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らいと☆ふぁんたじー  作者: 神城 奏翔
旧らいと☆ふぁんたじー
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第2話 光の始まりは突然に…… part 2




「はぁ……、疲れた」

 転校生の爆弾発言のせいで、名も知らないというか覚える必要性すらなかったクラスメイト達の質問という名の尋問を受けていた。

 尋問で受けた疲れを取るべく、屋上で寛いでいた。

 ……クラスの3分の1。

 たったそれだけの人から尋問されただけ、とはいえ相手が多すぎるとこちらが疲れるというのはあたりまえの事柄だ。ちなみに俺を尋問してきたのはいかにもモテなさそうな冴えない男ばっかりだった。クラスでカッコイイ男共は、こんなことに興味はないのか別のクラスに遊びに行ったりしていた。そして女子達もこちらに興味はないのだろう、転校生の方へと向かっていった。

「……というか、俺が主ってどういうことだよ」

 少女が口にしていた言葉。

(俺は、あいつと会ったことすらない。なので、俺が主だと言われても意味がわからない)

「どういうことだと言われましても、言葉通りの意味ですが……?」

「……だから、その言葉通りの意味がわからないんだよ」

 屋上に来ることが出来る唯一の扉の方角から、今日会ったばかりの転校生の声が聞こえる。その声に対して、振り返ることなく反論を口にする。

「俺とお前は、さっき初めてあったばかりだ。俺を主とする理由がない」

「いえ、理由ならありますよ」

 扉のところにいる転校生にきっぱりと関係ない。と、宣言しようと思ったのだが、転校生は、理由があると言った。

 今までに会ったことのない俺を主とする理由が――。



「……なら、聞かせてもらおうか」

「それは……」

 少女が口を開くと同時に、“この世界に異変が起こった”。

 元気に羽ばたいていた鳥達は姿を消し、雲や太陽までが動きを止める。

「っ!?」

(こんなところで、停止結界だと……)

 停止結界……それは、魔法を嗜んでいる人なら誰でも使える初歩的な魔法。結界のなかでは、魔法に関わりのある人以外の人は入れないという利点がある。当初は魔法を人々に見つからないようにするために使っていたのだが、今では戦闘に応用している。

 初心者レベルなら半径10メートルぐらいしか出来ないのだが、それを高めると途轍もない範囲を囲むことが出来る。範囲が広いと、結界を張った人がどこにいるのかわかりにくいということで重宝されている魔法の一つ。

「……もう、動き出したか」

「おい、転校生。動き出したって、どういうことだ?」

 口調からして事情を知っているであろう少女に聞き出す。

「すみません、説明は後でさせていただきます。ですが、今はお逃げください」

「ちょっと、何言ってくれてんの。アタシとしては、ターゲットに逃げられるのは不本意 突如、屋上に響いた女の声。なんだけど」


 声が聞こえた途端、少女の表情が急激に変わった。

 教室で話してたような優しい言葉遣いをする少女と、同一人物とは思えない程、力強い眼力を持ち、声の発信源らしき場所を睨みつける。

「……そんなの知りませんよ。私は御影様を害する者達の削除が仕事ですので」

「ふんっ、やっぱりアンタは面白くないわね」

 声を発していた女が姿を現す。

 転校生と同じくらいの体格、頭に猫のヘアピンをつけているのが特徴の女の子がいた。

(あの制服……)

 転校生に話しかけてきた少女の着ている制服には、あまり詳しくないが見覚えはあった。

 自分を主と呼ぶ少女の通っていた前の学校――“紅帝学園”指定の制服だ。

「……アンタ、【夢幻光源(インフィニティーライト)】を護り抜くつもりなの?」

「ええ、それが私に課された使命ですから」

「夢幻光源……?」

 聞き覚えのない単語が出てきたことにより、頭のなかが混乱する。

 夢幻光源って、なんなんだよ……。

「夢幻光源ってのは、紅帝学園がアンタにつけた渾名さ。夢幻光源の意味は、アンタが一番、よくわかってるよね? まぁ、とにかく紅帝学園は、アンタを欲してるってわけさ。アンタが持ってる“光を自在に操る力”がね」

 紅帝学園に通っている女の言葉を聞いて、俺は恐怖に震える。

 敵が怖いとか、戦うのが嫌だとかそういう理由ではない。

 ただ……。



「……なんで、誰にも言っていない能力をお前が知っているんだよ!!」





今日中にもう一本、行きましょうか♪

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