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第4話 屋敷探索

「クロン!会いに来たぞ!分かるか。私が父さんだぞ~」



そういって部屋にやってきたのは、俺の父だった。

ちなみに、『きみせか』ではクロンの父親は出てこなかった。

父親は王家への謀反にかかわっていないということだと信じたい。



「最近は元気にしてるか?父さんはな、最近とっても忙しかったんだ。最近は……」



俺が毎日話を聞いてるのを喜んでいるのを知ってるのか、いろんな話をしてくれた。

どうやら父は内政にかかわっているらしい。

ただあんまり大した話をしてくれたわけじゃなく、デスクワークが多すぎて体がなまってるとか、上司が飲みに行こうと誘ってきて面倒くさいとかそういう愚痴を聞くことになった。

まぁ父さんもまさか俺が内容を理解しているとは思ってないだろうし言ってるんだろうな。

それにしてもまさかこっちに来てまで飲み会文化があるとは……



ただ、話すさまはとっても生き生きしていて楽しそうで、本当に仕事が疲れてたんだなぁと思うのであった。






凄い良い人そうだし、謀反には関わってないのかな。



それが、今日一日父の話を聞いて思った感想である。

国に対して反乱を起こすなんて一人じゃできないだろうし、やっぱり母親の線なのかなぁ。

もしくは学園とかでよからぬ輩とつるんだとか……



今から考えてもどうしようもないし、とりあえず頭の片隅に入れておくか。






最近ようやくハイハイができるようになった。

ただハイハイができるようになったからといって行動範囲が増えるわけではないのがつらいところだ。

最近はレインが一人で相手にしてくれることも多くなってきている。。

監視の目が少なくなったので、一回隙を見て外に出ようと思ったら扉の外に見張りのメイドがいてびっくりした。



そのあとそのメイドにこっぴどく怒られているレインを見てもう脱走を試みることはやめようと思ったのだった。

ただ、動けるようになったということで、自分の身を守れるようしっかりと力をつけよう。

基礎体力をつけることが大事だし、毎日できるだけ動き回るか。

あと柔軟も寝る前は欠かさずにやるか。





また、寝かせつけるのにレインが絵本を読んでくれるようになった。

本を見て分かったことだが、残念ながら俺はこの世界の文字は読めないらしい。



くそ、文字はしっかりと覚えていくしかないのか。



そう思うが、意外と簡単に読むくらいならできるようになっていった。



恐るべし子供の成長力である。



しばらくしたら、簡単な言葉くらいなら話せるようになった。






「クロン様。今日は暴れないでくださいね。暴れたらお部屋に帰りますからね。」

「うん。わかった!」



今日はついに部屋から出てこの屋敷を探索する日だ。

無茶言ってレインに屋敷を見て回りたいといい続けた結果、連れて行ってもらえることになった。

どうやら誰も来客の来ない日程を作ってもらったり、屋敷の警備を強化したりと色々大変だったらしい。

無理行ってすまん。でもやっぱりあの部屋の中で延々とハイハイしたり絵本を聞いてるだけじゃ暇なんだ。






まぁそんなこんなで屋敷を探索したわけだが、やっぱり探索はワクワクするよな。

とんでもなくたくさんの本がおいてある図書室に、大きな長テーブルがおいてある食堂。きらびやかで凝った絵や彫刻が置いてある玄関ホールや、お茶会が開かれる居間。応接間や客間なあんてのもあった。

後はメイドの控室、父上や母上の寝室、書斎もあって迷ったら部屋に戻れる自信がないくらい広かった。



一通り見終わった後俺は図書館で本を物色していた。

といってもまだ完全に文字が読めるわけじゃないし、あんまり難しそうなのは読めないけど。

どうやら父は本が好きらしく、ここの本は父の趣味で集めたものが大半らしい。もちろん上の兄達のために買った絵本などの優しい本もあるので、そのあたりを物色していく。



「あらあら、お坊ちゃま。どうしましたか。」

「ん?だれ?」

「これはこれは失礼いたしました。アローナ様の専属執事をしております。セバスチャンと申します。どうぞセバスとおよびください。」



セバスってこれはまたありきたりな……

それにしてもなんで俺の顔を?



「それはお坊ちゃまが寝ている間にお顔を拝見させていただいたからですよ。」

「ふぇっ!」

「これ以上ここにいるわけにはいけないので戻りますね。レイン、クロン様を任せましたよ。」

「は、はい。任されました。」



なんかレインが緊張のせいか返事がおかしいが、それをいじる余裕もないくらい俺も疲れていた。

なんというか、優しい雰囲気なのだが気が引き締まるというか……

というかへいきで読心術を使うとかかなりのできる人だな……



「そろそろ帰りましょうか。クロン様。」

「そうだね。」



今日の屋敷探索の疲れも一気にやってきた気がした。


レインに案内されながら自分の部屋に戻るのであった。

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