主人公一行 異世界転移一日目終了す。
〔レベルが基準値を超えました。魔王ディアルに『転生』を開始します。〕
〔魔王ディアルに転生完了しました。ステータスが一部修正されます。〕
〔ステータス修正にエラーが発生、ステータスをインフィ二ティーステータスに変更します。〕
〔インフィ二ティーステータスに変更完了致しました。ステータス1に登録します。〕
ステータス
ディアル レベル 999
HP1500/1500 SP100/100
NP100000 SD 無限
技能
全属性耐性(中) 魅力耐性(邪神) 全属性適正
自動回復 魔眼
称号
「**の支配者」←進化 「童帝神」←進化
装備
邪龍マント 死の眼帯 覇者の服 黒歴史ノート 蛮神バッグ 魔剣ゲル・マガラ
〔黒歴史ノートに新たな魔法が追加されました。〕
〔意識の覚醒を行います。〕
「おいっ大丈夫か龍坂!」
微睡みの中、石幢のやけに焦った様な声に反応し飛び起きる。
「ハッ⁉︎俺は、どのくらい気絶してた」
「日が落ちてから2、3時間程度だけどよ、お前本当に大丈夫なのか?」
「身体に異常は見られない…痛みも感じないから大丈夫だと思うが?何かそんなに心配する要素があるように見えるか?」
「いやいやいや鏡見てみろよ!お前ツノが生えて服装も豪快に変わってるぞ!」
鏡はないが、魔法の余波で出来たと思われる水たまりが横にあったから、何故か頭の上が重くなった?体を起こし覗いた。
「…なバカな、(なんか王様みたいな服になってる。)」
変化は服装だけに留まらず、頭上には、左右に魔を象徴するような禍々しいツノが生え、瞳の色は黒から赤と青に変化し、見た目にはでていないが、背中がムズムズする…翼でも生えるんだろうか?
「ハッ、『ステータス』」
パニックになりそうな気持ちを抑え俺はステータスを開く
…ゲームのパラメータと全く同じだ。
「………魔王ディアル?」
どういう事だ何故俺の名前がゲームアバターの名前に変わってるんだ?バクか?異世界バク?
というかこんなゲームやったか?、俺が?そんな記憶なーいや、ある。どう言うことだ?
『インフィ二ティー』
このゲームのプレイ記憶はここ数年間ほど確かにある。だが…今の今までこんなゲームなどプレイした覚えがないと心の底から思っていたのは異世界転移による記憶の混濁によるものだろうか?
その時、ここ数年の『インフィニティー』での記憶が鮮明に思い出された。
『…あぁ忘れていた。この姿はインフィニティーでの…』
俺は今まで記憶喪失にでもあっていたのだろうか、
忘れていた記憶の波が次から次へと押し寄せ、記憶の泉を潤わせる。
「なあ石幢、…取り敢えず休める所を探さないか。魔力を大幅に消費したせいか上手くステータスが起動しないんだ。」
後数分もすれば何もかも思い出せるだろうが何分膨大な記憶のため、頭痛が凄い。
「それもそうだな、じゃあお前が呑気に寝ていた間に使い魔に見つけ出させた山小屋に行ってみるか。」
「山小屋?村とかではないのか。」
「知能が低い使い魔だったからあまり鮮明な情報は得られなかったが人やその他の建築物はその辺りにはなかったそうだ。」
んっ?知能が低い使い魔だと…嫌な予感が、
「石幢、そこまでどのくらい距離があるんだ?もうすっかり日が沈んでしまって真っ暗だぞ」
「ああそれなら問題ないぜ使い魔に座標登録させたしすぐにでも転移できる。」
「そんなことができるのか、(あの女じゃなさそうだな)じゃあよろしく頼む。」
「おしっ任せとけ。『転移』」
もう石幢がサラッと魔法を使うのにツッコまなかった…
転移した先は、少しカビ臭く年期を感じさせる木造の簡易的な小屋。床を力を込めて踏んでみると乾いた音が僅かに鳴った。いきなり割れるような心配は要らなそうだ。
「物置小屋と言っていたから埃まみれの雨宿ぐらいにしかならないやつと思っていたが意外に片付いているんだな。」
電気などはなく灯りはロウソクの火頼りのようだが四人ほどは座れる古びた机や椅子は独特の雰囲気を醸し出していて即席の宿としては申し分ない。ベットは、流石に無いようだが最悪この妙に分厚くなったマントを毛布がわりにすれば良いだろう。問題があるとすればー
「石幢、何かそこにいるんだが、」
ロウソクの灯に照らされた小屋の中の一角、影より暗い真っ黒な靄が人型の物体を中心に蠢いていた。
「ゴーコーォ」
ステータス
戦乙女 (ゴースト)レベル15
HP1500/1500 SP99/100
運2 力400 知0.5 武100 リア友0
技能
鬱化 念動力 風属性適正
称号
雑魚キャラに片足突っ込んだ女
復活怪人は弱体化する法則〜 ←new
「知能が低い使い魔という時点で大体予想はついていたがまさか、ゴーストになっていたとはな…あっ石幢、先程からコーコー言っているこいつはインフィ二ティーにいた中位召喚獣の『戦乙女』だよな」
俺はあの日の大規模メンテからしばらくプレイしていなかったから今まで気づかなかったがこの身体がディアルに置き換えられたことで何かこの世界のヒントになるのではとインフィ二ティーの設定などを思い返していたら確か課金枠にこいつに似た召喚獣がいたのを思い出した。
「なんだ、お前も気づいてたのか。そうこいつは最初の召喚コストこそ高いが一度契約を結べば消滅してもノーコストで再召喚できる課金兵だったから便利だと思ったんだがーどうやら何もかもが俺の知るゲームと同じってわけじゃないみたいだな」
「コーコー…」
「フフッ神の従者という設定を帯びた戦乙女がゴーストに堕ちるというのはなんとも滑稽だな。」
皮肉げに頬を緩める。
「ゴッゴ⁉︎」
会話は不可能そうだが言葉ぐらいは理解出来る知能は残っているらしい。
「おいおい、あんまりからかうなよ、ここはゲームと似たような事は出来るがゲームでは起こり得ない事もあるんだぜ。いきなり主人の命令を無視して襲ってこないとも言い切れないんだぞ。」
「…そうだったな、済まないこいつには短い間に何度も殺されかけてその度に先に殺してたからこうして一方的に話しかけるのはー、なんだか気分が良いんだ。」
ただのドSである。
「クラスの女子にドン引きされそうなセリフだな。」
「俺のクラスは女子いないから大丈夫だと思うぞ。」
「………そういう事じゃないんだが、まあいっか龍坂もう寝るぞ。」
「NP切れを起こしたように急だな、しかしー床で寝ると背中が痛くなりそうだな。」
「いいからマント少し貸せよ俺はもう究極に眠いんだ。」
「あっちょっと引っ張るな」
石幢はマントを強引に奪ってそのまま床で寝てしまった。
「…俺も寝るか、」
石幢がマントを奪ってしまった為、硬い床に直で寝ることになってしまったが少し暑かったので床はひんやりして気持ちよかった。
「…コーコー…zzz」
やがて戦乙女もゴーストであるが睡眠につき小さな山小屋は静寂に包まれた。