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見失う前に

作者: 雨
掲載日:2016/08/28

思いつきで書いたのであまり期待はしないで下さい……

ここまで嫌悪感を持ったのは初めてだ。

きっとこれは同族嫌悪何だろう。


俺の目の前に映る女性は、今通っている大学ではっきり言えばモテている。


だが俺の目に映る彼女は酷く歪で、笑顔が嘘臭く見えてしまう。


皆はそれに気付かない。


故に似ている。

俺の表情、彼女の表情。

それは仮面のように、されど自然に。


嘘に嘘を重ね、自分を騙しそして他を騙す。


演じれば演じる程自分の人格を見失う。

見失ってしまえば取り返しが付かない。

俺にはそれがわかる


だからこそ、彼女が気持ち悪くて仕方がない。


そして彼女が俺の横を通り過ぎる時口走ってしまった。


「あぁ……

吐き気がする。」


彼女が俺を見据える。

そして笑いながら呟いた。


「私は好きよ」


その笑は美しく、見る者の心を動かすだろう。


俺にとっては背を這う様な気持ち悪さと歪な笑にしか感じなかった。






あれから一ヶ月程がたった。


俺はバイト終わりに寄った喫茶店で珈琲を飲んでいた。

煙草を吸いながら時間を潰す。


一時間程時間たちそろそろ店を出ようかと、用意をする。


その時一人の客が入ってきた。


彼女だ。

俺は彼女と会釈する事も無く帰ろうとする。


「少し話さない?」


「すいません、予定があるので」


俺はそれでけ言うとレジに向かう、だが手を掴まれ止められる。


「ちょっと位良いじゃない」


「辞めてください」


毒をたっぷりと含んだ口調で伝える。

しかし、そのまま俺が座っていた席まで引っ張られる。

俺は諦め、大人しく座る。


「あら、あっさりと座るのね」


「貴女は諦める気が無さそうだったので」


「この前の事で話がしたくなってね」


彼女は笑い、俺は顔を顰める。


ウエイトレスが来たので注文をする。


「俺はアイスコーヒーで」


「私もそれで」


注文を聞き終えると決まり文句を告げ戻っていく。


俺は煙草に火を付ける。


「で、話って何ですか?

謝って欲しかったんですか?」


「謝罪なんていらないわ

ただ、その意味が気になっただけよ」


「そのままの意味ですよ

その貼り付けた顔がイライラする」


「やっぱりわかるかぁ」


「わかる人にはわかりますよ」


珈琲が届き俺は煙草を灰皿に押し付ける。


「そろそろ仮面を脱ぎませんか?」


「…何の仮面かな?」


「まぁ演じるのは良いですけど、本物の人格を保たないとダメですよ?」


「大丈夫よ、見失わないようにしてるから」


俺は彼女の目を見るそこに嫌悪感は無かった。


「嘘では無さそうで良かったです 」


「で、貴方は仮面を脱いでくれないの?」


「残念、もうどれが仮面かわからないんですよ」


彼女は少し驚いていた


「だから貴女は見失わないで下さいね」


俺は珈琲を飲みきり会計を済ませる


「あら、奢ってくれるの?」


「フェミニストなんで」


そんな軽口に彼女は微笑んだ

その笑は自然で、とても美しく思えた。


仮面の下にあった感情は俺の心を動かした

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