解決してからスーパーへ買い物に行こう。うん、大人な対処だ。



──40分後。


「ただいまー…」


「おーかえりー。…どしたのその顔?」


「…喧嘩した」



結局俺達は兄妹なんだなー、と改めて実感させられた一日でした。


因みに俺はボクシングジムに通ってるらしい大学生の兄貴さんを、

三十秒、つまり1ラウンド目で平和的に脇腹へのボディーブローをかまして瞬殺、そのままスーパーに行ったのまでは良かったけど、


タイムサービス目当てのオバチャン軍団の波に巻き込まれ撃沈。その突撃力は正に戦車並で、おまけに帰り道で転びましたとさ。



えーっと、めでたし?

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