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─18日目 してはいけない事─


とてちてたーっと川原沿いを駆け抜けています。サクラです。


「ぎゅーん」


今私は近所のスーパーへと向かってます。今日は帰りが遅くなるカオル兄の代わりに、夕食のおかず等々を買いに行くためです。ああなんて兄思いな妹なんだろう私。


「ぎゅー、ん?」


そんな事を考えながらふと川原の方に目をやると、二人組の男が女の人と言い争っていた。


「なんだテメェ!」


「お前達こそ何だ!こんな所でタバコは吸うわビール飲むわ!挙げ句の果てには両方ポイ捨てだと!?いい歳こいた大人が何やってるんだ!!」


「うるせぇ!女のくせに生意気な口聞くんじゃねぇ!」


「環境問題に男も女もないと思うが?」


制服を着てるし…女の人は高校生くらいかな?とか思いつつも、もうちょっと近づいて様子を見る。


「ああ言えばこう言う姉ちゃんだな!痛い目見ない内にさっさと家に帰れ!」


「断る!私は生徒会長だからな!!」


「「いやいや意味解んねーし」」


それには私も同意見。てかセイトカイチョーって何?強いの?


「とにかくさっさと消えろ!目障りなんだよ!」


「そうだ!俺達は会社でクビに会ってイライラしてんだよ!」


何かよくわかんないけど可哀想な大人達だなぁ。


「クビ?そうならないように仕事しなかったお前達が悪いんじゃ無いのか?見たところサラ金みたいだし」


「何だと!?ふざけるな!俺達だって頑張ったさ!毎日毎日会社のために働いて!それなのに…それなのに…っ」


「うぅっ……先輩〜!」


「泣くなサブ!」


「…………」


…やっぱ可哀想な人達なんだね、うん。あとあの情けない方サブって言うんだ。見た目と同じでしょっぼい名前だなぁ。あとサラ金って何?新しいお金?あの人達が?全然そうには見えないけど。


「そういう事なんだよ!もうどっか行け!」


「知るか!お前達こそそのゴミ拾ってさっさと失せろ!!」


オジサン共に気圧される事も無く引き下がろうとしないセイトカイチョー。んーそろそろヤバい空気かな?


「てめぇ…いい加減にしやがれ!」


「っ!!」


痺れを切らしたのか、オジサンの一人がセイトカイチョーに殴りかかろうとしたのでここから私の出番。あの人目瞑ってるし流石に危ないでしょ。


「ていやっ」


バキィッ!!


「げほっ!」


先ずは顔に飛び膝蹴りをかましてやった。


「な、何だこのガキッ!?」


「オジサンたちさぁ…大人が女の子に手出しちゃダメでしょ?」


大人な私が注意をしてやる。でも、


「テメェには関係無いだろ!このチビ!!」


ぴきっ。


「とっととお家に帰ってママのオッパイでも飲んでな!!」


ぴきぴきっ。


「それとも帰り道も分かんねぇか!?嬢ちゃんも教育がなってねぇなあ!ハッハッハッハ!!」


ぷっちんちょ。






「おいコラボケェ」


「ハッ!?」


刹那、サブとか呼ばれてた奴の顔を潰してやった。撃ち込んだのは八発。


「……は?」


「こっちが優しくゆーたってんのに何じゃその態度はあぁん!?」


「ヒッヒイィッ!!」


もう一人が私を見ながらガタガタと震えている。でも知ったこっちゃない。


「元々はあんたらが悪いんとちゃうんかコラおぉ!?」


「た、たたた助けてえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


相手が逃げ出した。でも知ったこっちゃない。


「どこ行くつもりや?」


がしっ。


「がっ!!」


後ろから頭を掴んで捕まえる。


「あんたらはやったらアカン事を三つやってもうた」


みしみしと力を加える。


「いぃぃぃいたたたた!!」


「一つ、ウチの事をガキ扱いした事」


更に力を加える。


「二つ、ウチのママをバカにした事」


もっと力を加える。


「あ……が……」


声が出ない程痛いようだけど、知ったこっちゃない。


「三つ─」


相手の首を回してこちらを向かせる。


私は、できるだけの笑顔で。


「私をチビって言った事♪」


向こうは、恐怖に満ちた顔で。


「ゆ、許し…」


「シネ」






──そこから先は全く覚えてない。


気がついた頃にはオジサン達は居なくなっていて、セイトカイチョーが呆然としたままだった。


「お…お前……何、なんだ…?」


途切れ途切れな質問だけど聞かれたからには答えないと。


「サクラだよ」


「そういう事じゃ無くて!!」


「ほえ?」











「へー小学四年生であの強さ、ねぇ…」


「えっへん」


騒動の後、私はセイトカイチョーさんと自己紹介を兼ねた話をして何となく意気投合、仲良くなりました。


「セイトカイチョーさんは─」


「何で片言なのか知らないが…サキでいいよ。私の名前だ」


「じゃサキさん」


「ん?」


「サキさんは高校生?」


「ああ、今は二年生だ」


「へー。その割には随分か弱いんだね」


そう言ってからかうと、サキさんはむっとしてこっちを見てきた。


「か弱い?はっ、冗談を。さっきはたまたま目にゴミが入っただけだ」


「そうなの?」


「ああ。私は空手の段持ちだからな」


はっはっは、と笑いながら言ってるけど……段持ちって強いのかな?あんま分かんないや。


「おっとそうだ。学校にまだ用事があったんだ」


そう言うとサキさんが突然反対方向へと走って行った。


「じゃーまたな!!」


はっはっは、という笑い声を残して。


…何か釈然としないけど。


「ま、いっか!」


面白そうな人だったし。


サキさん、か。


また会えるといいな。


さて、私は買い物買い物!


「びゅーん♪」











─場所は変わって学校。


「あれ?会長」


「どーも」


「おう、カオルにカイトか。どうしたこんな時間に?」


「二人で相談し合いたい事があったんで残ってたんスよ」


「そうか、不気味で仕方が無いぞお前ら」


「で、会長は?」


「いやー生徒会室に携帯を忘れてな!取りに帰ろうとしたら途中でクビになったサラ金達ともめちゃって」


「何やってんだアンタは」


「んでどうしたんスか?」


「それがな、小学生の女の子に助けられたんだよ!」


「「……は?」」


「名前は…忘れたけど、四年生って言ってたな」


「…おいカオル」


「ああ…」


「「まさか、な」」


「?」







色んな偶然が重なった、そんな一日でしたとさ。


えー…サクラが暴走しました、スイマセン(^^;でも書いた事に後悔はしていない!(笑)

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