表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3ヶ月で終わるラブコメディ  作者: ケンタッキー
1/1

余命宣告


「持って後3ヶ月といったところですかね…」

「そう、ですか…」


俺は河野守、高校二年生だ。

そんな俺はたった今余命宣告を受けた。

病名は、進行ガンの一種である、パーキットリンパ腫というらしい。治すことは不可能らしい。


今、ここにいるのは医者の先生と俺の二人だけだ。

親は今ここにはいない。別に死んでるわけでもなんでもない。今だけ部屋の外に出ていってもらっているだけだ。


正直余命宣告自体は、あまり驚いていない。3ヶ月という短さには少しビックリしていたが何となくだがあまり長くはないだろうなと感じてはいた。


何故かって言う質問に答えるのはそう難しくはない。もとから俺はガンを持っているということは知っていた。これは俺の親も知っている。しかし、俺は少し前から胸が痛くなって血をよく吐くようになったりと、症状が悪化してきていたため余命宣告されるかもしれないということは覚悟していたからだ。ちなみに血を吐いたりしていることも親には言っていない。覚悟していたからってそんなに驚かないものかといったら、驚かないものだった。実際に俺もあまり驚かないことにビックリしてたりする。


「あの、先生、実はお願いがあるのですが。」

「なんだい…?」

「余命のこと、誰にも言わないでもらえませんか?」


先生は、あまり驚いた顔を見せなかった。

きっとこういう人は少なくないのだろう。


「誰にもということは、家族にもということかい?」

「はい、お願いできますか?」


先生は悩んだ顔をした。


「本当だったら、誰にも言わないということはできても最低限家族にだけは言わなければいけないんだ。しかし、守君とは長い付き合いだ。とりあえず理由を教えてもらっても言いかな?」


そう。俺と先生は付き合いが長い。俺がガン宣告されたのは三年前なのだが、そのときからよく先生には会いに来ていたからだ。それも週に3回から5回と、いわゆる常連という奴だ。

そして、家族にも言わない理由だが、それは単純だ。


「別に普通ですよ。どうせ死ぬんだったら最後までいつも通りの暮らしをしたいと思っただけですよ。」


そう。もしも、この事を家族などにいったら俺のことを心配していつも通りの暮しはできないだろう。


「そうか。わかった。本当はダメだが、君がいつも通りの暮らしをできるように全力で協力しよう。もちろん誰にも言わないということも約束しよう。」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、一度お母さんをよんできてもらっていいかな?」

「わかりました」


ガチャ


「お母さん、先生がお母さん呼んできてって。」

「わかったわ」


ガチャ


「どうぞ座ってください。」

「ありがとうございます。それで、守は…」

「今のところ何も変わったところはないですね。とりあえずはいつも通りにしてもらっていいです。特に変わった様子もないのでなにかない限り病院にも来なくて大丈夫ですよ」

「はぁ、良かった。本当に良かったです。」


俺のお母さんは、本当に俺のことを心配してくれている。俺がガンとわかったときなんかもショックで5分くらい意識を失っていた。それから少し症状がでたら、病院につれていかれたりしていた。それだけ心配してくれていたので、安心しているのだろう。


「それでは、今日はこれで大丈夫です。いつも通り薬を出しておきますね。」

「はい。本当にいつもありがとうございます。」

「いえいえ。これが私の仕事ですから。それではお大事にどうぞ。」


先生の、その言葉は少し悲しそうだった。





それからは何事もなく家に帰った。

「ただいまー」


家には誰かがいるわけではないが、ただいまといってしまうことはよくあるだろう。


「はぁ、疲れたな一度寝るか」


今日は特に運動をしたわけではないがやはり余命宣告なんてものを受けてしまうと精神的に少し疲れてしまう。一度寝て色々整理したい。


ガチャ


部屋に入り寝ようと思ったのだが…。


「はぁ、またお前か。勝手に俺の部屋に入るなといっているだろう。」

次にヒロインである幼なじみが登場します。

ブックマークや、評価是非お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