第17話 憤怒襲撃
今回はフレイズ視点です。
※微グロ注意。ダメな方は読み飛ばしてください。
今日、私は会議に出席するために王城へと足を運んでいた。
最近、エノレコートの連中が不穏な動きをしているらしく、議会はその対応に追われているらしい。
なかなかまとまらない意見に辟易としながらも、話半分に議長の大声を聞いていた、そのときだった。
「……むっ?」
城全体が揺れたかと錯覚するほどの轟音。
それに数秒遅れて、何人もの人々の叫び声が聞こえてきた。
争いの気配だ。
「なっ、なんだ、今の音は」
私はもちろん、会議室にいるほかの貴族たちも、何が起こっているのか把握できていない。
王城でこんな音がしたということは、あまり歓迎すべきではない事態が起こっているということだろう。
「落ち着きましょうみなさん。そんなに慌てずとも、すぐに伝令が来るでしょう」
そして私の言葉通り、すぐに伝令の男がやってきた。
伝令の男は、私の顔を見ると安堵の表情を浮かべ、
「おお、よかった! ガベルブック殿がいれば……!」
「何があったのです? この騒ぎはいったい……?」
「それがッ……」
よほど言いにくいことなのか、衛兵の男が口ごもる。
「……『憤怒』を名乗る女が、王城に攻撃を仕掛けてきています」
「なんだと!?」
目の前の男が言った言葉を咀嚼するのに、わずかに時間を要した。
『憤怒』が王城に?
なぜだ?
いや、自然災害が来るのに理由を求めても仕方がないということはわかっている。
だが、それでもそう思わずにはいられなかった。
「『憤怒』を名乗る女は、クレア様の身を要求しています。要求が通らなければ……代わりに我々全員を拘束すると」
「……拘束する? 殺すの間違いではないのか?」
「いえ、確かに拘束すると……。どちらにせよ、『憤怒』の要求を飲むことはできませんが」
「当たり前だ。私たちの安全と引き換えにクレア様を差し出すなど、貴族の風上にも置けん」
それだけわかっていれば話は早い。
『憤怒』の力は未知数だが、今、この国には『精霊級』のアミラ様がいる。
「私が出よう。お前たちはアミラ様を呼んできてくれ」
「わ、わかりました! 現在『憤怒』は、城門付近で交戦中です!」
「城門か、わかった」
「私も出ます。『憤怒』は許容できない」
「俺も行く」
私と伝令がそんな話をしている間に、『憤怒』の撃退に協力すると申し出る貴族たちが名乗りを上げていた。
ここにいる者たちは、全員が上級以上の魔術を扱える。
十分に戦力になることだろう。
王城が襲われた以上、『憤怒』の討伐に難色を示していたアミラ様も出てこざるを得ないだろう。
アミラ様がいれば、おそらく『憤怒』を撃退できる。
私にできるのは、アミラ様が来るまでの時間を稼ぐことだけだ。
……何らかの理由によりアミラ様が来られない場合は、ここが私の死に場所となるだろう。
ぼんやりとそんなことを考えながらも、私たちは城門へと向かった。
「……どうやら、第一陣は逃走したようですね」
城門にたどり着き、付近の気配を探っていた貴族の一人がそんな声を上げる。
ここで戦っていたはずの人間たちの姿がどこにもない。
『憤怒』に恐れをなして逃げてしまったのだろうか。
「全員『憤怒』に殺されたという可能性は?」
「それにしては、血や死体がないのが気になるな」
そう。
伝説の魔術師『憤怒』との戦闘で、ただの衛兵が死なないはずがないのだが、その痕跡がない。
ここまで何も無いと、衛兵から誤った情報を伝えられたのではないかという疑念も生まれてくる。
「おい、これ血痕じゃないのか?」
貴族の一人が指さしたところにあったのは、一部が茶色に染まった壁だった。
たしかに、そこだけ色が違う。
だが、それだけではここで戦闘があったとは断言できない。
「……とりあえず、付近の捜索に当たりましょう。もしかしたら、誰か見つかるかもしれませんし」
「そうですね、それがいいでしょう。早く見つけてあげないと、人間をやめることになりかねませんからね」
「……ん?」
今、たしかに女の声がした。
私たちの中に、女はいないはずだが。
……まさか。
「逃げろ!!」
完全に意識の外で、私は回避行動をとっていた。
どこからか粘つくような悪意を感じる。
その元を辿るために、私は気配を探った。
そうだ、他の者たちは……?
