少女達の片思い3*それでも君がすきー*
初めて貴方と出会い、恋に落ちた瞬間、報われない恋だと分かった事は今でも覚えている。
そんな中学生時代も終わり私と貴方は同じ高校に進みそして、同じクラスになった。それからはあまり関わらないようにしていた。そんな日雨が降る帰り道ー。
途中で雨が降り傘を忘れた私は近くの古本屋で雨宿りをする事にした。こんな所に古本屋があったのは私は知らなくてせっかくの機会だから本を読もうと本を選ぶ。奥の方に行くと貴方がいた…。
「あ…」
貴方は私に気がついた。
「もしかして…雨宿り?」
「あ…うん、そうだよ」
昔の好きな人だから恥ずかしくなり私はうつむいた。あまり会話をしなかったのは好きな人とそれから別の理由。貴方は悪戯をしたかのような笑みをし「俺も雨がひどくなってきたからここで雨宿り」と言った。
それからは少しだけ会話をし、本を読む。途中から私の心はドキドキしていた。忘れようとしていたはずの『恋心』が動き始めようとしていた。
ーでも、これが叶う事がないことを知っていた…。
貴方は想う人がいたから。
「もう暗いし送るよ」
気がつくと雨はまだ降っていたが激しさはなくなり、空は暗い。
「だ、大丈夫!ほらなんか…か…彼女さんに悪いし…さ?」
そういうと貴方は儚げに笑う。
「別れた…」
そう言った貴方の顔は後悔や悲しみで歪んでいた。
「だから遠慮しなくていいよ?」
それからお店の人と知り合いらしくて傘を借りていた。貴方は「入って」と言い傘に入れてくれた。
"私の初めての相合い傘は貴方でよかった"
終わったはずの恋心はまた…動き出す。