第5話 魔法を使いたい
あれから俺はたまに図書館に連れて行ってもらってる。
「クロン様は勉強熱心ですねえ。」
まぁこの先破滅が待ってると考えるとやれることをやっとかないとという気で動いているだけだ。
あと意外と本の内容が面白い。こっちには前世ほど娯楽がないからできることも限られてくる。
そういえば、この世界には魔法があったんだっけ。
「レイン。魔法ってどんなのなの」
「魔法を知ってるんですか。凄いですね。」
「本に書いてあったの」
「へぇそうなんですか。魔法とは、生活を便利にしてくれる素敵な力ですよ。」
「レインも使えるの?」
「もちろんですよ。上達に差はあれどみんな使えるようになるものですから。」
「へーすごーい。僕も使えるようになりたいなぁ。教えてほしいなぁ。」
そういって、必殺上目遣いでレインにお願いする。
「うっ。そんな目で見てもだめですからね。魔法は初めに習った属性が一番大事だといわれてますから。私が勝手に教えたらそれこそ打ち首ものです。父上母上と相談してくださいね。」
さすがにそこまで言われたらどうしようもないなぁ。
さすがに諦めるのであった。
せめてく魔導書が読めたらなぁ。
こっちの世界も文字も、構造や成り立ってるものは非常に日本語と近いものがあるが、魔導書は日本語の漢字に当たるもので書かれていてまだ読めなかった。
こういうのって小さいうちから魔法を使うことでチートみたいな魔法を使えたりするんじゃないのかな。
早めに父親に相談するか。
そう思うクロンであった。
齢1才にして言葉もだいぶん話せるようになってきたし、読み書きも多少はできるようになってきた。といっても魔導書時は全然読めないんだけどね。
歩くことにも慣れてきたし、そろそろ魔法を習っていきたい。
そういうわけで父に相談しに行くクロン。
忙しそうなのだが、どうやら会って話したいことがあるというと、時間を空けてくれたらしい。マジ助かる。
「魔法を学びたい?」
「はい。ダメでしょうか。」
「いや、ダメとは言わんがな。魔法は便利ではあるが使い方を間違えると大変なことになるんだ。」
「はい。だからこそ、早く学んで、制御ができるようになっておきたいんです。」
「なるほどな……」
そういって少し思案していた父がこういう。
「お前はしっかりしてそうだからいいだろう。ただし、魔法以外のことも学んでもらうぞ。」
よっしゃーー!とりあえず何かあったときのために強くなっとかなくちゃな。
魔法が使えるというのもやっぱりワクワクするな。
期待に胸を膨らませるクロンであった。