「あ……あぁ……」
貴族のうちの一人が、その場で尻餅をついてしまっている。
その視線の先にあるものを追って、私も硬直した。
――――触手。
赤黒い色をした何十本もの触手が、何かに群がっている。
いや、何かに、じゃない。
あれは、人間だ。
ついさっきまで、私たちと行動を共にしていた貴族のうちの一人だ。
「たっ、助け、助けてくれっ!!! こいつら、中に入っ……あ゛ああああああああああ!!!」
直後、獣のような叫び声が木霊した。
それは、今まさに命を刈り取られんとするものだけが発する悲鳴だ。
悲鳴の原因はすぐにわかった。
男の腹部が弾けていた。
体内で暴れまわる触手のせいで、行き場をなくしたピンク色の臓物が大量に地面にぶち撒けられる。
腸もねじ切れたのか、排泄物と腐肉が入り交じったような悪臭が、こちらまで漂ってきた。
おびただしい量の出血。
間違いなく致命傷だ。
白目を剥いて、口から血の泡を吐き出す男。
その腹部から、数本の触手が突き出ていた。
男の腹からはみ出た触手が、血にまみれてさらに深い赤色に染まりながらも、うねうねと蠢いている。
それはどこか、愛嬌すら感じさせる動きだった。
やがてそれにも飽きたのか、触手たちが男の身体の中へと戻っていく。
ぐちゅぐちゅと淫猥な音を立てながら、愛撫するように優しく、淫らに男の中を犯していく触手。
そして最悪なことに、男にはまだ意識があった。
「っーー!!」
自分の身体が侵される感触に絶叫を上げる男を救う術は、私たちにはない。
いや、それはもはや絶叫ですらなかった。
もう、ただ口から血の泡と僅かな音を漏らすことでしか自らの苦痛を表現することができなくなった、人間のなれの果て。
そして、ピタリと悲鳴が止んだ。
辺りには、触手たちが血と肉を貪り食う咀嚼音だけが響いている。
それはまさしく、捕食の光景。
触手の先端が口のように開き、人間だったものを啜る様を見せつけられていた。
その場に縫い付けられたかのように、誰も、一歩も動けない。
中には、目の前の光景に耐えきれずに、涙を浮かべながら腰を抜かしている者もいる。
そして私は、不意に気付いた。
今まさに食われている男の後ろ。
触手はその後ろから伸びているということに。
「こんにちは、みなさん。とても気持ちのいい昼下がりですね」
この惨劇を生み出した張本人。
そいつはそこにいた。
それがまるで、当たり前のことであるかのように。
赤い服の女だ。
老婆かと未間違えるほど腰が曲がっており、黒い髪は異常なほど長く、その髪と服の先端部分は地面に擦れて薄汚れていた。
顔色は悪く、ぎょろりとした双眸が長い前髪の間から覗いている。
そして、そいつも今殺された男と同じように、腹部から触手を生やしていた。
だが、男とは決定的に違うところがある。
「ああ、とても美しいです」
それは、その女が柔らかな微笑を浮かべているということ。
まるで目の前のそれが何物にも変えがたい貴重で美しいものであるかのように、触手に蹂躙され尽くしぐちゃぐちゃになった男の亡骸を見て、穏やかな顔をしている。
「目の前の困難に、正面から立ち向かっていくその姿勢。たとえその結果が他人から見て失敗と呼ぶしかないものだったとしても、ワタシは彼を軽蔑したりしません。皆さんも、盛大な拍手をもって彼のことを見送ろうではありませんか」
そう言うと、悪魔はパチパチと手を叩き始めた。
それは暖かな拍手だった。
心の底から、目の前に転がっている肉塊に「お疲れ様でした」とでも言っているかのような、そんな拍手だった。
思考回路がおかしい。
