ひよっこ探偵と天然魔女が出会うまで
『アマゾンの奥地で魔女の家が発見されたそうです。』
テレビから最近話題のニュースが流れている。
「師匠、このニュースどう思います?」
「魔女の家が発見されたってやつか。1週間くらい前の話なのにまだやってるんだな。まぁ、魔女の家なんてどうでもいいだろ」
「師匠は夢がないっすね」
最近はどのテレビ番組でも魔女の家が話題に取り上げられ注目されている。
なぜ、魔女の家と判断されているかというと…。
『アマゾンの奥地に突如、建造物が現れたのです。その建造物の調査が開始され、何者かが生活していた痕跡や摩訶不思議な記号や文字らしきものが書かれているのが発見されました。これを受け、魔女の家ではないのかと専門家が言っています』
魔女の家が発見されてからずっとどのテレビ番組でもこのように魔女の家についての説明がされている。
魔女本人も見つかってないし、意味不明なものしかないって状況だし、調査も泥沼になっているのかもしれない。
「魔女の家もいいが今日の昼メシはなんだ」
「僕は師匠の弟子ですけど家政婦じゃないんですよ。とりあえず、ディテクティイーツ頼んだのでもうすぐ来ると思いますよ」
ピンポーン
「ちょうど来たみたいですね」
ここは僕と師匠の二人で経営している探偵事務所だ。
インターホンを鳴らす依頼人よりも出前の配達員の方がよく鳴らしている。
事務所の入口へと向かい配達員から商品を受け取る。
先ほどまでテレビを見ていた応接室まで戻り、受け取った昼食を置く。
「昼ごはん食べましょうか」
「これなんだ」
容器を開けた師匠はフライドポテトのようなポテトチップスのような中途半端な大きさの揚げ物が入った入れ物を指して聞いてきた。
「これはじゃがいもの皮ですね」
フライドポテトの皮部分の惣菜を見かけて注文してしまったのだ。
皮の部分をメインのように扱う商品名で気になるのも仕方ない。
「こっちはなんだ」
5本のソーセージが入った入れ物を指して聞いてきた。
僕がいつも、変わりものの惣菜を注文するため、師匠は警戒して聞いてくる。
「さしすせソーセージってやつですね
「なんだよ、さしすせソーセージって」
「それぞれの調味料で味付けしたソーセージらしいですよ。面白そうですよね」
「砂糖ソーセージなんて不安だろ。ロシアンルーレットソーセージみたいじゃないか」
なかなか言葉遊びがきいている名前で気になって注文した。
師匠の言う通り、砂糖を使ったソーセージは不安だが気になったものは仕方ないのだ。
「最後のこれは何なんだ」
ぎっしりとお米が詰まった入れ物を指して聞いてきた。
「コンパクトサイズ圧縮飯ですね」
「どういうことだ」
「普通は米と米の間に空気があった方がおいしくなるんですけど、この容器に詰めれるだけ詰めて詰め込んだ圧縮飯ですよ。なんと、通常の1.3倍入ってるんです」
「そ、そうか。とりあえず食うか」
食事中に飲む飲み物も注文しているので師匠に紹介だけしておく。
「あ、飲み物でハニーメープルミックスベリーソルティライチレモン水もあるので飲んでくださいね」
「なんだ、その野菜ジュースみたいにいろんなものを混ぜたような名前の飲み物は。。。」
「まぁ、気にせず食べましょうよ、いただきます」
ピンポーン
「まだ、何か頼んでたのか」
「頼んでないですよ。依頼者じゃないですかね。ひとまず、見てきます」
事務所の入口へと向かう。
最近は依頼もネット経由で来るため、直接依頼人が来ることは少ないがときどき依頼人が来るのだ。
「初めまして、ご依頼でしょうか」
「道標にしたがってここに来たの。探偵事務所って書いてるけど、どんな依頼でも大丈夫?」
ここは二人しかいない探偵事務所。
何でも屋のようなことをやっていたりもする。
「とりあえず、依頼内容を聞きましょう。中へどうぞ」
依頼人がどんな人物であろうと、それがとんがり帽子を被った"魔女"であろうと何でも行う探偵事務所。
これはひよっこ探偵と魔女の出会いから始まる物語。
プロローグのような形で書いていますが連載予定はありません。
魔女と出会った探偵見習いが不思議な事件を通して魔女と交流し魔女の家を目指す物語の冒頭です。
この出会いをきっかけに主人公が魔女に振り回されつつ、探偵として成長していきます。
魔女も探偵と事件を解決するたびに世界の常識や主人公について知っていきます。
主人公が変なメニューをよく食べるため、魔女が食への偏見を持つ場面があるかもしれませんがおいしく食べる主人公を見て、魔女料理を作ったりもします。
基本的にはドタバタコメディのような話です。
しかし、連載予定はありません。
前日譚として魔女がこの世界にやってきて出会うまでの流れはこんな感じです
異世界から魔法の暴走でやった来た魔女が元の世界に帰ろうと再度転移魔法も使うが地球の魔力が少ないことを知らなかったため、魔女本人が見知らぬ土地に転移してしまう。
魔法の触媒もないため、転移魔法が使えない状態になってしまう。
人を頼るために手助けしてくれる人物を探す[道標]の魔法を使い、主人公と出会う。
少し天然なところがある魔女なのでちょっとした間違いや確認不足で事件を起こすことが多々あります。
魔女の勘違いから事件になることもあります。
しかし、連載予定はありません。
続きの二次創作待ってます笑。
また、執筆配信でやる気が出た時に後日譚のようなものを書くかもしれません