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9ページ目

多大な遅刻、申し訳ありませんでした…


◇セリナ


…何だか空気が重いような気がする。


私が踏み込んじゃいけない範囲だったのかな?

冒険者は訳アリが多いから、余計な詮索は控えろって言われてたのについ質問しちゃったけど…


「カルネ君?」


「…あっ、はい!なんです…どうかした?」


敬語に戻ったりしてるし、やっぱり様子がおかしいよね。


「体調悪いの?」


「え、違…うよ」


カルネ君は、少し困ったように笑う。

なら、やっぱり私は踏み込んではいけなかったんだろう。


「そっか、ごめんね…じゃあ行こっか!」


◇カルネ


ふたりとも黙ったまま、ダンジョンに付く。

セリナさんが黙ってるのは僕のせい…なのかな?


「ここで何するんで…かな?」


「…カルネ君の実力を見たいと思ってるの」


僕の実力?どういうことだろう…


「えっと、それは…」


「私はカルネ君の戦闘を見たことないでしょ?」


ああ、なるほど…

じゃあ本気じゃ駄目だな。


『力がバレたら利用される、気をつけて』


…うん、それはもう知ってるから大丈夫だよ。

だからもう少しだけこの人と旅をしてていいかな?


「わかった」


◇セリナ


私は後ろに控えながら、カルネくんの戦闘を見ていた。

敵はグリーン・ゴーレム


…早い、目で追うのがやっと…って、あれ?

遅く…なった…?


「カルネ君、大丈夫?」


「大丈夫…」


◇カルネ


やばい、早く動きすぎたかな?

変に思われ…


「もしかして、体力が切れてるの…?」


あ、遅くしたのをいい感じに誤解してくれた。

このままばれないでいられたらいいんだけど…


とりあえず、片付けるか…


「どうでし…どうだった?」


「すごく強かった、もしかしたら私よりも…」


どうだろう?僕は勝てるだろうか、彼女に…


「セリナさんには勝てないよ」


だって、どうしても刃を向けるのを躊躇してしまう…

だから僕はセリナさんに勝てない。


「私も、カルネ君には勝てないかも…」


「どうして…?」


思ったよりも、出た声が震えた。

それでも僕は無理に表情を取り繕った…そうでなければいけない気がしたから…


「カルネ君は優しいから…きっと君は理由が無ければ私を攻撃しないと思うんだ…だから、私も…躊躇してしまうと思う」


そうやって笑ったセリナさんに、より一層憧れて…

僕は…そんなに優しくないよ、なんて…そう言いそうになった。

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