普通の人間の考え方ではない。
「……貴様が、『憤怒』だな?」
今更問うまでもない。
こいつの言動は、気配は、常軌を逸している。
「いかにも。私は『憤怒』の魔術師、カミーユと申します。以後お見知りおきを」
存外丁寧なお辞儀をして、『憤怒』――カミーユが私たちに微笑みかけた。
「ここにいた皆さんはワタシの知りたいことを知らなかったので、あなたたちには期待しているんですよ」
――いた。
それはつまり、目の前のこいつが、ここで他の人間と接触したということ。
そして、おそらく……。
「この中に、クレアちゃんがどこにいるのか知っている方はいらっしゃいませんか?」
「……貴様に答える義理はない」
やはり、クレア様の情報を聞いてきたか。
クレア様は今、ディムール王立魔法学院で授業を受けているだろうが、絶対にそれを口に出すつもりはない。
「なるほど。クレアちゃんは、この時間はディムール王立魔法学院のほうで勉学に励んでいるのですね。勤勉であるというのは何事にも代えがたい美徳だと、ワタシも思いますよ」
「なっ……!?」
私は戦慄した。
なぜこいつが、クレア様の居場所を知っているのか。
「あなたたちの知っていることは、ワタシも知っていること。そういうものなのですよ」
歌うように、怪物が囁く。
まるで意味がわからない。
目の前の化物は、相手の知っていることを、自分も知ることができるとでもいうのか?
「さて、クレアちゃんの居場所がわかった以上、もう皆さんにはあまり用がないのですが……ここで出会ったのも何かの縁。少しいただいていきましょうか」
そうして、カミーユは私たちに目を向けた。
捕食者の目を。
「――っ!! 逃げろ!!」
狙われているのは、腰を抜かしてその場にうずくまっている貴族の男だ。
新鮮な肉を求めて、カミーユの腹から突き出た触手がうねる。
「ひっ……」
そのあまりにおぞましさ光景に、男はうまく立ち上がることができない。
「何をしてるっ!? 早く逃げろ!!」
男は這って逃げようとするが、そんな速度で触手から逃れられるはずがなかった。
俊敏な動きを見せる触手は、すぐに男の元へとたどり着き――、
「クソっ! 我が名の元へ集え、『風精霊』!! 『風の刃』!!」
これ以上犠牲者を増やしてはいけない。
その思いだけを胸に、風属性の中級魔術『風の刃』を放った。
男を襲わんとしていた触手は切断され、男は間一髪のところで難をのがれる。
「――本当に、素晴らしいですね」
カミーユの感嘆したような声。
それに怖気を走らせながらも、耳を傾ける。
「そう、そうです。あなたは素晴らしい! 仲間のことを想い、仲間を救うために自分の持つあらん限りの力を尽くす、その意志のなんと尊く素晴らしいことでしょうか。助け合い、励まし合いながら目の前の困難に立ち向かっていく。その姿勢に、ワタシは畏敬の意を覚えます。なので――」
カミーユの身体が仰け反るように不自然に折れ曲がる。
「もう少しだけ、頑張ってくださいね?」
次の瞬間、カミーユの腹部が爆発した。
いや、違う。
あれは触手だ。
大量の触手がカミーユの腹部で膨れあがり、それがこちらに迫ってきているのだ。
「これを乗り越えれば、きっとあなたたちはより強い絆で結ばれることでしょう。ずっと遠い未来で、あなたたちが今日の出来事を思い出して、それを笑いながら話せる日が来ることをワタシも願っています」
カミーユの腹部から生え出る触手の量は、先程までとは比べ物にならない。
圧倒的な物量と俊敏さで、次々に貴族たちを捕らえていく。
