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2ページ目

…遅れてごめんなさい

◇カルネ


「レー!どこに行ったんだ?」


レーは僕の契約妖精で極度の面倒くさがり屋だ、僕は協力する気のない妖精に…いつも振り回されている。


《わたしに…なにか、ようじ?》


「すごく探したんだけど…薬草採取の依頼を受けてきた…ほら、着いてきて」


《いきたくない、けど…けいやくだから、ついてく》


「やる気なさ過ぎない?」


僕は思わず頭を抱え、剣の腕を磨いておいてよかったと心底思った。


◇◇


…薬草採取を始めようとしたら、ロストウルフに会ってしまった。

ロストウルフと言うのはウルフ型の魔物の中でも上位に入る。

しかも群れときた、はぁ…本気出すと…すっごく疲れるんだけど…まぁ、そんなことは言ってられないみたいだね。


◇第三者


カルネは(つるぎ)を抜くと素早い動きで次々とロストウルフ達の首を落とした。

その動きはAランク冒険者すらも越している。

Sランク…いや、もしかしたらSSランクにも到達するかもしれないほどだった。

だが…その時のカルネの表情は、まるで氷のように冷たかったく…見たものに恐怖を与えただろう。

だか、このときは誰も彼の姿を見なかったため、それを恐れる人はいなかった。


「はぁ~…すごく疲れたんだけど…」


《ん…いやしの…まほう…かけてあげる…》


レーがそういった途端、カルネは青白い光に包まれる。


「あれ、疲れがなくなっていく…すごい…」


《けいやく…だから…》


「すごくやる気がないっていうのは変わらないんだね…」


《わたしは…わたし、だから…かんたんには…かわらない…》


「それじゃあ帰ろうか」


《…わたしは…もりで、まつ…ひつよう…あればよんで…》


「…わかった」


カルネは呆れたように笑うと、そのまま冒険者ギルドの方へ歩いていった。


◇受付嬢


カルネって人大丈夫かな?

小柄だったし強そうには思えないんだけど…

それに声もとってもかわいいし…まるで女の子みたいな…

カランコロン

あっ…冒険者さんが来たみたい…ってさっきのカルロ君じゃない!


「おかえりなさい、怪我はないかしら?」


「…?怪我ならありませんが…薬草採取が終わったので、提出に…あと…」


「もう終わったの!?」


「え?はい、終わりましたが…あと…ロストウルフが出たので…」


「ロストウルフが!?急いで討伐体を組まないと、死者がっ!!」


「はぁ…もう倒したんですが…?」


「えっ…?嘘でしょ、ロストウルフを!?」


こんな小さな体で!?


「はい…討伐部位…これであってますよね?」


「そう…だけど…待ってこの数は…」


1.2.3.4.5.6.7.8.9...

98!?


「こ…この数を一人で…?」


「はい、そうですが…」


嘘でしょ…そんなの、元Aランクの私でもできない…

現役時代だって…ここまでの大きな群れは倒せないよ。

そんなことができるのは…もしかして、Sランク…?


「…これは本部に連絡させてもらうわね…」


「…?なぜです?」


本当にわかってないみたい、少し世間知らずなのかも?


「ロストウルフを…それも98匹もの群れを倒せるからよ…

 それは普通はできないの、初心者さんならなおさら…」


「そんなことに時間を取られたくないのですが…」


「ランクもアップして、いい依頼を簡単に受けられるわよ?」


「!それはいいかもしれません…」


っ…喜んだ顔が可愛いんだけどっ!

ずっとむくれたような顔してるけど、どうせならもっと笑えばいいのに…


「ともかく、ここに数日滞在しておいてくれるだけでいいわ…

 お願いできるかしら?」


「わかりました、それぐらいは全然いいですよ」


「協力助かるわ…」


はぁ…通信つけるの本当に面倒なんだよね…


◇◇◇第三者

数日後


カルネはまた、冒険者ギルドに来ていた。


「…ランクアップが完了したわ、あなたのランクはBよ」


「…?すごく上がりましたね…?」


「あなたの実力的にはもう少し上にしてもよいのだけれど…

 Aランクとまでなると、重要な人物の護衛も入るの

 だから実力だけでなく、人柄も必要とされるわ…」


「つまり…まだ僕が信用がないからこれ以上ランクは上げられなかったと言うことですか」


「そういうことよ、理解が早くて助かるわ…

 あと、申し訳ないんだけれど、今日から私もあなたの旅に参加することになるの…」


「え…?なぜですか?」


「…本部からの司令よ、司令内容はあなたに話しちゃいけないことになってるの…ごめんなさいね?」


「…それは強制ですか?」


「……強制よ…従わなければ冒険者として活動できなくなるわ…」


「…それは困りますね…」


「私も元Aランクだから、足手まといにはならないつもりよ…

 あと、もしも私が仕事の途中で死んだとしてもあなたの責任にはならないわ」


「…わかりました、僕の旅に同行することを了承します」


渋々、と言わんばかりに顔を歪ませながらカルネはそう言った。


「協力、感謝するわ…」


受付嬢はどうやったらこの仏頂面で人を拒絶する人と旅の途中仲良くできるんだろうか…と考えていたが、カルネにはカルネなりの、人を避けねばならない理由があったことを、彼女はカルネとの旅の中で知っていくことになる…

次回から、受付嬢のお姉さんが冒険に加わります…

よろしくお願いします。

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