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アンゲルとエレノア  作者: 水島素良
第六章

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6-16 アンゲル 過労で倒れる

 アンゲルは、疲労が極限に達して、タフサのところで倒れてしまった。

 目を覚ますと、タフサがすまなさそうな顔で、ベッドの横に立っていた。

「アルバイトまでしているとは知らなかったよ……無理しないで、まず大学に入れるように、学校の勉強に専念するべきだな」

 がっくりと落ち込むアンゲルに、タフサは優しい声でこう言った。

「夏と冬に長期休暇があるだろう?どうせその間も私は仕事をしてるんだから、休暇に来ればいいじゃないか。若いうちに言っておくが、体をこわしたら、他人の悩みなんて聞いていられないぞ」

 帰り道。がっくりと肩を落としながら歩くアンゲル。しかも、寮にたどり着く前に、あのフランシスに遭遇してしまった。

「あら、どうしたの、死人みたいな顔をして」

 フランシスはいつでも、どこでも、容赦がない。

「ほっといてくれ」

「エレノアが来週ステージに出るの。伴奏はまたクーよ。来なさいよ!」

 後ろから叫び声がした。

 もうどうでもいいよそんなの。

 そう思いながら寮に帰るが、部屋には誰もいない。エブニーザの部屋もヘイゼルの部屋も、からっぽだ。

 日付が変わる時刻になっても、二人とも帰って来ない。

 心配になったアンゲルは、外に探しに行ったが、どこにも二人の姿はなかった。

 あきらめて部屋に戻り、ソファーに横になるが、眠れない。

 ヘイゼルめ、またエブニーザを変な所に連れ回してるな……。まさか娼館に行ったんじゃないだろうな?妄想の女を探しに……。

 アンゲルは、クーの部屋で見たヌード写真を思い出し『うわああ!だめだ』と叫んで毛布にもぐりこむ。目がさえてしまって、全く眠れない。



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