それは、先ほど触手に捕らえられていた男も例外ではなかった。
「あなたたちは、先ほどお仲間が目の前の困難に立ち向かっているのを見て、こう思いましたね? ――『自分じゃなくてよかった』と」
捕らえた者たちに向かって語りかけるように、カミーユは慈愛に満ちた声で囁く。
「大丈夫ですよ。ワタシはこう見えてもみなさんに平等ですから。人間にはね、等しくチャンスが与えられるべきだと思うんです。現実では、多くの場合一部の人にしかチャンスは与えられません。だから、せめてワタシはできる限り平等であろうと思っているんですよ」
優しげな表情で意味不明な理論を振りかざし、先ほどの凶行を全員に対して行うことを宣言するカミーユ。
そしてその言葉通り、
「なっ、なんで魔術が……! たっ、助けてっ、助けてください!」
助けを求めていた男が口から触手を生やし、そのまま動かなくなる。
「死にたくない、死にたくない、死にたくないっ……ぁぁあああああ!!」
必死に叫びながら死を拒絶していた男が、生きながら触手に体内をまさぐられていた。
その身の毛のよだつ感触に絶叫を上げる。
その男も、数秒もしないうちに動かなくなった。
そして、先ほど捕らえられていた男も。
「たっ、頼む、見逃してくれ! 家族が、家族がいるんだ! 子供も生まれたばかりで……」
そんな事情を、触手が汲み取ってくれるはずもない。
男の必死の懇願もむなしく、男の口内に触手が入り込み、外側に向かって頭蓋骨を貫通する。
地面に大量の脳漿をぶち撒けながら、司令塔を失った男の身体が崩れ落ちた。
「死にたくないのは皆一緒です。それを自分だけ特別扱いしてもらおうだなんて、おこがましいにも限度があるというもの。目の前にある困難に正面から立ち向かわない。そんな人は、ワタシは軽蔑します。あなたは、この世界で生きるに値しない」
冷めた目つきで、死んだ男を見下ろすカミーユ。
その瞳には、たしかに侮蔑の色が見て取れた。
「はぁっ、はあっ、はあっ……」
私はなんとかすべての触手を捌ききることができていたが、魔術を乱用したせいか既に疲労は限界に達している。
正直もう、いつ倒れてもおかしくない。
「目の前の困難に背を向けて逃げるなんて、貴族の風上にも置けない奴だと、そう思いませんか? 毅然とした態度で、どんな困難に対しても立ち向かっていく。そんな人が、ワタシは好きです」
「……クソっ」
気付いたときには、地面に立っているのは私一人だけになっていた。
意味がわからない。
『憤怒』の足止めをするためにここに来たのは、いずれも上級以上の魔術を使用することができる、武闘派の強力な魔術師ばかりだ。
それがここまであっさりと蹂躙されている理由は、今ここにいる精霊たちがまともに指示を聞いてくれないからに他ならない。
さっき私が放った『風の刃』も、本来なら触手を両断するだけでなく、カミーユのところまで刃が届いていたはずなのだ。
それに、魔力の消費量も異常に多くなっている気がする。
なぜだ? なぜ、こんなことに……。
「精霊たちに見捨てられたのが、そんなに信じられませんか?」
「なに?」
「ここにいる精霊たちのほとんどが、ワタシに味方してくれています。だからあなたたちは、まともに魔術が使えないのですよ」
「……!!」
たしかに、魔術は正しい詠唱と必要な魔力、それにその属性に対応した精霊がいなければ発動しない。
つまり、精霊の協力なしには魔術は絶対に発動しないのだ。
だが、精霊とはただの人間がどうこうできる存在ではない。
もし可能性があるとするならば――、
