夜会
夜会でのまたまたハプニング?!何が起きたのか…?!
優雅な音楽が流れる…私は今夜会でアルバート様と踊ってますの。
私は綺麗な水色のドレスに身を包み、綺麗に化粧をして、殿下と踊っている…とはいかないのが私……
「ヤバいヤバいヤバいヤバい」小声で呟く。
ダンスなめてた…。
もともとのリリアナの運動神経が悪すぎるのか。
もう何回踏んだ??5回は踏んでるわ。
踏んでも踏んでも殿下の表情は崩れない。
ずっと、「紳士スマイル」なのだ。
グサっ「!!!ヤバい!!じゃなくて!で、殿下…。」
「何だい?リリー?」もう殿下が紳士すぎて申し訳なさすぎる。
私の靴、ハイヒールだから、踏まれたら間違いなく痛いわ。
ファンが観たら私殺されるわよ。 お前に同じ回数、足踏んでやるってね!
アルバート様のファン尋常じゃないから!!
あと最近ヤバいとか、出ちゃう!!馴染みすぎちゃってヤバい! あ、また出ちゃった!!
「終わったよ。リリー。」
「え?えぇ。後でアリシアさんとも踊ってみてくださいね。」
「え?あぁ、うん。」
男女のダンスは、2回踊れるのが婚約者、3回目は結婚して初めて踊れるものだ。
だから、一回目は誰でも踊れる。
だからそれでアリシアと躍らせるという作戦だ!
* * *
ここまでとは…?
いや、アリシアのダンスが下手なのは分かってたけど、あぁ、私よりも下手だわ
。殿下は相変わらず紳士スマイルをしている。
ただ、踏むたびに少し口がピクりとする。
この紳士スマイルもいつまで続くのか…。
クラッと、アリシアがバランスを崩す。
「アリシアさんっ!」
私はすかさず助けた。気付いたのは3秒後。
これがイベントだったと気付いたのは。
お前は恋学を何周した?
フラついたアリシアをアルバート様が助けるというイベントがあったじゃないか。
「っ!あ、アリシアさん、大丈夫ですか?」と、言うと足から激痛が走った。
ハイヒール…!!足を挫いてしまった…痛い。痛いわ…!助けて…誰か。
「で…殿下。ハァ、ハァッ」息が乱れる。
周りから話し声が聞こえた。
「信じられないわ。公爵家の御令嬢に迷惑をおかけするなをんて。」
「やっぱり、庶民は嫌ね。」
私の頭の中で、庶民というキーワードが、何回もこだました。
「リリー、ここは任せてよ。メアリー、リリーとアリシアをゲストルームに連れて行って。」
「はいっ!」
こういう時に、殿下がいると助かるな、と思ったのだった。
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