呆気ない主人公
「認識ゴミ(龍坂)、主人が共闘を命じられました。貴方のステータスを開示させなさい。作戦は私が立てます。」
「…しばし待て、我が作戦を立てる知力0.1はドラゴンの動きに注意してろ俺の幻影魔法は格上にはそう長くはきかん。」
数分前、石幢の提案により戦乙女と共闘することになった俺はブラックノート(カッコイイ名前考え中)によりドラゴンに幻影魔法をかけた。
幻影魔法 ページ5
相手に幻を見せ撹乱させる魔法
魔力消費が多く、格上の相手には効きにくい
本来幻影魔法は精神を汚染して幻を見せるものであり格上であるウォータードラゴンには通じるものではなかったのだが、龍坂の幻影魔法は何故か水蒸気のような細かい魔力を一時的に物質化し相手を撹乱するものに変化していた。
ウォータードラゴンの周りを魔力の粒が集まってできた戦乙女達が飛翔し、上手く注意を逸らしてくれている。
「最初は、貴様がいきなりこちらに向かってきたため慌てて発動したのだが存外使い勝手の良い魔法だ。これさえあれば奴も倒せるかもしれん。」
「否定、幻影魔法では敵にダメージを与えることなどできない。それより今のうちに逃げるのが最善の方法」
「それこそ否定する幻影魔法は魔力消費量が多いだけでなくかなりの精神力を使うのだ距離が開くとすぐ溶けて奴に背中を晒すことになる。」
「ならばゴミ(龍坂)、複合魔法を使うことを作戦とする」
「人の話を聞いていなかったのか作戦は俺が立てるあとゴミではない龍坂裕翔だ。そして複合魔法とは何だ!…いや、確かノートに、」
複合魔法
最大5属性の超魔法であり高威力であるが術者一人では発動出来ないうえ生贄を必要とする禁忌魔法である
「………お前。」
まさかこの女、自分の命を代償にこの魔法を使えと、
「では、後ろを向いて下さい心臓を抉り出します。」
「よぉ〜し!ちょっと前に出ろ貴様もろとも地獄の業火で焼き払ってやる。」
「貴方の低ステータスでそんな事できるわけないでしょ、さあ早く心臓を差し出しなさい今なら死体が腐らないうちに燃やしてあげます。」
「…ブラックノート2ページファイヤーラスフルネット」
火属性の網が戦乙女を包んでそのままドラゴンに物凄い勢いで絡みついた。
グオォォォー
火属性の網だがなかなか効いたらしい
ドラゴンは呻き声を上げ炎の網を引きちぎろうとしている。
「グハッゴミッ何をする!」
「どうせ何度でも蘇るのなら派手に散れ」
「ブラックノート13ページ 『インフェルノギル』×99」
口が裂けそうなほどの高速詠唱により今最も強力だと思える魔法を99回発動させた。
「まッ⁉︎」
ドゴォォォォォォ
日が沈みはじめ暗くなってきた空を巨大な火柱が真っ赤に染めた
そして魔法の餌食となったドラゴン&戦乙女の姿を見たものは誰もいない
フゥ、殺ったか
ピピッ〔レベルが急激に増加しますご注意下さい〕
頭の中に声が響いた、というか頭の中響きすぎな気がする俺、精神汚染耐性ゼロなのだろうか