「貴様は、『憤怒』は、精霊を操ることができるのか……?」
「ワタシに精霊を操る力があるのではなく、『精霊級』にそういった力があるのですよ。……まあ、本物の『精霊級』なら、あなたの魔術の発動すら許さなかったことでしょう。今のワタシは紛い物ですから、そこまで強い力はありません」
紛い物とは、どういうことなのだろうか。
目の前の怪物は「さて」と話を切り上げて、
「もうそろそろあなたの時間稼ぎに付き合うのも飽きてきたので、殺しますね」
「――――」
バレている。
こちらの策も、狙いも、なにもかも。
私は死ぬのか。
周りに転がっている肉塊たちのように、およそ人間の尊厳とかけ離れた姿を晒しながら、私は殺されるのか。
ヘレナのことが脳裏を過ぎる。
私が、生涯で唯一愛した女性。
種族が違っても、私のことを受け入れてくれた大切な女性。
私がいなくなっても、やっていけるだろうか。
心配だが、ヘレナは強い女性だ。
なんとかしてくれることを祈るしかない。
ラルは一人でも心配ない気がするのが不思議だ。
あいつなら、私がいなくてもどこででもやっていけるだろう。
ラルの成長が見られなくなったのは残念だが、もう、どうしようもない。
「やはり、あなたはいいですね」
そんな私から何かを感じたのか、カミーユが微笑む。
「今のあなたからは、愛を感じました。自分の妻への愛、息子への愛……自分のことではなく、自分の大切な人のことを想うその感情はとても美しいです」
「……貴様のような化物に、私の愛を語ってほしくはないな」
「あらひどい。ワタシだって人間ですよ?」
人間? こいつが?
腹部から無数の触手を生やすような奴が人間とは、何の冗談なのだろうか。
「それでは」
カミーユはゆっくりとこちらに近づき、触手で私の手足を拘束した。
「くっ……!」
「大丈夫ですよ。痛いのは一瞬だけですからね」
私を安心させるように、カミーユが笑う。
それは他でもない、私への死刑宣告だ。
もうダメだ。ここで終わる。
せめてヘレナとラルは無事であるように、と祈ることしかできない。
「――ヘレナ」
最期の瞬間に口から出たのは、私がこの世界で唯一愛した女性の名前だった。
「――そこまでじゃ、小娘」
幼い、しかしどこか重みを感じさせる声が耳に届いた。
「――ッ!!」
私の手足を拘束していた触手が何かによって切断され、気色の悪い音を立てながら地面に落ちる。
「父様っ!!」
「ラル!?」
私の目の前に、ラルがいた。
「大丈夫ですか父様! お怪我はありませんか!?」
「あ、ああ……大丈夫だ」
……これは、私の目の錯覚だろうか。
そんな都合のいい現実があるはずがないのに、私は、目の前にある光景が虚実のものだとは思いたくなかった。
「待たせたな小僧。『憤怒』を相手によく一人で持ちこたえた」
そして、ラルのほかにももう一人。
黄金の如き輝きを見せる金髪に、青空のような深い蒼色の瞳。
漆黒のドレスは汚れ一つなく、清純なまま幾年もの年月を重ねたものであることを実感させた。
「アミラ、様……?」
「これはこれは、無粋な人たちですね。せっかくワタシがフレイズさんとお話していたのに、それをこんな形で邪魔するだなんて、とても人間のすることとは思えません。謝罪を要求します」
「どの口でほざいておる。ここにある死体、すべてそなたが作ったものであろうに。とても人間のすることとは思えんわ」
意味不明な主張をする『憤怒』に、全くの正論で返すアミラ様。
そして、獰猛とも取れるような笑みを浮かべて、
「まあよい。さぁ、今度はワシが相手になってやろう、『憤怒』よ」




