第1章2話
「弱りましてねぇ…」
惑統連中央政府首相官邸。
現在の惑統連首相である四条 経彦首相は頭を抱えてうなっていた。
コンコン
ドアがノックされ首相は、はっ!っとされる。
「首相!ス連邦大天皇帝陛下がいらっしゃってます」
「えっ?今どちらに?」
「いえ…こちらにいらっしゃいます」
「な、中へお入れしなさい!」
ドアが開き秘書官の女性の後から一人の少年?が入ってきた。何故?が付くのかは後々わかるのでもうちょっと待ってくれないか…。
「陛下、よくぞおいで下さいました…」
「いや…私が勝手に来たのだから…」
お互いの惑星国家の元首がペコペコしている状態を見た秘書官は必死に笑いをこらえ静かに部屋を退出していった。
その秘書官だが、部屋を出た瞬間に思わず何か吹き出してしまったという…。
さて、惑星統合連盟は中央政府の首相がトップであるが組織運営は各国元首が行っている。中央安全保障惑星共和委員会という組織がそれだ。その委員会の現在の委員長がス連邦
惑星と惑星との距離が何光年や何十光年と離れているので戦争が出来ないのだが、テロや紛争は起こるのでそれの鎮圧も対処するという。
「して陛下…?ですよね」
「今更!?」
皇帝陛下は大変ショックを受けた。
「いえ陛下に対しこのように言うのもなんですが、そのようなご容姿で皇帝と言われましても…」
「うぅ~言わないで!私のコンプレックスだからぁ!」
涙目でいやいや!と首を振る皇帝。
「そう言われましても…。失礼して…」
そういい首相は皇帝陛下がかぶっている制帽もとい軍帽をひょい、っと取り上げた。普通一国家元首にこんなことをやったら首が物理的に吹っ飛ぶだろう。だがそこはほら…裏から…ねっ…。
さて、お待ちかねではないと思うのだが、何故?が付いていたかである。
それは現在の大天皇帝の容姿にあった。
参考イメージとして某艦隊をコレクションするゲームの賠償艦としてソ連に渡った駆逐艦…の擬人化した姿を参考にどうぞ。
「だってさぁ、お父様が病気で私が急遽即位することになったんだもん。私は悪くない!」
何が悪いのかは知らないが、皇帝は半泣きしながら必死に訴えた。この人皇帝です!と言わなければ通に可愛い……変態じゃねぇか!………ってなんだ!?何だねちみは!
「警察です。ご同行をお願いします」
うわぁ!離せぇ!
「ってことがあってなぁ…」
「お…おう」
新聞記者の男は喫茶店で伍長たちと話していた。
何があったかというと、どうやら伍長たちが入った喫茶店で情報収集しようとしていたところ、偶然彼と出会い話をしていたそうだ
「ってかよく生きて帰れましたね…」
マスターが苦笑いを浮かべている。
「うんまぁ、さすがに捕まった時はどうなるかと…」
「あんたよく脱走で来たな…」
改めて目の前の新聞記者の過去に驚愕する伍長。
ついでだが、警察に捕まったものが日を浴びることは無いといわれているらしい…。何それ怖い…
「んで何だったけ?」
「いや…私らは別のところから来たのだがここが今どこか迷ってしまってな…」
これは嘘だ。
まず彼らは今ここがどこかというより、この世界はどこなのかすらわからない。
「マスター!地図ないか?」
「えっと……あった!これだ」
マスターは店奥から地図を持ってきた。いたって普通の地図である。どこが違うかと言えば裏に宇宙銀河の惑星国家単位で写っていることだろう………全然普通じゃねぇ!
「ええっとほらここ、」
そういい新聞記者は惑星国家が写っている裏面なのか?まぁ裏面の一つの大きな惑星を指さす。
「この惑星が今僕らがいるス連邦。正式国名不明…」少し言葉を濁した。
「正式国名不明じゃと?」ヨシフは怪訝な顔をする。
「ええ、私は長年ス連の歴史を追ってきましたが、どうもこの惑星は謎が多いんですよねぇ~」
「へぇ…」首相!は何やら考え込んでいる。何かは知らん
「まぁ話は戻しますが今いるのが丁度首都の………この公園ですね」
「なるほど…。ちょっとすみません」
伍長はの残りの2名を寂しいほど誰もいない喫茶店の奥の方で何やらひと塊に集まった。
まるで運動会の最後の組体操をやる直前の子供たちがやる円陣のようだ…。
……分かる人っているのかな?…いたら一緒に美味いコーラが飲めそうだ。誰となんだ?
なおヨシフのおじいちゃんは杖が必要な体なので、円陣といってもおじいちゃんは椅子に座っていてだが…
「どうすんの?これから…。」っと小声の伍長。
「どうって…」言葉を詰まらせる首相!
「儂はとにかくどこかに住みたい…」と寝ぼけているのか本気なのかわからないヨシフおじいちゃん。
っと、
「あの!どうかされましたか?」
「あはは、いえ何でもないです。はい……」
「そうですか?ってもうこんな時間か!すいません、僕はもう行きましねっておっと忘れるところだった」
そういい新聞記者は胸ポケットから一つの白い紙きれを取り出した。それを世間では名刺という。
「毎連新聞の山崎 光一と申します。何かあればぜひ」
新聞記者山崎はそういうと500円玉を机に置き喫茶店を去っていった。
なお毎連新聞は実に保守的な新聞で、そっちよりの人達からは大変好かれるような新聞だという。反対に朝賀新聞という左寄りの新聞もス連に存在するが関係はない。じゃあなぜ話した…
さて、新聞記者が店を去ってから伍長たちは一人ずつお代わりをし何故か財布に入っていた700円をマスターに渡し同じく店を去っていった。
さてさて、そんな彼らの行動をモニターで逐一観察している男たちがいた。
「パブロフ常務委員。閣下がお呼びです」
「わかった」
パブロフ常務委員と呼ばれた男はそのまま部屋を出ていった。
(しかし、閣下が私を呼ぶだと…?)
彼は頭を右に約45度に一定に保ちながら考えていた。
「っておおおお!」慌てるパブロフ
考え込みすぎていつの間にか総統閣下執務室を通り過ぎていたパブロフ。
「し、失礼します!総統閣下、パブロフです」
そういい中へと入っていく。
「閣下何か御用でしょうか?」
「…パブロフ君、戦争が始まるかもしれん…。」
「はっ!?」
総統の衝撃発言に頭の処理が追いつくことが出来ないパブロフ。
「どどど、どういうことですか!?」
「落ち着きなさい。パブロフ君、我が国と惑星領土問題でもめている非加盟国のヴォ共和国の国軍の動きが活発らしい。そして先ほど最後通牒とも思える文章が届いた。もう戦争かもしれん…」
「…………」
「そこでだ。彼らの監視を終了しなさい。そんな暇はない」
「わかりました…。お望みならば…」
彼らの監視はこれで終わった。