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Manipulated Intelligence Agent ~皇帝によって操られた諜報員たち……~  作者: 11月 ミツシ
第1章、【伍長閣下たちの目覚めから】
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第1章3話

 さて伍長たちは700円を喫茶店に置いてきたのだが、実はもうほとんど所持金が無かったりする。いや、あるにはあるのだが、1万円あるかないか…。じゃあなぜあったかって? ほら、よくあるじゃないズボンのポケットに小銭が入っていた的な…

 

「さて…情報は集まったがこれからマジでどうすんの?」っと振り替えながら言う伍長。

「仕事に家…そしてお金は必要だな…」トホホな首相!

「アドルフ、飯はまだか?」と完全にお年寄りなヨシフおじいちゃん

「はぁ~…爺ちゃん、ボケてるのか本気なのかわからないよ………」

「全く…閣下は…」


 おじいちゃんのボケなのか本気で思っているのかわからない言葉に首相!も伍長もため息交じりの苦笑いを浮かべている。

 ………苦笑い多いな!お前ら!


「そういえば伍長さん」

「なんだ?」

「知ってますか? 何やら惑星統合連盟加盟国の1惑星国家と非加盟国が戦争危機となっているらしいですよ…」

「へぇ~」

「…興味なさそうですね…」

「そうか? 結構興味はあるのだが…」


 嘘つけ!と首相!!は内心そう思ったという…。


「…はぁ~…。まぁ勝手に話しますよ。私もさっきの喫茶店にあった新聞を見たぐらいなのではっきりしませんが、惑星統合連盟加盟国のソヴィレティア社会主義共和国連合っていう惑星国家がありましてね…。まぁソ連って言われているそうなんですが、その国と非加盟国の惑星国家の丁度中心にある衛星の領土問題がありましてね…。まあその相手国さんが最後通牒とも取れるもんを送ってきたそうなんですよ…」

「…質問だが、ソヴィエト連邦とは関係ないのだな?」

「はい、国名は似てますが全く違う社会主義国だそうです。まあ先ほど新聞記者の方の話で四条首相がため息をついていたのもこの理由ではないかと…新聞記者が言ってました」


 まあため息はつくだろう。

 フェルトワンを統括する組織国家としてこの問題も放置はできず…両国への仲裁が入ると思うが、いかんせん両国ともども往生際が悪い。

 なら半分に分けたらどうだ? と思われるが実は案外簡単な話ではない。


 フェルトワンで領土的に一番多いのはみんな大好きス連邦なのだが、この国は連邦制と連合制の両方を取り入れている。

 簡単に言うと、自治政府はあるが実際は中央連邦政府が一括管理…つまり!中央主権国家なだけ。

 本土惑星では連邦国家だが実はス連邦は異常なほど衛星惑星国が多い。その数22惑星国家。

 一番有名なのはスウェット連邦だろう。

 あの国はかの有名な皇宮財閥が個人運営している惑星であり独立国だがス連邦の属領に近い。だから正式国名も、ス連・スウェット連合共和国? だそうだ。まあ惑星を個人運営できるのもすごいのだが…。そこは…ねぇ…。

 っでそのス連邦なのだが長年ある国家と領土問題を抱えていた。

 ええっと…何て名前だったっけ…。確か、フォル ナントカ 人民共和国っていう惑星国家。

 ある惑星の領土問題でもめていたのだが、その原因が半分こにしたからである。

 隣り合っちゃったからね…。いざこざが国境警備軍の間で起こってね…。それで…まぁ…軽い戦争に…。

 惑統連が仲裁に入ったからよかったものの、下手すれば人民共和国は地図から消えていたかもしれない…。おぉ、おそロシア…


 まぁそんな過去があるので、領土でもめるなら、どちらかのものにした方がマシじゃね? という考えのもと、今のフェルトワンがある。

 取られた側から逆恨みされそうだが、惑統連の連盟憲章で満場一致で可決成立された法律でもある。なお惑統連の仲裁措置で決まらなかった場合は、惑統連が美味しくいただくのだが…。


 これはあくまで加盟国に適用されるのであって、非加盟国には関係ない。


「ふ~ん、もし戦争が始まれば、どちらが勝ちそうなの?」

「さぁ…私も専門家じゃないんでね…何とも…」


 そんな会話をしていると伍長たちはある場所へとたどり着いた。さてそこがどこかを語る前にここがどこかおさらいしておこう。

 ここはス連邦首都スウェットハーヴェン。ここには中央連邦政府各省庁や国家評議会、役所関係の施設が数多く…。

 まあ彼らが付いた場所は………ビジネスホテルだった。残念ながらビジネスホテルだった…。つまり上のおさらいは意味がなかったという…


「うぁ…」と伍長

「立派ですが…」あんぐり顔の首相!

「……」無言なヨシフ


 彼らがこんなリアクションなのは簡単な理由である。喫茶店を去る前に安いホテルはないか?と聞いたのだが、それでも立派なもんである。


「これ…高級ホテルじゃね?」

「いえ…確かにここのようですよ…」

「………」


 確かにホテル前に置かれている地図表では『ビジネスホテル〇〇〇〇』と書いてあった。

 

「なあ、私さぁこういうホテル、地球で見たことあるような気がするんだよなぁ…。某ネズ…モゴモゴモゴ…」

「伍長君! それ以上言ってはいけない!」


 伍長が急にモゴモゴ言い出したのは、別に日の丸弁当を食っている訳ではなく大人の事情に引っ掛かりそうな名前を出しそうになったので慌てて首相! が口を塞いだためである。

 何故日の丸弁当何だろうか…?


「モゴモゴ…プハァ! ちょ、首相! 何してくれてんの!?」

「全く伍長君、君という人はだね…」


 どうやら伍長は何のことだかわかっていないようである。


「伍長君…。君はねぇ……? む?」

「? どうした?」

「いや…。さっきまでここにいた閣下は?」

「えっ?」


 先ほどまでここにいたはずのヨシフおじいちゃんの姿が消えていた。

 二人は大慌てで捜索をしようとしたのだが…


「お~い! お二人さんや、こっちにこんか!」


 瞬間移動のごとくビジネスホテルのエントランスホールにいたヨシフおじいちゃん。

 

「閣下! 勝手に動かないでくださいよ!」

「いやぁ~すまんすまん。」

「爺ちゃん、ここはドイツじゃないんだから、迷ったら大変なんだよ…」


 ヨシフおじいちゃんを必死に説教する首相!と伍長。

 

「うんうん」


 おじいちゃんはそれを聞いているのかわからないがとにかく頷いていた。

 

 だが本当のことを言えば、ス連の首都であるスウェットハーヴェンは4つの地区に分けられている。高層ビルやマンションなどがある商業・金融区。ヨーロッパ風の建物が建つ居住区。そのほかの商業施設や学校などが多くある公共事業区。そして政府の各省庁などがある中央区。

 まぁ今伍長たちがいるホテルも公共事業区にあるわけで…。国営ホテルともあってこの安さ。1泊1200円前後、夜食付きで…。


 それを知った伍長はひっくり返りそうなほど驚き、こう言った。


『あほだ…。』


 と。


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