二話「金色の神追放書」
私は辺りを見渡す。そこには私の元いたメンバーがいない。
「探しても無意味だ。俺らが来た時にはもういなかった」
「アルファ、あの島を出て何日経った?」
「さぁな。だが、少なくとも俺らが出発してからは十日ぐらい経ってるはずだ。そんぐらいたってるのにお前らが出た姿のままお前がここで寝ていたのが不思議にぐらいだ。お前ら、何があった?」
「俺らの乗っていた船は『世界崩壊之門』と書かれた巨大な門が突如現れてその扉が開いて中に入って渦に飲まれたのだ」
「何?あの噂でしか聞いたことのないあの門と出くわしたと?お前ら、何をしたんだ?いや、そうか。そうなればあの事件と繋がってくるな」
「あの事件とは?」
私がそう聞いた時に背後から声がする。
「その事件の説明……いや、そなたらをその場で処分せねばならないかもしれぬ。お主ら、この者に見覚えがあるか?」
後ろにいた者に顔を向けると、私たちに見せびらかすかのように金色の紙を見せてくる。そこには私がこの世界に連れてきたあの神の仮面を被った姿が似顔絵のイラストが鮮明に描かれていた。太陽の光でその神々しさがより漂っていた。
「あぁ、私をここに連れてきた神様ですね」
「おまっ……」
「なるほど、お前が元凶か。なら、殺れ!!」
黒い布から覗かせる鋭い目と憤りを感じさせる女性の口調。その姿はまるでくのいちだ。それがたくさんいる。
「まったくアホなお方ですわ。忍法……とまでいかないけど喰らいなさい」
「これは煙幕?うちらの中に裏切りがいるのか?」と先ほどの女性が聞こえる。
浜辺一面に煙幕に包まれる。そんな中で私は何か腰に引っかかったかと思うと、私は強引に体を引っ張られた。そして煙幕の晴れた所へ引っ張られた。そこには先ほどと同じ黒い布を纏ったくのいちがいた。近くを見るとアルファたちの他の三名も私と同様に腰に輪っかにしたロープを付けられていた。
「これで全員か?」
「あぁ。君は誰だ?」
「話は後よ。早く森の奥へ逃げるわよ」
私たちは彼女の言われた通りに森の奥へと逃げ込んだ。