初めて
掲載日:2017/04/10
初めて
ある日、初めて、ぐうぜんに
君の指先が・・・・
かすかに僕の指先に触れた
ほんの一瞬のことだった
それは君の囁く声よりももっとかすかに
それはそよ風が君の長い髪を梳いていくときよりももっと優しく
僕の指先は君の指に絡まれることを望んでいた
それは坂のある海の見える町だった
遠くに光る青い海がまぶしく
同じように青い空にはススキのような雲が
夏が去ったことを伝えていた
嬉しいようで悲しいようで
僕の指先は君の指に絡まれることを望んでいた
太陽が僕の頭を焦がした
僕の肩にも陽はじりじりと容赦なく照りつけた
けれども・・・
指先だけが氷のようにつめたくて
僕は君の隣につららのように立っていた




