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第2話 『きみせか』の世界

いわゆる設定回です

あれから幾分か月日が流れた。



クロンという名を聞いて、なんとなく聞き覚えがあるなぁと思っていたけど、あることをきっかけに思い出した。



金髪の女性が部屋に入ってきたと思ったらクロンを抱えて

「あら、クロン。元気にしてたかしら。ごめんなさいね。なかなか会えなくて。ちょっと忙しくて。」

という。



ただ、言ってる内容よりも、母の姿を見て気づく。



あれ?もしかしてアローナ・アルデンバークじゃね?ということは自分はクロン・アルデンバークでは?

ということは、将来いろいろやらかして大変なことになるのでは?



「まだまだ忙しいからなかなか会えないけど、ちゃんととのいうことを聞くのよ。」



そんなことを言って去っていったが、それどころではなかった。




アローナ・アルデンバークとクロン・アルデンバークといえば、以前俺が開発していたギャルゲ『君と共に世界を救う』、通称『きみせか』の悪役であり、中ボスの親子である。

『きみせか』の世界では、平民出身である主人公が学園に入り、様々な女性キャラとイベントをこなして仲良くなり、ヒロインと一緒に世界を滅亡させるボスに挑むという物語である。

その主人公に突っかかっていく一人がこの俺、クロンである。伯爵家という身分を盾に学園で暴れまわっており、すこぶる評判が悪い。

特に平民に当たりが強く、身分制度を禁じている学園内でさえ、差別をしてくるようなやつだ。そのくせ強者には媚びを売るような態度で、取り巻きと一緒に好き勝手やっている。

平民である主人公のことを差別しており、主人公を邪見に扱ってくる。

また、魔力の少ない婚約者を虐めていただけではなく、自分にふさわしくないと婚約破棄をしておいて、主人公陣営に寝返ったとたん怒りのあまり攻撃してくる。


クロンが悪役のルートでは、クロンの元婚約者、シルフィード・エルンダークがヒロインである。


決闘イベントがあり、それに勝つとクロン陣営は瓦解し、取り巻きは主人公陣営につくことになる。

その後クロンとアローナが結託して反乱を起こし、国家転覆を狙うが、主人公たちの出る間もなく解決してしまう。

クロンとアローナは死罪となる。

これがシルフィルートである。


シルフィルートに入らなくても、クロンとアローナは反乱を起こして、捕まってしまう。なんでやねん。


とりあえず今考えなくてはいけないこととしては、少なくともクロンルートに入らないこと、そして反乱を起こさないことである。


クロンルートは、ある程度自身の態度を改めたら何とかなりそうだが反乱に関しては分からない。

どのルートに進んでもクロンは反乱を起こしてるから、その原因を突き止めて解決しないといけない。

自分だけでなくアローナも反乱にはかかわってくるから、なかなか大変そうだ。

ゲーム開発では自分はそんなにしっかり考えてなかったが、シナリオ班はしっかり裏事情とか考えてたんかな、もっとしっかり自分の担当以外も聞いておくんだった。


とにかく、まだゲームの世界通りになるかわからないけど、最悪の状態を回避するために動いておいたほうがよさそうだ。

というかこいつ兄が二人いて家も継げないのに婿入りする先の婚約を破棄って何考えてんだ。



この先の人生について考え、頭が痛くなったのであった。

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