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私だけの
「ねえ」
君が呼ぶ。
「ねえ、あなた」
君が、私を呼ぶ。
私だけに向けた優しい声で、美しい声で、愛おしむような声で、透き通った蒼い命の泉のような慈愛に満ちたその声で、私を呼ぶ。
私だけに。
私だけを見て。
「ああ、どうしたんだい?」
私がそう答えると、君は嬉しそうに笑うのだ。
「ふふ、呼んでみただけよ」
悪戯な少女のように笑って、愛しい人に思いを伝えた乙女のように頬を薔薇色に染めて、幸せを噛み締め美しい未来を夢見る花嫁のように瞳を輝かせて、
ああ、私だけの君がそこにいる。
それだけで私は、
幸せなのだ。




