厨二病初心者の我に魔法が使えないわけがない
「くらえっ神の涙‼︎」
我知る限り最大規模の威力を誇る最上級魔法。その名を「神の涙」それは世界の理を壊変させる神聖魔法であり、かつて我が叔父はこの魔法で終焉の魔神を消滅させ世界に平穏をもたらしたという。
だがこの魔法はその強力な力の代償に生贄を求める〜中略。
そんなことが叔父の黒歴史ノートに書いてあった。細かいことはあまり覚えていないがこの状況を乗り切るにはこれしかない。
普段の龍坂ならそんな魔法なんてもの使える訳ないと冷静に判断できるのだが、目の前にはファンタジー小説や漫画に出てくるオーク。
ならば魔法があってもこんな主人公みたいな立ち位置にいる我が使えてもおかしくない!「唸れ我が魂よ‼︎今こそ叔父の黒歴史ノートの真の力を使う時だ‼︎」(激しく混乱中)
魔法を詠唱(後半適当)し終えるのと同時に、龍坂は急な脱力感に襲われて膝をつく、嫌な違和感の正体も分からぬまま彼が最後に見たのは棍棒らしきものを振り上げるオークとーーその背後から漏れる神々しい光だった。
…
……
…………
その日、とある路地裏から女性と男性の悲鳴そして野太い豚の鳴き声が聞こえるという通報があり現場に駆けつけたがそこには、僅かに異臭がただようばかりで特になにも見当たらないように見えた 実際一般人程度にはなにが起きたか本当の意味で理解することはできないだろう
この男を除いては。
異様なほど帽子を深く被る警官が通報のあった現場にのらりくらりと駆けつけた。
「この微かに残る魔力の感じは、まさか最上級魔法を発動したのかな〜」だとするとまずいな〜この世界に実存する最上級魔法といえば火焔魔法の地獄の業火と神聖魔法の神の涙ぐらいだぞ〜その他の魔法は世界の理から外れてしまったから使える奴などいないとして、火焔魔法は7属性魔法1の破壊力が特徴だ。だが発動されたされた形跡は見当たらない。ならば、発動された魔法は神の涙である転移魔法で間違いないだろう。
「しっかしおかしいな〜最上級魔法は俺の本に封印してるから使えないと思っていたんだけどな〜」
「ククッアハハハハハハハハ‼︎」
なにかが琴線にふれたのか男は不気味に笑い始めた。
「これは〜流石に夢じゃないよね…マリア」
警官ふいに、呟く その声は少し悲しげであったが誰も答えるものいなく男もすぐにまた笑い始めた。
警官にしてこの男、龍坂の叔父の弟。適当に言ってるだけである。
やっぱり短いです!
あと叔父はただの元厨二病です。
タイタスを消滅させた魔法、の下にあったのが神の涙…テヘ