3人の開局
あの戦いは一件落着。
さて友トリオはどう動いていたのか?
その様子をお楽しみください。
『皆さんこんにち〜わ!』
「リナピンでーす。」
「美代ッチよ。」
「大河ンです!」
『3人揃って友トリオでーす。キャハハ』
記念すべき第1回目の投稿日は春休みが終わる直前だった。
録画した動画を見てみる。こういった動画は編集をする必要はない。あるとするならプリクラみたいに可愛く加工するだけだ。
では一体どうやってこのチャンネル及びグループが出来たのか?安倍大河が説明します。
それは中学の話。同じクラスだったのが運命なのかな?たまたま2人に声を掛けられ、知らぬ間に親友と呼べる仲になっていた。そう大した事ではない。自分は女子と友達になりやすく、逆に男子の友達はいない。
彼女達と色んなこともやった。単なる集まりや遠出、時にはイタズラを3年間。
しかし学力の差は大きかった。3人とも同じ高校に入学出来る頭はない。それなら1番低い高校に入れればいい。けどその高校は落ちこぼれ専用。とても優秀な子が入るところではない。
だから友トリオチャンネルが開局された。最初に美代が、
「フレンドタイムというサイトで活動しない?」
と誘ったのが始まり。彼女は高校が別々のかわりに週末会える口実を作りたいと。それでネット活動をしようとなった訳だ。
どうやらそのサイトには自分達と同じ学生達が多いため叩かれる心配は無いと。それで楽しそうだから里奈も自分もその案に賛成した。
そして一本目の動画を投稿。内容はダンスなど。自分は狂ったように踊った。
でも最初から人気が出る訳がない。1週間でやっと二桁超えるファンがいたぐらい。
転機はいきなり来た。有名な人がたまたま自分達の動画を見て面白いと共有した。そしたらあっという間にファンが10万人も!どうやら自分の踊りが受けたのが良かったらしい。
最初は会う口実を作るだけ、楽しめばいい。そう思って結成されたのにいつしか有名人と鼻を伸ばすようになっていた。それが間違いだったのかもしれない。
そしてしばらく経ったある日。新しく載せた動画にこんなコメントが来た。
(ふざけるな。つぶす!)
このコメントはこの動画を出してはいけないという意味もあり、これから嵐が来ることを予言したコメントだった。
もちろんその時は知らない。この動画は…そうあの動画なのだ。
番外編を付き合ってくれる方に感謝です。