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四話「話に夢中になると周りが見えなくなることありますよね」
私が答えようとした時に周りの気配を感じる。
「お話中申し訳ないのですが、死んでもらえます?」
その気配のうちの一人が声をかける。先ほどのくのいちの女性だった。
「あらら、もう見つかってしまいましたわ」
「そなたは……」
「おや、よそ見してると危ないですよ?」
アルファは彼女に向けて銀色の剣を振るう。しかし彼女の片手に持っていた黒い鉄の武器でそれを防ぐ。私たちの世界でクナイと言っていたが、こちらではこんなふうに違う言い方をするらしい。
「ちっ、クサイで防ぐとはな」
「お前ら、殺せ」
「アルファー、どうするのよ。これじゃあ、敵が多いわ」
ユリさんはそう言う。こういう場合はやはり……。
「敵の攻撃を防ぎながら里の方へ逃げるぞ!!」
彼女たちが「オーケイ」とか答える中で私だけいつものパーティーのくせで「炊飯ジャー」と答えてしまった。だが、そんなことを気にせずに私たちは敵の攻撃を交わしつつ、里の方へと走って行くのだった。