第15.5話 幕間 東門の戦い
――シルヴィアが会敵する少し前。
「おう、ここだ! ここにはめ込んでくれ!」
壊れた城壁前、何人もの騎士が鉄の板を運び込む。
この高さ3m程、厚さ3cmの鉄の板を何層かに重ねて城壁を塞ぐつもりだ。
「うむ、いい感じではないか! むしろ以前より良くなっている! 引き続き頼むぞ、キーファ」
「了解!」
騎士団長ファルシスが満足げに頷き、別の作業へと向かう。
最終的に5枚の板で塞いだ壁は以前よりも強固なものになっている。
「あ、あのぉっ! 隊長! 質問いいですかっ?」
「ん? おう、何だ?」
若い騎士団員がキーファに質問を投げかける。
「何故……この城壁は長い間放置されてきたのですか? 今のように応急処置などすぐにできたのでは……?」
「そりゃお前……って、お前新人か?」
「はいっ! 先日入団しました!」
自分が失ってしまった輝きを持つ青年を直視できず、目線を逸らしながら答えるキーファ。
「だったら、その答えはこの戦いが終わったら教えてやんよ」
「え? はぁ……」
すぐに教えてくれればいいのにと思う新人騎士。
安全面で致命的な欠陥をそのままにしていただけでなく、こうしてすぐに塞ぐ準備もしていたという矛盾。
「気になるか? 気になるよな。だったら、生きろ」
「……」
「新人騎士は最初の任務で命を落とすことが少なくない。だから、何が何でも生きろ。そして……てめぇで答えを掴み取れ!」
「はっ、はいっ!」
敬礼をして去っていく新人騎士を見送るキーファ。
「どうするんです? 必死に頑張って得た答えが、あんなしょうもない理由だと知ったら……」
「アールよ……しょうもない理由とか言うなよ……」
キーファとアールが他愛もない話をしていると、その時が遂にやって来た。
「……来ましたね」
「……来たな。ったく、昔っから悪い予感だけは外れやしねぇ」
草原を埋め尽くす大量のゴブリンが現れる。
中にはゴブリンナイトやゴブリンメイジ等の上位種も見て取れた。
しかし騎士団も準備は万端だ。
「はわー! 本当に来ちゃいましたね! 3Kたいちょー!」
「まぁ、こういう勘だけはいいからね。勘だけは」
長い槍を地面に立て、その先端に登って遠くを眺める女性の第3部隊隊長、ティック。
アールとどこか雰囲気が似ている第2部隊隊長、フェンが細剣をいじりながら呆れ顔をしている。
「ふん、何であろうと魔物は粉砕するのみよ」
「がっはっは! あの一番でかいのは俺様がいただくぜぇっ!」
2mの巨体と、同じ大きさの鉄球を軽々と持つ第4部隊隊長ニングスタ。
2本の大剣を振り回しながら好戦的な笑みを浮かべる第5部隊隊長タニー。
「ゆくぞ! 民の敵を……殲滅しろ!」
そして、彼らを率いる騎士団長ファルシスが先頭に立ち団員に檄を飛ばす。
こうして東門の戦いの火蓋は切って落とされたのだった。
読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/
今後2~5の部隊長は一切出てくる予定はありません( ゜Д゜)
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