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Manipulated Intelligence Agent ~皇帝によって操られた諜報員たち……~  作者: 11月 ミツシ
第1章、【伍長閣下たちの目覚めから】
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第1章1話

 地球から遠く離れた惑星群フェルトワン。その惑星群で飛び切りでかい惑星、その名もス連。

 そのス連の首都、スウェットハーヴェンの小さな公園に一人の男が眠っていた。


「むにゃむにゃ…………もう爆発しないよぉ………」


 何やら恐ろしいことを寝言で言っている彼のあだ名は、伍長。

 もともと祖父の影響もあってドイツ陸軍に入隊し伍長の階級まで上り詰めた彼は、退役を気に政界へと入り、政治家として活躍していた…。そんな経歴を持つ彼だが…


「はっ!」


 どうやら長い長い眠りから目を覚ましたようだ。


「…?どこだここ?」


 まだはっきりしない意識の中で彼はあたりを見渡す。

 その伍長をこれまた怪訝そうな顔で見ている人が多い。そりゃそうだ、寝言で爆発なんて凶悪なことを言っているのだから…


「ええっと…、マジでどこだ?」


 前述のとおり、惑星の一つス連邦の首都にある公園ですよ!

 まぁ、伍長は寝ぼけた顔で近くに座っていた老人に声をかけた。


「いい日ですねぇ~どこ出身ですかぁ~」


 伍長はどうも寝起きがとことん悪いらしく、寝ぼけて家を出ていこうとしたほどだ。

 だが、声を掛けられた老人は


「はぁ…」


 と深いため息をついてこういった。


「あのなぁ、アドルフ。アドレフそんな寝起きでよく政治家になれたな」

「げっ!じいちゃん!」

「げっ!とは何だ!祖父に対し失礼ではないか!」


 ぼっけぼけの伍長にカツと説教を入れたのは、彼の祖父、あだ名ヨシフおじいちゃん。

 昔はどうだの、今の若いものはどうだのと伍長は肩をすくめながら聞いていた。なんか10㎝程小さくなったような気もするが…。


「はぁ…。まぁいい。っでアドルフ、ここはどこなのだ?」

「いや、知らんのかい!」


 まるで漫才コンビのようなやり取りだな…。そう公園にいる人たちは思ったという。


「儂だって今気が付いたんだぞ。」

「そう言われてもなぁ…」


 頭をポリポリかいて迷った伍長は、ここがどこなのかを知るために…、なんか…、その…、隣のベンチで紅茶を飲んでいる人に事情を話し聞いてみることにした。


「あのぉ…、すみません。ここはどこなのでしょうか?」

「ここか?さぁどこだろうね…。君名前は?」

「アドルフですが…」

「アドルフ!?アドルフ、アドルフ…。」


 何やらブツブツ独り言を言いながら腕を組み考える人。ずっとアドルフ、アドルフて言ってて伍長は、

『何だこのおじさん!怖!』って思ったらしく、そのせいか落ち着きが少々なかった。


「君!もしや、アドルフ・アルベルト君か?」

「はいそうですが…。」

「おお!やっぱり!私だよ私!」

「いや…私私詐欺は流行らないよ思うんですが…」

「ちげぇよ!私だよ!首相!だよ」

「えっ?あっ!しゅ、首相!?」


 首相と呼ばれた男と伍長はどうやら知り合いだそうだ。二人とも懐かしむようにはしゃいでいた。


「いやぁ、久な。最後にあったときはあれか?イギリスでか?」

「そうですねぇ~。いやぁ、懐かしいものですねぇ…! 痛!」


 殴られた伍長。何があったかわからない首相。杖を逆さに持つおじいちゃん。これを見た人からは…『事件だ、事件が起きてる!…』っと、あわや傷害事件になりそうになったほどであった。


「アドルフ!何をのんきに話しているんだ!」

「痛てててててて…。爺ちゃん!酷い!」


 涙目になりながら必死に痛さを訴える伍長に対し、ヨシフおじいちゃんはどうやら激おこぷんぷん丸の介のようである。


「酷くないだろう…。むっ?お主…もしや、チャーチムか?」

「えっ?閣下?!」

「えっ?なに?知り合いなの?」

「ん、ああ。アフリカ戦線でな…何度か戦ったことがある」

「マジ?!」

「いやぁ…閣下の戦術、あれは怖かったですね。何度死にかけたことか…」


 どうやらこの二人も知り合いのようである。

 それを聞いた伍長は、まじでぇ?って驚愕したそうな…

 

「あの…ここでもなんですし、喫茶店でも行きませんか?」

「あるのか?喫茶店が?」

「ええ、ほら公園の出入り口の先に…」


 首相が指さした方に確かに喫茶店があった。 

 

「じゃ、情報収集も兼ねて喫茶店へ行きますかな」


 おじいちゃんが早速喫茶店の方へ歩き始めたので、伍長は急いでその後を追う。

 首相は…なんかかたずけているけど、まぁこっちはどうでもいいか。よくないな…



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